
放物線$y=x^2$と円$x^2+(y-a)^2=4$の共有点の個数を求めよ. \\ 円と放物線の位置関係}}}} \\\\[.5zh] 円と放物線の位置関係は, \textbf{\textcolor{purple}{図形的観点と数式的観点の両面から攻める}}必要がある. \\[.2zh] \textbf{\textcolor{red}{基本的には図形的に考え,\ 接する場合の条件を数式で考える}}と簡潔に済む. まず,\ 何が固定されていて何が変化するかを確認する. \\[.2zh] 本問は,\ \bm{放物線のほうが固定され,\ 円のほうが変化する}型である. \\[.2zh] さらに,\ 円の半径2と円の中心のx座標0も固定されている. \\[.2zh] つまり,\ \bm{変化するのは円の中心のy座標a}のみである. \\[.2zh] よって,\ 半径2の円の中心をy軸上で動かしたときの放物線との共有点の個数を考えることになる. \\[1zh] さて,\ 円をy軸の負から正の向きに動かしていってみよう. \\[.2zh] すると,\ \textbf{円と放物線が接するときが場合分けの境目になる}ことがわかる. \\[.2zh] 上図の3パターンにおける共有点の個数は,\ 全て図形的に明らかである. \\[1zh] 最初,\ 円と放物線は共有点をもたない(上左図). \\[.2zh] 共有点の個数は,\ \bm{円の中心と放物線の頂点の距離が円の半径に等しくなる瞬間に変化}する. \\[.2zh] このとき,\ \bm{放物線と円は原点で接し,\ 共有点1個となる}(上中図). \\[.2zh] この状態から少しでもy軸正方向に円を動かすと,\ 共有点が2個になる(上右図). 次に共有点の個数が変化するのは,\ \bm{再び原点で接するa=2のとき}である. \\[.2zh] 注意すべきは,\ \bm{円と放物線のどちらの曲がり具合が大きいかで共有点の個数が変わる}ことである. \\[.2zh] 本問が上図のどちらの場合になるかを考慮しなければならない. \\[1zh] \bm{図形的観点だけでは曖昧さが残る場合,\ 数式的観点から厳密さを追求する.} \\[.2zh] \bm{図形的な共有点の個数は,\ 数式的には連立方程式の実数解の個数}である. \\[.2zh] よって,\ 放物線y=x^2\,とa=2における円の方程式を連立し,\ 実数解の個数を求める. \\[.2zh] このとき,\ \bm{x^2\,を消去してyの2次方程式に帰着させる}のが最大のポイントである. \\[.2zh] 一見するとyを消去したくなるが,\ xの4次方程式となってしまい厄介である. \\[1zh] \bm{連立方程式で文字を消去するとき,\ 消去する文字の実数存在条件に注意}する. \\[.2zh] 本問の場合,\ \bm{y=x^2\,より,\ y\geqq0という隠れた条件が存在する.} \\[.2zh] もしy<0だとすると,\ これに対応する実数xが存在しなくなってしまう. \\[.2zh] 逆に言えば,\ \bm{y\geqq0であれば,\ 対応する実数xが存在し,\ それが共有点の座標となる.} \\[1zh] x^2\,を消去したyの2次方程式を解いて求まるのは,\ 共有点のy座標である. \\[.2zh] \bm{yが2つ求まる(共有点のy座標が2個求まる)から,\ 上左図となる可能性が排除される.} \\[1zh] 共有点の個数を考えるとき,\ yとxの個数の対応関係に注意する. \\[.2zh] y=x^2\,において,\ yとxの個数は1対1対応ではない. \\[.2zh] よって,\ y=0,\ 3の2個だからといって,\ 共有点2個としてはならない. \\[.2zh] y\geqq0\ のとき y=x^2\,より x=\pm\ruizyoukon y \\[.2zh] よって,\ \bm{y=0のとき,\ x=0の1個のみが対応する(yとxが1対1で対応).} \\[.2zh] また,\ \phantom{て}\bm{y>0のとき,\ y\,1個にx=\pm\ruizyoukon y\ の2個が対応する(yとxが1対2で対応).} \\[.2zh] 結局,\ 共有点の個数が全部で3個あるとわかる.\ 座標は(x,\ y)=(0,\ 0),\ (\pm\ruizyoukon3,\ 0)である. \\[.2zh] 図形的に見ると,\ 共有点3個(y座標2個,\ x座標3個)であることを視覚的に理解できる. \\[.2zh] y>0では,\ 1つのyに対して常にy軸対称なxが2つ対応するわけである. \\[1zh] なお,\ 原点で接するときのaの値をD=0として求めることはできない. \\[.2zh] \bm{常に「接する\,\Longleftrightarrow\,重解」が成り立つのは,\ 整式同士の場合のみ}である. \\[.2zh] 図形的な観点でとらえることが重要というわけである. 放物線と円が2点で接する条件は,\ \maru1が}$\textcolor{red}{正の重解を持つこと}であるから$ もし,\ a=2のときに共有点1個となる問題の場合は,\ のときは共有点0個である. \\[.2zh] 本問のようにa=2のときに共有点3個となる場合,\ ではさらに3つの場合分けを要する. \\[1zh] a=2の瞬間から少しでも円がy軸正方向に動くと,\ 共有点は4個となる. \\[.2zh] さらに動くと,\ 接する瞬間(共有点2個)を経て,\ 共有点0個となる. \\[.2zh] よって,\ \bm{放物線と円が2点で接するときのaの値を求めればよい.} \\[1zh] y>0で接するとき,\ \bm{共有点のy座標は1個になるから,\ 2次方程式\maru1の重解条件に帰着}する. \\[.2zh] ただし,\ \bm{重解が正でなければならない}ことに注意する.\ その条件は,\ \bm{「D=0\ かつ\ 軸」}である.