x軸周りの回転体の体積 V=π∫y²dx

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y=f(x),\ x=a,\ x=b,\ x軸で囲まれた部分の回転体の体積$ 回転体の体積は,\ {回転軸に垂直な平面で切断}して考える.\ {切り口が必ず円になる}からである. 上図のxにおける切断面において,\ 半径はf(x)であるから{断面積は\ π{f(x)}²=π y²}\ である. 微小な厚さdxを掛けた\ π{f(x)}²dx\ が微小体積をa x bで積分すると体積が求まる. 回転体の体積の問題ではとにかく{πを掛け忘れることが多い}ので注意する必要がある. y=sin x\ (0 x2π)\ とx軸で囲まれた部分をx軸周りに回転させてできる立体の$ $体積Vを求めよ.$ 対称性を考慮すると,\ 0 xπ\ の部分の回転体の体積を2倍すれば済む. sin²x\ は,\ 2倍角の公式\ cos2x=1-2sin²x\ の逆で次数を下げる. 2曲線y=log x,\ y=3log xと2直線x=e,\ x=e²で囲まれた部分をx軸の周りに$ $回転させてできる立体の体積Vを求めよ.              [鹿児島大]$ {2曲線で囲まれた部分の回転体の体積}である. {y=3log xとx軸で囲まれた部分(赤の枠線)の回転体の体積から斜線部分の回転体の体積を引く.} f(x)=3log x,\ g(x)=log x\ とすると,\ 次の計算になるわけである. V=π∫{f(x)-g(x)}²dx\ は{間違い}なので{注意!} 一般に,\ 2曲線間の回転体の体積の切り口は右図のようなドーナツ型になる. 例えば,\ 右図の面積を求めるのに\ π(2-1)²=π\ とはしないだろう. 当然,\ π2²-π1²=π(2²-1²)=3π\ とするはずである. 回転体の体積も同様に,\ {2乗してから引く}のであって引いてから2乗ではないのである. (log x)^nは(x)'(log x)^n\ とみて{部分積分}する型である. {(log x)²}’=2log x(log x)’=2log x1x ∫log xdx=xlog x-x+C\ は公式として暗記しておくべきである. 曲線y=x²-x+1に原点から引いた2本の接線と曲線自身で囲まれた部分をx軸周$ $りに回転させてできる立体の体積Vを求めよ.             [香川大]$   $接線の方程式は y=(2t-1)(x-t)+t²-t+1=(2t-1)x-t²+1$   $これが原点を通るとき  0=-t²+1 より t=1$   $よって,\ 接線の方程式は y=x,y=-3x}  接点はそれぞれ(1,\ 1),(-1,\ 3)}$ 接点を文字で設定して接線の方程式をとりあえず作成し,\ これが原点を通るようにする. 接線の方程式と接点が求まり,\ (0,\ 1)も一応加えて素早く図示する. 2曲線間の回転体の体積を求めることになるが,\ 区間を分けて積分したりする必要はない. 斜線部分は{三角形}であるから,\ これを回転させた立体は{円錐}になる. 結局,\ y=x²-x+1\ (-1 x1)\ とx軸間の回転体の体積から2つの円錐の体積を引けばよい. 積分計算では,\ 積分区間が対称なので{偶関数と奇関数}を考慮する. 回転によって,\ 左の斜線部分は半径3,\ 高さ1の円錐,\ 右の斜線部分は半径1,\ 高さ1の円錐になる. 当然,\ (円錐の体積)=(底面積)(高さ)13\ である. 基本的だが,\ 「曲線外の点を通る接線」「偶関数・奇関数」「直線図形の利用」が問われる良問である. このような問題では,\ 解けるか否かだけではなく,\ 解答の簡潔さやスピードも意識して演習しよう.