双曲線の面積、三角関数(円関数)と双曲線関数

スポンサーリンク
p={e^{θ}+e^{-θ{2},q={e^{θ}-e^{-θ{2}\ とする.$  $p²-q²=1\ が成立することを示せ.$  $双曲線x²-y²=1上に点{A}(1,\ 0)と点{P}(p,\ q)\ (p1,\ q0)がある.\ $    $原点を{O}とするとき,\ 双曲線と線分{OA}と線分{OP}で囲まれた部分の面積Sを$    $θで表せ.$ は普通に計算するだけであるが,\ 次の意味合いに留意しておくこと. {双曲線\ x²-y²=1\ の媒介変数表示}が\ (x,\ y)=(p,\ q)=({e^{θ}+e^{-θ{2},\ {e^{θ}-e^{-θ{2})\ である. 一般に,\ {x²}{a²}-{y²}{b²}=1\ は,\ 原点中心,\ 頂点(a,\ 0),\ 漸近線\ xa yb=1\ の双曲線である. x²-y²=1\ のときa=b=1であるから,\ 頂点(1,\ 0),\ 漸近線y=x\ の双曲線となる. 条件p1,\ q0より点{P}は第1象限にあるから,\ 求める面積Sは図のようになる. これを求めるには,\ OAP}の面積から斜線部分を引く}ことになる. 双曲線の面積を求めるときに現れる\ ∫{x²-1}dx\ は高難度の積分の代表である. ここで,\ ∫{1-x²}dx\ を計算するとき,\ x=sinθ\ と置換するのであった. これは\ y={1-x²}\ (円x²+y²=1)の媒介変数表示\ (x,\ y)=(cosθ,\ sinθ)\ と関係する. そこで,\ y={x²-1}\ (双曲線x²-y²=1)の積分でも{媒介変数表示を利用}することが思い浮かぶ. つまり,\ {x=p={e^t+e^{-t{2}\ とおいて置換積分}する. x=2のとき 2=e^t+e^{-t}=e^t+{1}{e^t} e^{2t}-2e^t+1=0 (e^t-1)²=0 e^t=1 t=0 x=pのとき,\ p={e^{t}+e^{-t{2}={e^{θ}+e^{-θ{2}\ より,\ t=θ\ である. ここでは積分変数にも積分区間にもθがあると紛らわしいのでtにしたが,\ 本質的な意味合いはない. ({e^t+e^{-t{2})²-1={e^{2t}+2+e^{-2t{4}-44={e^{2t}-2+e^{-2t{4}={(e^t-e^{-t})²}{4} x+{x²-1}=t\ とおくことにより,\ ∫{x²-1}dx\ を求めよ.$ $曲線x²-y²=1上に点{P}(p,\ q)と点{A}(1,\ 0)がある.$   $2線分{OA,\ OP}とこの曲線で囲まれる図形の面積Sをpの式で表せ.$ $のSを{θ}{2}とおくとき,\ p,\ qをθの式で表せ.          [秋田大]$ 両辺を2乗す:積分定数) 置換の誘導があるが,\ 他の置換積分と同様に計算しようとすると結構大変である. 上のように処理するとかなり簡潔に済むが,\ 経験が必要だろう. まずx=の形に変形する.\ 後の計算を見越して2つの分数に分割する. {x²-1}\ はt-xとすると,\ 容易に\ {x²-1}=12(t-1t)\ が導かれる. 普通に積分した後,\ 整理して\ t²-{1}{t²}\ の形を作る. 因数分解するとxと\ {x²-1}\ の形になることを利用するためである. 絶対値ははずせる. 前問は媒介変数表示から面積を求める問題であった. 本問は逆に{面積から媒介変数表示を求める}問題だったわけである. 三角関数(円関数)と双曲線関数の比較   大学では以上の$p,\ q$を次のように表し,\ これを双曲線関数という.   双曲線関数は,\ 三角関数(円関数)と類似した性質をもつ(以下に紹介). 双曲線関数の知識は必須ではないが,\ 背景知識としてもっておくことが好ましい. といってもこの表を覚える必要は全くなく,\ 「ふ~ん」という程度でよい. coshθ\ は\ 「ハイパーボリックコサイン(hyperbolic:双曲的な})」と読む. cosθ,\ sinθ\ の指数表示は大学の範囲である.\ 次の2式を連立して導かれる. オイラーの公式\ e^{iθ}=cosθ+isinθ\ と,\ θ→-θ\ とした\ e^{-iθ}=cosθ-isinθ 結局,\ coshθ=cos iθ,isinhθ=sin iθ\ のように虚数を仲立ちとして互いに結びついている. 円の場合は面積{θ}{2}の角度がθだが,\ 双曲線の場合は{θではない}ので注意!