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\dlim{n\to\infty}\retuwa{k=1}{n}\dint{(k-1)\pi}{k\pi}\zettaiti{e^{-x}\sin x}\,dx\ を求めよ.$ \\ 様々な表現で問われるが,\ 要は\bm{減衰曲線とx軸で囲まれた部分の面積の総和}を求める問題である. \\[.2zh] まずはそのことを見抜けるかが第1段階である. \\[.2zh] 「面積の和を求めよ」と直接的に問われる場合もあれば,\ 本問のように数式で問われる場合もある. \\[.2zh] どちらにせよ,\ そもそも\ \bm{y=e^{-x}\sin x\ のグラフを覚えているか}が重要である. \\[.2zh] 本問はグラフの図示が主題ではないので,\ 微分して正確なグラフを描こうとする必要はない. \\[.2zh] 概形をイメージできれば十分である.\ \bm{y=\sin x\,が\ y=\pm\,e^{-x}\ ではさまれたグラフ}になる. \\[.2zh] 絶対値をつけると\bm{x軸で折り返したグラフ}になるから,\ 定積分は図の面積を求めることに相当する. \\[.2zh] k=1のとき\dint{0}{\pi}より最左のコブの面積,\ k=2のとき\dint{\pi}{2\pi}より左から2番目のコブの面積を表す. \\[.5zh] よって,\ \retuwa{k=1}{n}\ をとることは,\ \bm{n個のコブの面積の和を求める}ことに相当する. \\[.8zh] さらに\ \dlim{n\to\infty}をとってその和の極限,\ すなわち\bm{無限個のコブの面積の総和}を求めるわけである. \\\\ さて,\ 問題の意味が理解できても,\ 実際にどうやって求めるかが問題である. \\[.2zh] 特に重要なのが絶対値をはずすタイミングである. \\[.2zh] y=\zettaiti{e^{-x}\sin x}\ は常に正であるから,\ \dint{}{}\zettaiti{e^{-x}\sin x}\,dx=\zettaiti{\dint{}{}e^{-x}\sin x\,dx}\ が成立する. \\[.8zh] つまり,\ \bm{絶対値をはずした後で定積分する}ことも,\ 定積分した後で絶対値をはずすこともできる. \\[.2zh] 後者は自然な発想で解答できるが,\ 面倒で応用も利かない. \\[.2zh] やや高度ではあるが,\ 応用性の高い前者の解答を習得してほしい. \\[1zh] 普通にy=\zettaiti{e^{-x}\sin x}\,の絶対値をはずそうとしても,\ 0\leqq x\leqq\pi,\ \pi\leqq x\leqq2\pi,\ \cdots で場合分けが要る. \\[.2zh] しかし,\ \bm{置換積分}して場合分けをなくすとっておきの方法がある. \\[.2zh] 区間\ (k-1)\pi\leqq x\leqq k\pi\ を平行移動し,\ \bm{区間が\ 0\leqq t\leqq\pi\ になるように置換}する. \\[.2zh] つまり,\ x-(k-1)\pi=t\ とおくことになる.\ このとき,\ x=t+(k-1)\pi\ となる. \\[.2zh] まず,\ 指数関数e^{-\{t+(k-1)\pi\}}\ は明らかに正である. \\[.2zh] また,\ \bm{\sin\{t+(k-1)\pi\}=(-1)^{k-1}\sin t}\ と変形できることは次の例からもわかるだろう. \\[.2zh] \text{\scalebox{0.96}[1]{$\sin t\ (k=1),\ \ \sin(t+\pi)=-\sin t\ (k=2),\ \ \sin(t+2\pi)=\sin t\ (k=3),\ \ \sin(t+3\pi)=-\sin t\ (k=4)$}} \\[.2zh] そして,\ \zettaiti{(-1)^{k-1}}=1\ である.\ さらに,\ 区間\ 0\leqq t\leqq\pi\ で\ \sin t\geqq0\ より,\ \zettaiti{\sin t}=\sin tである. \\[.2zh] 絶対値をはずした後,\ 積分変数tと無関係の部分を前に出す. e^{-t-(k-1)\pi}=e^{-t}e^{-(k-1)\pi} \\[.2zh] 結局,\ \bm{(指数関数)\times(三角関数)型}の\ y=e^{-t}\sin t\ の定積分に帰着する. \\[.2zh] \bm{2回部分積分すると同形が出現する}ことを利用して求めるパターンである. \\[1zh] この定積分は,\ 次のように\,\sin\,と\cos\,のペアで考え,\ 微分から逆算して求めることも可能である. \\[.2zh]  \begin{cases} (e^{-t}\sin t)’=-\,e^{-t}\sin t+e^{-t}\cos t (e^{-t}\cos t)’=-\,e^{-t}\cos t-e^{-t}\sin t \retuwa{k=1}{n}計算では,\ 変数kに関係しない部分を前に出す. e^{-k\pi+\pi}=e^{-k\pi}e^{\pi}=(e^{-\pi})^ke^\pi \\[.8zh] (e^{-\pi})^k\,の和,\ すなわち\bm{初項e^{-\pi},\ 公比e^{-\pi},\ 項数nの等比数列の和}に帰着する. \\[.2zh] コブの面積は,\ 左から初項\ e^{\pi}\cdot\bunsuu12(e^{-\pi}+1)\cdot e^{-\pi}=\bunsuu12(e^{-\pi}+1),\ 公比e^{-\pi}\ の等比数列だったのだ. \\[1.5zh] 最後,\ 単純に極限にとばせば完了である.\ \ 0e^{-\pi}1\ より,\ \bm{\dlim{n\to\infty}(e^{-\pi})^n=0}\ である. \\[.2zh] 等比数列の和を経由せずとも,\ 無限等比級数の和の公式\ \retuwa{n=1}{\infty}r^n=\bunsuu{a}{1-r}\ \ (\zettaiti r1)を使うと速い. \\[.2zh] \dlim{k\to\infty}\retuwa{k=1}{n}(e^{-\pi})^k=\bunsuu{e^{-\pi}}{1-e^{-\pi}}