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整数$m,\ n$について,\ $m^2+n^2$が奇数ならば, $m$が偶数または$n$が偶数であること \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ を示せ. \\[.8zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ 整数$n$について,\ $n^2$が3の倍数ならば,\ $n$が3の倍数であることを示せ. \\[.8zh] \hspace{.5zw}(3)\ \ 正の実数$x$が無理数ならば,\ $\ruizyoukon x$も無理数であることを示せ. \\[.8zh] \hspace{.5zw}(4)\ \ 実数$x,\ y$について,\ $x,\ y$がともに無理数ならば,\ $x+y$と$x-y$の少なくとも一方 \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ が無理数であることを示せ. \\
{対偶を利用した証明}}}} \\\\[.5zh] \textbf{\textcolor{red}{元の命題の真偽と,\ その対偶の真偽は一致する}}のであった. \\[.2zh] よって,\ \textbf{\textcolor{magenta}{命題$\bm{p\Longrightarrow q}$の証明問題では,\ 代わりに対偶命題$\bm{\kyouyaku q\Longrightarrow\kyouyaku p}$を証明してもよい.}} \\[.2zh] 特に,\ \textbf{\textcolor{ForestGreen}{元の命題の結論$\bm{q}$に「~でない」「または」「少なくとも1つの~」}}があるとき役立つ. \\[.2zh] 対偶をとると,\ \textbf{\textcolor{ForestGreen}{「~である」「かつ」「すべての~」}}となって扱いやすくなる. \\\\\\
(1)\ \ \textcolor{red}{対偶「$m$が奇数かつ$n$が奇数ならば,\ $m^2+n^2$が偶数」}を証明する. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $\textcolor{cyan}{m=2k+1,\ n=2l+1\ (k,\ l:整数)}$とおける. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $m^2+n^2=(2k+1)^2+(2l+1)^2=(4k^2+4k+1)+(4l^2+4l+1)$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $\phantom{m^2+n^2}=\textcolor{magenta}{2(2k^2+2k+2l^2+2l+1)}$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $k,\ l$は整数より$2k^2+2k+2l^2+2l+1$は整数であるから,\ \textcolor{magenta}{$m^2+n^2$は偶数}である. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ よって,\ \textbf{対偶が真であるから,\ 元の命題も真である.} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l}
「mが偶数またはnが偶数」は,\ (m,\ n)=(偶数,\ 偶数),\ (偶数,\ 奇数),\ (奇数,\ 偶数)が考えられる. \\[.2zh] 直接証明しようとすると,\ この3つの場合をすべて考慮する必要があり,\ 面倒である. \\[.2zh] そこで,\ 対偶を証明する.\ (m,\ n)=(奇数,\ 奇数)の場合のみの考慮で済む. \\[.2zh] 記述式試験では,\ \bm{最初に対偶を証明することを宣言しておく}ことが重要である. \\[.2zh] 仮に証明を完遂できなかったとしても,\ 方針が正しければ採点の対象になる. \\[.2zh] 整数に関する命題の証明では,\ まずは\bm{倍数や余りの条件を数式(文字式)で表現する}必要がある. \\[.2zh] 偶数(2の倍数)ならば2k\ (k:整数),\ 奇数(2で割ると1余る数)ならば2k+1\ (k:整数)と表せる. \\[.2zh] 奇数は2k-1や2k+3などと表すこともできるが,\ 計算が複雑になるだけである. \\[.2zh] mとnが同じ奇数であるとは限らないので,\ m=2k+1,\ n=2k+1と設定してはならない. \\[.2zh] \bm{2\times(整数)の形}に変形できれば,\ m^2+n^2\,が偶数であることが示されたことになる. \\[.2zh] 最終目標を明確に意識した上で式変形していくことが重要である. \\[.2zh] 最後,\ \bm{2k^2+2k+2l^2+2l+1が整数であることをしっかり断る}必要がある. \\[.2zh] 2\times( )の形になっていても,\ ( )内が整数でなければ\ 2\times\bunsuu13\ などとなる可能性が残るからである.
\end{array}}\right]$}} \\\\\\\\
(2)\ \ \textcolor{red}{対偶「$n$が3の倍数でないならば,\ $n^2$が3の倍数でない」}を証明する. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $\textcolor{cyan}{n=3k+1,\ 3k+2\ (k:整数)}$とおける. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $n=3k+1$のとき $n^2=(3k+1)^2=9k^2+6k+1=\textcolor{magenta}{3(3k^2+2k)+1}$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $n=3k+2$のとき $n^2=(3k+2)^2=9k^2+12k+4=\textcolor{magenta}{3(3k^2+4k+1)+1}$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $k$は整数より$3k^2+2k,\ 3k^2+4k+1$は整数であるから,\ $n^2$は3の倍数ではない. \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ よって,\ \textbf{対偶が真であるから,\ 元の命題も真である.} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l}
展開より因数分解が難しいように,\ 数学では計算・思考が容易な向きと困難な向きがある. \\[.2zh] 本問の場合,\ n^2\,からnが困難な向き,\ nからn^2\,が容易な向きである. \\[.2zh] 本問は,\ 「でない」になってしまったとしても,\ \bm{対偶をとって思考の方向を逆にする}のが有効である. \\[.2zh] nが3の倍数でない場合とは,\ \bm{nが3で割ると1余る数または3で割ると2余る数}の場合である. \\[.2zh] \bm{3\times(整数)+(余り)の形}に変形できれば,\ n^2\,が3の倍数でないことが示されたことになる. \\[.2zh] 3で割った余りは0,\ 1,\ 2のいずれかであるから,\ 3( )+4ではなく4=3+1とみて3でくくる.
{対偶「$\ruizyoukon x$が有理数ならば,\ $x$が有理数」}を証明する. \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ \textcolor{cyan}{$\ruizyoukon x=\bunsuu pq$\ ($p,\ q$:整数,\ $q\neqq0$)}とおくと $\textcolor{magenta}{x=\bunsuu{p^2}{q^2}=(有理数)}$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ よって,\ \textbf{対偶が真であるから,\ 元の命題も真である.} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l}
\bm{無理数の定義は「有理数\dot{で}\dot{な}\dot{い}」}であるから,\ 対偶をとることが有効である. \\[.2zh] 有理数とは,\ \bunsuu{整数}{整数}\ (分母\neqq0)で表せる数のことであった. \\[.2zh] \ruizyoukon x\ が有理数であるという条件を文字で表現してxを求めると,\ xも\ \bunsuu{整数}{整数}\ で表せることがわかる.
\end{array}}\right]$}} \\\\\\\\
(4)\ \ \scalebox{.95}[1]{\textcolor{red}{対偶「$x+y$と$x-y$がともに有理数ならば,\ $x,\ y$の少なくとも一方が有理数」}を証明する.} \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ $\textcolor{cyan}{x+y=\bunsuu pq,\ \ x-y=\bunsuu rs\ (p,\ q,\ r,\ s:整数,\ q\neqq0,\ s\neqq0)}$とおくと \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \  $\textcolor{magenta}{x=\bunsuu{ps+qr}{2qs}=(有理数),\ \ y=\bunsuu{ps-qr}{2qs}=(有理数)}$ \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ よって,\ \textbf{対偶が真であるから,\ 元の命題も真である.} \\\\[1zh] \centerline{{\small $\left[\textcolor{BrickRed}{\begin{array}{l}
x+yとx-yが有理数であるという条件を文字で設定してx,\ yを求める. \\[.2zh] 単にxとyの連立方程式とみて解けばよい. \\[.2zh] すると,\ xとyがいずれも\ \bunsuu{整数}{整数}\ となるから有理数であることがわかる. \\[.8zh] xが有理数かつyが有理数は,\ x,\ yの少なくとも一方が有理数を満たしている.