命題${p} q$が真}であるとき,${ \ q}はp}であるための必要条件}である \ p}はq}であるための十分条件}である 命題${p} q$と${q} p$がともに真}であるとき,\ これを${p} q$と表し,\ ${ p}はq}であるための必要十分条件}である q}はp}であるための必要十分条件}である p}とq}は同値}である さて,\ 具体的な必要条件・十分条件の判断手順を確認する. $$条件${p,\ q}$を最も本質的な形}になるまで同値変形}する.} { $$}一方を同値変形して他方が導かれたならば,\ 必要十分条件であることが直ちにわかる. $$${ と}$の真偽をそれぞれ判断する. { $$}可能ならば,\ 集合の包含関係を考えると速い. { $$}必ず「内}${$外」であるから,\ $$と$$の真偽が同時に判断できる. { ${P}\ }\ Q}「p}\ }\ q}\ が真」}$ $[3]$0.97}{命題の主語が矢印(ヤリ)の尾なら十分条件}, 先なら必要条件}である}(ヤリは先が必要}).} { (十分)} $$ (必要)} 結局,\ やるべきことは$$と$$の真偽の判断のみである. 必要か十分かは主語の位置で自動的に決まる(暗記)ので,\ 考える必要は全くない. 「$p$は$q$であるために必要だな」などと日本語で考えることだけはやめた方がよい. $$か$$のどちらであるかを考え,\ 主語の位置で機械的に答えればよいのである. ここまで認識できていれば,\ 後は多くの問題を経験するだけである. $a,\ b,\ cを実数とする.\ ac=bc\ は,\ a=b\ であるための\ { }\ 条件である.$ [方法] $ac=bc$ならば{常}{に}$a=b$は成り立たない. (反例:$a=1,\ b=2,\ c=0}$) $a=b$ならば{常}{に}$ac=bc$は明らかに成り立つ. よって$a=bac=bc}$であり,\ 主語$ac=bc$が$$の先}であるから 必要条件} [方法] $ac=bc(a-b)c=0\ a-b=0またはc=0a=bまたはc=0}$ $(a=b\ または\ c=0)$ならば{常}{に}$a=b$は成り立たない. $a=b$ならば{常}{に}$(a=b\ または\ c=0)$は成り立つ. よって$a=bac=bc}$であり,\ 主語$ac=bc$が$$の先}であるから 必要条件} [方法] $ac=bc(a-b)c=0\ a-b=0またはc=0a=bまたはc=0}$ よって$a=bac=bc}$であり,\ 主語$ac=bc$が$$の先}であるから 必要条件} $[l} とにかく と の真偽を判断すればよいが,\ 複数の方法がある. が最も普通で,\ 多くの学生がとっている方法である. 簡単な問題ならこれでもよいが,\ より複雑な問題になると対応が難しくなる. のように反例が常に簡単に見つかる保証はない. また,\ a=bac=bcが真だと100\%の自信をもって断言できるかも微妙である. そこで,\ やのようにまず条件を最も本質的な形になるまで同値変形する方法が必要になる. 同値変形により,\ {(a=b\ または\ c=0)がac=bcの本質}であることがわかる. ここまで同値変形できれば真偽は明らかであり,\ 100\%の自信を持って判断できるはずである. のように,\ {集合の包含関係}を考えることもできるようになる. 「または」は「少なくとも一方」を意味するから,\ a=bは(a=b\ または\ c=0)に完全に含まれる. 必ず内 外より,\ 瞬時にa=bac=bcと判断できる.\ 本問はこう考えるのが最速だろう. 重要なのは,\ どれか1つの方法だけで考えなければならないわけではないことである. 常に{複数の視点をもちつつ,\ 状況に応じて最も確実な方法をとる}のが実戦的である.