無限集合の包含関係A⊂Bの証明

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次の集合$A,\ B$において,\ $A B$\ かつ\ $A B$であることを示せ.  $A={4n+1|nは整数},B={2n+1|nは整数}$  $A={8n+3|nは整数},B={4n-1|nは整数}$ 集合の包含関係の証明}x\in A\ ならば常に\ x\in B$}n:整数)$}とおける. { }$2n+1$は整数であるから 試しに要素を書き出してみると以下のようになる. A Bであるように見えるが,\ 無限にある要素すべてで成り立っている保証はない. このように,\ {無限集合では要素の書き出しやベン図の作成での証明ができない}のである. 結局,\ 定義である{x\in A\ ならば常に\ x\in Bを示す}ことにより,\ A Bを証明することになる. まず,\ x\in Aが前提となるので,\ x=4n+1\ (n:整数)とおける. これを{x=2○+1\ (○:整数)の形で表す}ことができれば,\ x\in Bが示されたことになる. このとき,\ AとBで同じ文字nが使われていることに深い意味はないことに注意してほしい. 仮にB={2m+1|mは整数}としても要素を書き出せば同じ集合であり,\ m,\ nに意味はない. 結局,\ B={2○+1|○は整数}\ と考えておくのが最もわかりやすい. {○の部分は,\ 整数ならば何でもよい}というわけである. よって,\ ○を2nとすることで4n+1が2○+1の形で表せることがわかる. ○は整数でなければならないので,\ {2nが整数であることを明記}しておくべきである. AがBの部分集合であることが示されるが,\ 題意は真部分集合であることの証明である. 念のため確認しておくと,\ 高校でのA BはAeqq Bと同じ意味である. Aeqq Bが証明済みなので,\ 後は{x\notin Aかつx\in Bとなる要素を具体的に1つ挙げる}とよい. さて,\ 4n+1は「4で割ると1余る数」,\ 2n+1は「2で割ると1余る数(奇数)」を意味する. よって,\ {「4で割ると1余る数がすべて奇数であることを示せ」}でも同じ解法がとれる. 8n+3=4○-1\ (○:整数)の形で表すことが目標になる. と同様に4(2n)-1としても8n-1にしかならない. 4と-1の部分は変更できないので,\ ○内に+1を加えて4(2n+1)-1とすることになる. 8n+3は「8で割ると3余る数」,\ 4n-1は「4で割ると-1余る数」を意味する. 「4で割ると-1余る数」とは,\ 「4で割ると3余る数」のことである. 例えば,\ 11は4で割ると3余る.\ これは,\ 4の倍数8を基準として3過剰ということである. もし4の倍数12を基準とすると11は1不足している. これを-1の余りとみなすことができるわけである. 負の余りを考えることは,\ 一部の問題で有効である.