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2つの条件$p,\ q$を満たすものの全体の集合をそれぞれ$P,\ Q$とする. \\[.2zh] \textbf{\textcolor{magenta}{命題$\bm{p\Longrightarrow q}$\ ($\bm{pならば常にq}$)が真である}}ことは,\ \textbf{\textcolor{magenta}{$\bm{P\subset Q}$が成立する}}ことと同じである. \\[.2zh] つまり,\ \textbf{\textcolor{magenta}{$\bm{P}$が$\bm{Q}$に完全に含まれる(一致も可)}}とき,\ $p$の全ての要素が常に$q$の要素になる. \が偽}}のとき,\ \textbf{\textcolor{Purple}{$\bm{p}$であるのに$\bm{q}$でないもの(反例)が少なくとも1つ存在する}}のだった.} \\[.2zh] これを集合で考えると,\ \textbf{\textcolor{Purple}{$\bm{P}$の一部(全部でもよい)が$\bm{Q}$からはみ出ている}}ことになる. \\[.2zh] このはみ出ている部分が反例となる.
命題の真偽を集合で考えることは,\ 視覚的にわかりやすくなるという圧倒的メリットがある. \\[.2zh] 集合で考えることの重要さを以下の問題で確認してほしい. 次の命題の真偽を調べよ.\ 偽のときは反例をあげよ. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ 実数$x$に対して,\ \ $\zettaiti{x}\leqq1$\ \ ならば\ \ $\zettaiti{x-3}>1$ \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ 実数$x$に対して,\ \ $\zettaiti{x}\leqq1$\ \ ならば\ \ $\zettaiti{x-2}>1$ \\[.8zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ 20以下の自然数$n$に対して, \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{ (3)}\ \  $n$が2の倍数かつ3の倍数でない\ \ ならば\ \ $n$が6の倍数でない 不等式の命題は集合を用いて考える}のが効果的である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 1変数の不等式ならば,\ \bm{数直線上の包含関係}によって直ちに真偽を判断できる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 本問の絶対値付き不等式は瞬殺型であるから,\ 一発ではずすことができる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \  a>0のとき \begin{cases}
\ \zettaiti x>a\ \Longleftrightarrow\ x<-\,a,\ a \ \zettaiti x<a\ \Longleftrightarrow\ -\,a<x1 \Longleftrightarrow x-3<-\,1,\ 11 \Longleftrightarrow x-2<-\,1,\ 12かつxy>1ならば,\ x>1かつy>1である$ \\[.8zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ $実数{偽\ \ (反例\ x=2,\ y=0.6)}$ & (2)\ \ $\bm{偽\ \ (反例\ x=0.8,\ y=0.8)}$
集合による考察が最も効果的なのは,\ \bm{2変数不等式の命題}である. \\[.2zh] 数\text{I\hspace{-.1em}I}の範囲になるが,\ 2変数不等式は図形的には\bm{座標平面上の領域}である. \\[.2zh] これを一旦図示してしまえば,\ 包含関係,\ つまり命題の真偽や反例が一目瞭然となる. \\[.2zh] 6題中4題は前ページで取り上げた問題で,\ 普通に考えると反例を見つけることが困難なものである. \\[.2zh] 以下の解説は数\text{I\hspace{-.1em}I}未学習者も理解できるとは思うが,\ 難しいならば数\text{I\hspace{-.1em}I}を学習後に確認してほしい. \\[1zh] 上で示した全ての図は,\ 仮定pが色塗り部分,\ 結論qが斜線部分である. \\[.2zh] よって,\ \bm{色塗り部分が斜線部分に完全に含まれる(一致も可)とき,\ p\Longrightarrow qが真}となる. \\[.2zh] 一方,\ \bm{色塗り部分が斜線部分からはみ出しているとき,\ p\Longrightarrow qは偽}である. \\[.2zh] また,\ \bm{はみ出している部分がすべて反例}である. \\[1zh] (1)\ \ x+y>2,\ つまりy>-\,x+2が表す領域は,\ 直線y=-\,x+2の上側である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ xy>1,\ つまり\begin{cases}
x>0のとき & y>\bunsuu1x \\[.8zh] x<0のとき & y<\bunsuu1x \end{cases}が表す領域は,\ y=\bunsuu1x\ (反比例)の右上と左下である. \\\\[-1zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ y>-\,x+2かつxy>1が表す領域は,\ y=\bunsuu1x\ の右上(色塗り部分)となる. \\[.6zh] \phantom{(1)}\ \ x>1かつy>1が表す領域は斜線部分なので,\ 本問は偽となる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 赤点は,\ 解答で反例として示した(x,\ y)の組である.\ もちろん,\ はみ出た部分ならどこでもよい. \\[1zh] (2)\ \ \zettaiti x<1\ かつ\ \zettaiti y<1\ \Longleftrightarrow\ -\,1<x<1\ かつ\ -1<y<1\ である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 一般に,\ 原点を中心とする半径rの円の式はx^2+y^2=r^2\ である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ x^2+y^2<1が表す領域は,\ 半径1の円x^2+y^2=1の内側である. \\[1zh] (3)\ \ x^2+y^2\leqq2が表す領域は,\ 半径\ruizyoukon2\,の円x^2+y^2=2の内側である. \\[1zh] (4)\ \ 一見絶対値が鬱陶しく感じるが,\ \bm{対称性を考慮}すると絶対値のおかげでむしろ楽に図示できる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \zettaiti x+\zettaiti y\leqq1は,\ xを-xに変えても式が変わらないのでy軸対称である(\,\because\ \zettaiti{-\,x}=\zettaiti x\,). \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 同様に,\ yを-yに変えても式が変わらないのでx軸対称であり,\ 結局原点対称にもなる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ 第1象限(x\geqq0,\ y\geqq0)のみ考えればよく,\ このときx+y\leqq 1である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ x\geqq0かつy\geqq0かつy\leqq -\,x+1\ は,\ 原点,\ (1,\ 0),\ (0,\ 1)を頂点とする三角形を表す. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 対称性より,\ \zettaiti x+\zettaiti y\leqq1は(1,\ 0),\ (0,\ 1),\ (-\,1,\ 0),\ (0,\ -\,1)を頂点とする正方形を表す. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \zettaiti{x+y}\leqq1\ \Longleftrightarrow\ -\,1\leqq x+y\leqq1\ \Longleftrightarrow\ -\,x-1\leqq y\leqq-\,x+1 \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ \zettaiti{x+y}\leqq1が表す領域は,\ 直線y=-\,x-1と直線y=-\,x+1の間である. \\[1zh] (5)\ \ 反例として,\ 単位円の45\Deg の位置にある\ x=\cos45\Deg=\bunsuu{\ruizyoukon2}{2},\ y=\sin45\Deg=\bunsuu{\ruizyoukon2}{2}\ を取り上げた. \\[1zh] (6)\ \ m^2+n^2\leqq1を満たす\bm{\dot{整}\dot{数}}\,m,\ nとは,\ \bm{半径1の円の内部(周上も含む)にある格子点}である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 図より,\ (0,\ 0),\ (1,\ 0),\ (0,\ 1),\ (-\,1,\ 0),\ (0,\ -\,1)の5点(図の青点)があるとわかる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \zettaiti m+\zettaiti n\leqq1を満たす\bm{\dot{整}\dot{数}}\,m,\ nも同じ5点であるから,\ 真である.