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正しい(真)か正しくない(偽)かが明確に定まる文章や数式}} \\[.5zh] 命題ではない 「10000は大きい数である」 (主観や状況で変わる) \\[.2zh] 真の命題   「10000は100より大きい」 \\[.2zh] 偽の命題   「10000は1億より大きい」 \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{条件}} \textbf{\textcolor{red}{変数によって真偽が変わる文章や数式}} \\[.2zh] \rei\ \ 「\textcolor{magenta}{$x$は偶数}」は,\ 真偽が定まらないから命題ではない. \\[.2zh] \ \ \ $x=2$のとき\textbf{真},\ $x=3$のとき\textbf{偽}であるから,\ 「\textbf{\textcolor{blue}{$\bm{x}$に関する条件}}」である. \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{仮定と結論}} \\[.5zh] 2つの条件$p,\ q$についての命題$\bm{「\textcolor{red}{p\Longrightarrow q}」}\ \bm{(\textcolor{red}{pならばq})}がある.$ \\[.2zh] このとき,\ $pをこの命題の「\bm{\textcolor{blue}{仮定}}」,\ qをこの命題の「\bm{\textcolor{blue}{結論}}」という.$ \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{命題$\bm{p\Longrightarrow q}$の真偽と反例}}  \\[.5zh] 命題$p\Longrightarrow q$の真偽を正確に判断するためには,\ 以下を強烈に意識する必要がある. \\[.5zh] \centerline{\textbf{「\textcolor{cyan}{$\bm{p}$であるとき\ {\LARGE \textcolor{red}{\.{常}\.{に}}}\ $\bm{q}$}」であってはじめて,\ 「\textcolor{cyan}{$\bm{p \Longrightarrow q}$が真}」といえる.}} \\[.5zh] 自分で「常に」を補った上で判断することを心がけてほしい. \\[1zh] 逆にいえば,\ \textbf{\textcolor{magenta}{\underline{$\bm{\dot{p\vphantom{で}}\dot{で}\dot{あ}\dot{る}\dot{の}\dot{に}\,q}$でない}もの(反例)が1つでもあれば偽}}である. \\[.2zh] よって,\ 真偽を判断するとき,\ \textbf{\textcolor{Purple}{最初に反例がないかを考えてみる}}ことが有効である. \\[.2zh] 反例は簡単な例を幾つか試してみるとすぐに見つかることも多く,\ その場合は楽である. \\[.2zh] 特に,\ \textbf{\textcolor{red}{0が絡む場合に特殊なことが起こりやすい}}. \\[.2zh] 反例を探すとき,\ \textbf{\textcolor{Purple}{$\bm{x=0}$は勿論,\ $\bm{a=1,\ b=-\,1}$\,(和が0)等をまず代入してみる}}とよい. \\[1zh] さて,\ 命題の真偽の判断が難しくなるのは,\ \textbf{反例が見つからないとき}である. \\[.2zh] この場合,\ \textbf{\textcolor{magenta}{偽なのに反例が見つからない可能性と,\ 真である可能性}}の2つが考えられる. \\[.2zh] そして,\ 多くの学生は「たぶん真だろう」と何となくで解答し,\ 間違えるわけである. \\[1zh] 当サイトでは,\ 正確な真偽の判断法を順に確認していく. \\[.2zh] しかし,\ 真偽の判断は,\ 最終的には証明問題に行き着く. \\[.2zh] 「真」であることを断定するには,\ 証明するしかないからである. \\[.2zh] 証明そのものについては分野が異なる話にもなってくるので,\ 軽く扱うに留める. \\\\
}$実数a,\ b,\ cについての命題「\,ac=bc\ ならば\ a=b\,」は真か偽か.$ \\
$「\,ac=bcであるとき\dot{常}\dot{に}\ a=b\,」であってはじめて真であるといえる.$ \\[.2zh] そこで,\ まず反例を探す.\ \ \textcolor{magenta}{\underline{$ac=bc$であるのに}\ $a=b$でないもの}が反例である. \\[.2zh] より本質的な方法は後に取り上げるので,\ ここではしらみつぶしに探していくことにする. \\[.2zh] そのためには,\ 最初に\textcolor{cyan}{仮定$ac=bc$を満たす$a,\ b,\ c$を探す}必要がある. \\[.2zh] 仮定$ac=bc$すら満たさないものは反例にはならないので注意してほしい. \\[.2zh] 命題$「\,ac=bc\ ならば\ a=b\,」$は,\ $ac=bc$が成り立つ前提の話をしているのである. \\\\
$a=1,\ b=2,\ c=1のとき,\ ac=1,\ bc=2より,\ \textcolor{red}{仮定を満たさない.}$ \\
$a=1,\ b=1,\ c=1は,\ \textcolor{red}{仮定ac=bcを満たし,\ 結論a=bも満たす.}$ \\
$\textcolor{ForestGreen}{a=1,\ b=2,\ c=0}は,\ \textcolor{red}{仮定ac=bcを満たすが,\ 結論a=bを満たさない.}$ \\[1zh] \centerline{$\therefore\ \ \bm{命題は偽である. (反例:a=1,\ b=2,\ c=0)}$} \\\\[.5zh] 仮定から考えてみたが,\ しらみつぶしに探す場合でもこれは効率が悪い. \\[.2zh] 結論$a=b$を満たすものは,\ 仮定を満たしていようがいまいが反例にはならないからである. \\[.2zh] $ac=bcであるのにa=b$でないものとは,\ 要は$\textcolor{magenta}{ac=bc\ \dot{か}\dot{つ}\ a\neqq b}$ということである. \\[.2zh] よって本問の場合,\ \textcolor{red}{$a\neqq b$である$a,\ b$に対して$ac=bc$となる$c$を考える}のが効率的である. \\[.2zh] すると,\ $a=1,\ b=2,\ c=0$のような反例を素早く見つけ出すことができるだろう. \\\\
以下の問題で反例を探す練習をしてみてほしい. \\\\\\
以下の命題はすべて偽の命題である.\ 反例を述べよ. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $自然数nが4の倍数かつ6の倍数ならば,\ nは24の倍数である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ $実数aについて,\ a^2>1ならば,\ a>1である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ $実数aについて,\ \ruizyoukon{a^2}=a\ である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ $実数a,\ bについて,\ a>bならば,\ a^2>b^2\ である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ $実数a,\ bについて,\ a^2=b^2\ ならば,\ a=bである$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (6)\ \ $整数m,\ nについて,\ m+nが偶数ならば,\ mとnは偶数である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (7)\ \ $整数m,\ nについて,\ m+nが偶数ならば,\ mnも偶数である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (8)\ \ $x+y,\ xyがともに有理数ならば,\ x,\ yがともに有理数である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (9)\ \ $x+y,\ xyがともに整数ならば,\ x,\ yがともに整数である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (10)\ \ \scalebox{0.96}[1]{$2組の辺の長さと1組の角の大きさがそれぞれ等しい2つの三角形は合同である$} \\[.5zh] \hspace{.5zw} (11)\ \ $四角形において,\ 対角線が直交するならば,\ ひし形である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (12)\ \ $四角形において,\ 対角線の長さが等しいならば,\ 長方形である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (13)\ \ $\mathRM{四角形ABCDにおいて,\ AB=BC=CD=DAかつAB\heikou CD}$ \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{ (14)\ \ }$\mathRM{かつBC\heikou DAならば,\ 四角形ABCDは正方形である}$ \\
まず,\ \bm{文字がどんな数なのかを常に確認する癖をつけておく}必要がある. \\[.2zh] 式自体は同じでも,\ 文字が実数なのか,\ 整数なのかなどで真偽や反例が変わってくるからである. \\[1zh] (1)\ \ (4の倍数かつ6の倍数)=(12の倍数)なので,\ [12の倍数]かつ[24の倍数でない]ものが反例. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 12の他,\ 12\times3=36,\ 12\times5=60,\ 12\times7=84なども反例となる. \\[1zh] (2)\ \ a\leqq1かつa^2>1となるaが反例である.\ 2乗が絡む命題の反例はほとんどが負の場合である. \\[1zh] (3)\ \ a=-\,1のとき,\ (左辺)=\ruizyoukon{a^2}=\ruizyoukon{(-\,1)^2}=\ruizyoukon1=1,\ (右辺)=-\,1 \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ そもそも\ \ruizyoukon{a^2}=\zettaiti a=\begin{cases}
a & (a\geqq0) \\[.2zh] -\,a & (a<0) \end{cases}\ だったので,\ aが負のときが反例になるのは当然である. \\\\[-.5zh] (4)\ \ a>bかつa^2\leqq b^2\ となるa,\ bが反例である. \\[1zh] (5)\ \ a\neqq bかつa^2=b^2\ となるa,\ bが反例である. \\[1zh] (6),\ (7)\ \ m+nが偶数ということは,\ [mとnがともに偶数]または[mとnがともに奇数]である. \\[1zh] (8),\ (9)\ \ x=\ruizyoukon2,\ y=-\ruizyoukon2\ のとき,\ x+y=0,\ xy=-\,2である. \\[.2zh] \phantom{(8),\ (9)}\ \ つまり,\ x+yとxyが有理数や整数であっても,\ xとyも有理数や整数とは限らない. \\[.2zh] \phantom{(8),\ (9)}\ \ この反例は気付きにくいので本問は頻出する.\ 反例を覚えておくべきである. \\[1zh] (10)\ \ 三角形の合同条件は,\ \bm{2組の辺の長さと\dot{そ}\dot{の}\dot{間}\dot{の}角がそれぞれ等しい}であった. \\[.2zh] \phantom{(10)}\ \ 等しい角が等しい2組の辺の間の角でない場合,\ 2つの三角形が存在しうる. \\[1zh] (11),\ (12)\ \ 対角線の交点が中点でない場合が反例となる. \\[.2zh] \phantom{(11),\ (12)}\ \ 正方形はひし形や長方形の一種であり,\ 反例にはならないので注意する. \\[1zh] (13)\ \ ひし形が反例である.
以下の命題はすべて偽の命題である.\ 反例を述べよ. \\[.2zh] \hspace{.5zw}$\gauss x$は,\ $x$を超えない最大の整数を表す. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $実数x,\ yについて,\ \gauss x+\gauss y=\gauss{x+y}\ である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ $実数x,\ yについて,\ x<yならば,\ \gauss x<\gauss yである$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ $有理数の有理数乗は有理数である$(数I\hspace{-.1em}I) \\[.5zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ $無理数の無理数乗は無理数である$(数I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I) \\[.5zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ $実数x,\ yについて,\ x+y>2かつxy>1ならば,\ x>1かつy>1である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (6)\ \ $実数x,\ yについて,\ \zettaiti x<1かつ\zettaiti y<1ならば,\ x^2+y^2<1である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (7)\ \ $実数x,\ yについて,\ x^2+y^2\leqq2ならば,\ \zettaiti x\leqq1かつ\zettaiti y\leqq1である$ \\[.5zh] \hspace{.5zw} (8)\ \ $実数x,\ yについて,\ x^2+y^2\leqq1ならば,\ \zettaiti x+\zettaiti y\leqq1である$ \\
$\bm{x=0.5,\ y=0.5}$        & (2)\ \ $\bm{x=0.1,\ y=0.2}$ \\[1zh] (3)\ \ $\bm{2^{\frac12}=\ruizyoukon2}$ & (4)\ \ $\bm{e^{\log2}=2}$ \\[1zh] (5)\ \ $\bm{x=2,\ y=0.6}$ & (6)\ \ $\bm{x=0.8,\ y=0.8}$ \\[1zh] (7)\ \ $\bm{x=\ruizyoukon2,\ y=0}$ & (8)\ \ $\bm{x=\bunsuu{\ruizyoukon2}{2},\ y=\bunsuu{\ruizyoukon2}{2}}$
\gauss{ }\,はガウス記号と呼ばれる.\ 例えば,\ \gauss{2}=2,\ \gauss{1.6}=1,\ \gauss{\ruizyoukon2}=1\ である. \\[1zh] (1)\ \ x=0.5,\ y=0.5のとき,\ (左辺)=\gauss{0.5}+\gauss{0.5}=0+0=0,\ (右辺)=\gauss{0.5+0.5}=\gauss{1}=1 \\[1zh] (2)\ \ x=0.1,\ y=0.2のとき,\ (左辺)=\gauss{0.1}=0,\ (右辺)=\gauss{0.2}=0より,\ \gauss x=\gauss y\ となる. \\[.2zh] \phantom{(2)}\ \ ちなみに,\ 「\,x<yならば\ \gauss x\leqq\gauss y\,」は真の命題である. \\[.2zh] \phantom{(2)}\ \ つまり,\ x<yのとき,\ 常に\ \gauss x<\gauss y\ または\ \gauss x=\gauss y\ となる. \\[.2zh] \phantom{(2)}\ \ よって,\ x<yであるのに\ \gauss x=\gauss y\ となる場合が本問の反例になりえたわけである. \\[1zh] (4)\ \ 対数の定義\ a^p=M\ \Longleftrightarrow\ p=\log_aM\ より,\ 一般にa^{\log_aM}=Mが成立する. \\[.2zh] \phantom{(4)}\ \ よって,\ e^{\log_e2}=2である.\ この反例は覚えておかないと気付かないだろう. \\[1zh] (5)\,~\,(8)\ \ これらは,\ 普通に考えるだけでは反例を見つけにくい代表的な問題である. \\[.2zh] \phantom{(5)\,~\,(8)}\ \ 実は,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I}の範囲になるが,\ 無限にある反例の全てをあぶりだせる本質的な方法がある. \\[.2zh] \phantom{(5)\,~\,(8)}\ \ その方法については次のページで詳しく紹介する.\ これらの問題も再び取り上げる.