
5x^2+2xy+y^2-12x+4y+11=0を満たす整数x,\ yの組を求めよ.$ \\[.8zh]
\hspace{.5zw}$(2)\ \ x^2-2xy-3y^2+4x+12y-17=0を満たす整数x,\ yの組を求めよ.$ \\
x^2+bxy+cy^2+dx+ey+f=0型}}$}} \\\\
既に取り上げた$x^2\pm y^2=k$型や$axy+bx+cy+d=0$型なども本項の型の一種である. \\[.2zh]
つまり,\ 本項の型は,\ \textbf{\textcolor{blue}{2文字の2次の不定方程式}}の究極形態である. \\[.2zh]
目新しい発想は必要なく,\ 以下のようなすでに学習済みの発想で解くことができる. \\\\
[1]\ \ 解の公式を用いて\textbf{\textcolor{red}{1文字について解く.}} \\[.5zh]
[2]\ \ $平方完成により \bm{\textcolor{red}{(文字式)^2+(文字式)^2=(整数)}}$に変形し,\ \textbf{\textcolor{red}{不等式で絞り込む.}} \\[.5zh]
[3]\ \ $\bm{\textcolor{red}{(文字式)\times(文字式)=(整数)}}$に変形する. \\\\\\
$y$が整数となるためには,\ $-\,4x^2+16x-7=\textcolor{red}{-\,(2x-1)(2x-7)\geqq0}$\ が必要である. \\[.5zh]
$\textcolor{red}{-\,4x^2+16x-7が平方数となる}ことが必要である.$ \\[.5zh]
1文字について解く方針を本解とした.\ 標準解法ではあるが,\ 別解とどちらが楽かは場合による. \\[.2zh]
また,\ 2乗の係数が1のyの方程式とみたほうが後が楽になる. \\[.2zh]
yが整数となるためには,\ それ以前に実数である必要がある. \\[.2zh]
つまり,\ \bm{根号の中身Dが0以上}でなければならない. \\[.2zh]
さらに,\ 根号がはずれるためには\bm{根号の中身が平方数}でなければならないことも考慮して絞り込む. \\[1zh]
別解は,\ \bm{2段階の平方完成により2乗の和に変形する}ものである. \\[.2zh]
結局,\ \bm{x^2+y^2+k型}の不定方程式に帰着する. \\[.2zh]
まず2乗の係数が1のyの式とみて平方完成し,\ さらに残りのxの2次式を平方完成する. \\[.2zh]
後は,\ \bm{( )^2\geqq0}を利用して絞り込む.\ 先に係数の大きい4(x-2)^2\,に着目すると効率がよい. \\[.2zh]
\bunsuu94\,以下の平方数は0と1のみである.\ また,\ (x-2)^2=0,\ 1のとき(y+x+2)^2=9,\ 5である. \\[.6zh]
x,\ yがともに整数となるのは,\ (x-2)^2=0\ かつ\ (y+x+2)^2=9\ のときのみとわかる. \\[.2zh]
(1)と同様に,\ 1文字について解く方針を本解とした.\ 2乗の係数が1のxの方程式とみる. \\[.2zh]
しかし,\ 根号の中身Dのx^2\,の係数が負になった(1)とは異なり,\ (2)のy^2\,の係数は正である. \\[.2zh]
よって,\ (根号の中身D)\geqq0によって絞り込むことができない. \\[.2zh]
この場合,\ \bm{\ruizyoukon{D}=nとおいて不定方程式に帰着させる.} \\[.2zh]
yで平方完成して定数を分離すると,\ \bm{x^2-y^2=k型}の不定方程式に帰着する. \\[.2zh]
n\geqq0と設定しておくことで(因数の差)\geqq0となり,\ 候補を減らすことができる. \\[1zh]
別解は,\ \bm{2段階の平方完成により2乗の差に変形する}ものである. \\[.2zh]
結局,\ \bm{x^2-y^2=k型}の不定方程式に帰着する. \\[1zh]
汎用性は低いが,\ \bm{ax^2+bxy+cy^2\,の部分が因数分解できる場合}の別解も示した. \\[.2zh]
まず,\ x^2-2xy-3y^2=(x+y)(x-3y)に着目する. \\[.2zh]
次に,\ \bm{(x,\ yの1次式)(x,\ yの1次式)=(整数)}を目指し,\ 定数項を文字でおいて\bm{恒等式を作る.} \\[.2zh]
与式と(x+y+a)(x-3y+b)の展開式のx,\ yの項の係数を比較する. \\[.2zh]
a=-\,2,\ b=6とすると,\ 定数項以外は一致することがわかる. \\[.2zh]
後は,\ \bm{定数項のつじつまを合わせる}と,\ (文字式)\times(文字式)=(整数)の形となる.
(1)と(2)の違いは$D\geqq0$で範囲を絞り込めるか否かで,\ ここから解法の違いも生じてくる. \\[.2zh]
数I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}Iの2次曲線の知識があれば,\ この違いを図形的な観点からとらえることができる. \\[1zh]
(1)のように$\bm{\textcolor{magenta}{x^2\,とy^2\,の係数の正負が等しい}}$場合,\ \textbf{\textcolor{blue}{斜め楕円}}を表す. \\[.2zh]
(2)のように$\bm{\textcolor{magenta}{x^2\,とy^2\,の係数の正負が異なる}}$場合,\ \textbf{\textcolor{blue}{斜め双曲線}}を表す. \\[1zh]
楕円の場合,\ $x,\ y$の存在範囲が有限であり,\ 実数存在条件により絞り込むことができる. \\[.2zh]
$D\geqq0$として求まった$\bunsuu12\leqq x\leqq\bunsuu72$は,\ 楕円が存在する$x$の値の範囲だったわけである. \\[.2zh]
一方,\ 双曲線の存在範囲は有限ではないから,\ 実数存在条件により絞り込むことはできない.
\hspace{.5zw}$(2)\ \ x^2-2xy-3y^2+4x+12y-17=0を満たす整数x,\ yの組を求めよ.$ \\
x^2+bxy+cy^2+dx+ey+f=0型}}$}} \\\\
既に取り上げた$x^2\pm y^2=k$型や$axy+bx+cy+d=0$型なども本項の型の一種である. \\[.2zh]
つまり,\ 本項の型は,\ \textbf{\textcolor{blue}{2文字の2次の不定方程式}}の究極形態である. \\[.2zh]
目新しい発想は必要なく,\ 以下のようなすでに学習済みの発想で解くことができる. \\\\
[1]\ \ 解の公式を用いて\textbf{\textcolor{red}{1文字について解く.}} \\[.5zh]
[2]\ \ $平方完成により \bm{\textcolor{red}{(文字式)^2+(文字式)^2=(整数)}}$に変形し,\ \textbf{\textcolor{red}{不等式で絞り込む.}} \\[.5zh]
[3]\ \ $\bm{\textcolor{red}{(文字式)\times(文字式)=(整数)}}$に変形する. \\\\\\
$y$が整数となるためには,\ $-\,4x^2+16x-7=\textcolor{red}{-\,(2x-1)(2x-7)\geqq0}$\ が必要である. \\[.5zh]
$\textcolor{red}{-\,4x^2+16x-7が平方数となる}ことが必要である.$ \\[.5zh]
1文字について解く方針を本解とした.\ 標準解法ではあるが,\ 別解とどちらが楽かは場合による. \\[.2zh]
また,\ 2乗の係数が1のyの方程式とみたほうが後が楽になる. \\[.2zh]
yが整数となるためには,\ それ以前に実数である必要がある. \\[.2zh]
つまり,\ \bm{根号の中身Dが0以上}でなければならない. \\[.2zh]
さらに,\ 根号がはずれるためには\bm{根号の中身が平方数}でなければならないことも考慮して絞り込む. \\[1zh]
別解は,\ \bm{2段階の平方完成により2乗の和に変形する}ものである. \\[.2zh]
結局,\ \bm{x^2+y^2+k型}の不定方程式に帰着する. \\[.2zh]
まず2乗の係数が1のyの式とみて平方完成し,\ さらに残りのxの2次式を平方完成する. \\[.2zh]
後は,\ \bm{( )^2\geqq0}を利用して絞り込む.\ 先に係数の大きい4(x-2)^2\,に着目すると効率がよい. \\[.2zh]
\bunsuu94\,以下の平方数は0と1のみである.\ また,\ (x-2)^2=0,\ 1のとき(y+x+2)^2=9,\ 5である. \\[.6zh]
x,\ yがともに整数となるのは,\ (x-2)^2=0\ かつ\ (y+x+2)^2=9\ のときのみとわかる. \\[.2zh]
(1)と同様に,\ 1文字について解く方針を本解とした.\ 2乗の係数が1のxの方程式とみる. \\[.2zh]
しかし,\ 根号の中身Dのx^2\,の係数が負になった(1)とは異なり,\ (2)のy^2\,の係数は正である. \\[.2zh]
よって,\ (根号の中身D)\geqq0によって絞り込むことができない. \\[.2zh]
この場合,\ \bm{\ruizyoukon{D}=nとおいて不定方程式に帰着させる.} \\[.2zh]
yで平方完成して定数を分離すると,\ \bm{x^2-y^2=k型}の不定方程式に帰着する. \\[.2zh]
n\geqq0と設定しておくことで(因数の差)\geqq0となり,\ 候補を減らすことができる. \\[1zh]
別解は,\ \bm{2段階の平方完成により2乗の差に変形する}ものである. \\[.2zh]
結局,\ \bm{x^2-y^2=k型}の不定方程式に帰着する. \\[1zh]
汎用性は低いが,\ \bm{ax^2+bxy+cy^2\,の部分が因数分解できる場合}の別解も示した. \\[.2zh]
まず,\ x^2-2xy-3y^2=(x+y)(x-3y)に着目する. \\[.2zh]
次に,\ \bm{(x,\ yの1次式)(x,\ yの1次式)=(整数)}を目指し,\ 定数項を文字でおいて\bm{恒等式を作る.} \\[.2zh]
与式と(x+y+a)(x-3y+b)の展開式のx,\ yの項の係数を比較する. \\[.2zh]
a=-\,2,\ b=6とすると,\ 定数項以外は一致することがわかる. \\[.2zh]
後は,\ \bm{定数項のつじつまを合わせる}と,\ (文字式)\times(文字式)=(整数)の形となる.
(1)と(2)の違いは$D\geqq0$で範囲を絞り込めるか否かで,\ ここから解法の違いも生じてくる. \\[.2zh]
数I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}Iの2次曲線の知識があれば,\ この違いを図形的な観点からとらえることができる. \\[1zh]
(1)のように$\bm{\textcolor{magenta}{x^2\,とy^2\,の係数の正負が等しい}}$場合,\ \textbf{\textcolor{blue}{斜め楕円}}を表す. \\[.2zh]
(2)のように$\bm{\textcolor{magenta}{x^2\,とy^2\,の係数の正負が異なる}}$場合,\ \textbf{\textcolor{blue}{斜め双曲線}}を表す. \\[1zh]
楕円の場合,\ $x,\ y$の存在範囲が有限であり,\ 実数存在条件により絞り込むことができる. \\[.2zh]
$D\geqq0$として求まった$\bunsuu12\leqq x\leqq\bunsuu72$は,\ 楕円が存在する$x$の値の範囲だったわけである. \\[.2zh]
一方,\ 双曲線の存在範囲は有限ではないから,\ 実数存在条件により絞り込むことはできない.