ある商品に原価の2割の利益を見込んで定価をつけたが,\ 定価の100円引きで売っ たので,\ 利益は原価の1割2分であった.\ この商品の原価を求めよ. 定価500円の商品がある.\ 用意した個数の半分が売れたところで,\ 残りの商品を定 価の2割引で販売した.\ 10個売れ残ったので,\ 定価の6割引で販売し,\ 完売した.\ こ のときの売り上げが88000円であった.\ 用意した商品の個数を求めよ. ある商品を定価で販売すると1個につき60円の利益がある.\ 定価の2割引で12個販売するのと,\ 1個につき定価から40円値引きして15個販売するのとは,\ その利益が等しくなる.\ 定価を求めよ. {1次方程式の利用(利益)商品の原価を$x$円}とする. 利益に関する問題は,\ まず用語を理解することが必要である. {原価} 商品を生産するためにかかった元々の値段.\ 仕入れ値ともいう. {定価} 利益を見込み,\ 前もって商品につけられた値段. {売価} 実際に売った値段. {利益} 売価と原価の差額. 原価が100円であった(商品の生産に100円かかった)としよう. これに定価150円をつけて売ると,\ 1個あたり50円の利益を得ることができる. もし定価150円で売れなければ,\ 例えば2割引の1500.8=120円で売ることになる(売価). すると,\ 1個あたりの利益は20円となる. {商品の原価をx円とし,\ 利益を2通りに表す.} まず,\ 「原価の1割2分」より,\ {x0.12}\ である. なお,\ 小数に直すと,\ 1割(10\%)は0.1,\ 1分(1\%)は0.01,\ 1厘(0.1\%)は0.001である. さらに,\ 「原価の2割の利益を見込んだ定価から100円引いて売ったときの利益」を数式で表す. 原価の2割の利益はx0.2={0.2x円}である. これを原価xにプラスして定価をつけるから,\ 定価はx+0.2x={1.2x円}となる. 定価の100円引きで売ったのであるから,\ 売価は{(1.2x-100)円}である. このときの利益は,\ (売価)-(原価)={(1.2x-100-x)円}である. ちなみに,\ 定価は12501.2=1500円,\ 利益は12500.12=150円である. {用意した商品の個数を$x$個 {用意した商品の個数をx個とし,\ 売り上げに関する等式を作成する.} 用意した商品の半分の x2個を定価500円で売ったとき,\ その売り上げは\ {500 x2\ 円}である. 定価の2割引きは500(1-0.2)=5000.8=400円である. 10個売れ残ったのであるから,\ 2割引で販売したのは( x2-10)個である. このときの売り上げは\ {400( x2-10)}円である. 定価の6割引きは500(1-0.6)=5000.4=200円である. これが10個売れたから,\ その売り上げは2000円である {定価をx円とし,\ 利益を2通りに表す.} 「定価で販売すると1個につき60円の利益」より,\ 原価は{(x-60)円}である. 定価の2割は0.2x円であるから,\ 定価の2割引きは(1-0.2)x={0.8x円}である. よって,\ 1個あたりの利益は,\ (売価)-()=0.8x-(x-60)}円}である. ゆえに,\ この商品を12個販売したときの利益は{[{0.8x-(x-60)}12]円}である. また,\ 定価で1個あたり60円の利益なので,\ 40円値引きすると1個あたりの利益は20円となる. よって,\ 15個販売したときの利益は2015={300円}である. ちなみに,\ 原価は175-60=115円である. また,\ 定価の2割引したときの1個あたりの利益は1750.8-115=25円である.