離心率eによる2次曲線の定義

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定点{F}(c,\ 0)とy軸からの距離の比がe:1である点{P}の軌跡$ $を求めよ.$   $点{P}の座標を(x,\ y)とし,\ 点{P}からy軸に下ろした垂線の足を{H}とする.$   ${PF:PH=e:1}$ より ${PF²=e²PH²$   $(x-c)²+y²=e²x²$ より $(1-e²)x²-2cx+y²+c²=0}$   ${e=1\ のとき  {放物線\ y²=2cx-c²}$   $e1}\ のとき$      $(x-{c}{1-e²})²}c²e²}{(1-e²)²+{y²}c²e²}{1-e²=1}  $     ${0e1のとき,\ 1-e²0より\ {c²e²}{(1-e²)²}0,\ {c²e²}{1-e²}0}\ なので {楕円}$     ${e1のとき,\ 1-e²0より\ {c²e²}{(1-e²)²}0,\ {c²e²}{1-e²}0}\ なので {双曲線} 軌跡問題の基本通り,\ 動点{P}を文字で設定して与えられた条件を立式する. 根号が出てこないようにあらかじめ2乗しておくとよい. x,\ yについての2次方程式を得るが,\ x²の係数が0か否かで曲線の種類が大きく変わる. 1-e²=0,\ つまりe=1として整理すると放物線の方程式となる. 1-e²0のときは楕円または双曲線になると考えられる. xについて平方完成した後,\ 右辺を1にすることで標準形に変形する. (1-e²)(x²-{2c}{1-e²}x)+y²+c²=0  (1-e²)(x-{c}{1-e²})²-{c²}{1-e²}+y²+c²=0 [1.3zh] (1-e²)(x-{c}{1-e²})²+y²={c²e²}{1-e²}  \ {(x-{c}{1-e²})²}c²e²}{(1-e²)²+{y²}c²e²}{1-e²=1 ここで,\ 第1項の分母について常に{c²e²}{(1-e²)²}0より,\ c²e²}{(1-e²)²}=a²}\ とおける. 第2項の分母\ {c²e²}{1-e²}\ の正負は1-e²の正負に依存する. {c²e²}{1-e²}0\ であるから,\ c²e²}{1-e²}=b²}\ とおける. このとき,\ は{楕円の方程式\ {(x-{c}{1-e²})²}{a²}+{y²}{b²}=1}\ となる. また,\ e1のとき\ {c²e²}{1-e²}であるから,\ c²e²}{1-e²}=-b²}\ とおける. このとき,\ は{双曲線の方程式\ {(x-{c}{1-e²})²}{a²}-{y²}{b²}=1}\ となる. 以上のように,\ {eの値で2次曲線が分類}されることがわかる. 元々,\ e=1のときの{PF=PH}は放物線の定義そのものである. つまり,\ 「1点と1本の直線からの距離が1:1である(等しい)点の軌跡」である. 本問から,\ {楕円や双曲線も1点と1本の直線からの距離の比を用いて定義できる}ことがわかる. このときの1点を{焦点,\ 1本の直線を{準線,\ eを{離心率という. {離心率eを用いると楕円・放物線・双曲線が統一的に定義できる}のである. 焦点・準線と離心率の関係   $楕円と双曲線の中心が原点になるようにをx軸方向に\ -{c}{1-e²}\ 平行移動すると$ ${x²}c²e²}{(1-e²)²+{y²}c²e²}{1-e²=1, 焦点({-ce²}{1-e²}\ ,0), 準線\ x=-{c}{1-e²}$}は楕円を表すから\ a={ce}{1-e²},b={ce}1-e²}\ とおくと$     $x²}{a²}+{y²}{b²}=1}, 焦点\ (-ae,\ 0)}, 準線\ x=- ae}, 離心率\ e=a²-b²{a}$   $e1}のとき,\ は双曲線を表すから\ a={ce}{e²-1},b={ce}e²-1}\ とおくと$     $x²}{a²}-{y²}{b²}=1}, 焦点\ (ae,\ 0)}, 準線\ x= ae}, 離心率\ e=a²+b²{a}$ $[l} 焦点(c,\ 0)を\ -{c}{1-e²}\ 平行移動すると,\ x座標は c-{c}{1-e²}={-ce²}{1-e²} 平行移動後の焦点・準線とaの式を見比べると,\ 焦点・準線がaとeのみで表せることがわかる. また,\ aとbの式からcを消去して,\ 離心率eをa,\ bのみで表すことができる. c={a(1-e²)}{e} より b=a{1-e²}   2乗して b²=a²(1-e²) より e²={a²-b²}{a²} ここで,\ e=0のときa=bとなることから,\ {円の離心率e=0}と定めるのが合理的である. また,\ 離心率が次のような図形的意味をもつことも確認しておこう. 楕円の焦点({a²-b²},\ 0)より {e={2{a²-b²{2a}={(楕円の2個の焦点間距離)}{(楕円の長軸の長さ) e1\ (1-e²0)のときは\ {x²}c²e²}{(e²-1)²-{y²}c²e²}{e²-1=1\ と考えてa,\ bを設定する. c={a(e²-1)}{e} より b=a{e²-1}   2乗して b²=a²(e²-1) より e²={a²+b²}{a²} 双曲線の焦点({a²+b²},\ 0)より {e={2{a²+b²{2a}={(双曲線の2個の焦点間距離)}{(双曲線の頂点間の長さ)