1999tokyo

 
東大受験生 「2倍角・3倍角・半角・和積・積和公式はいざとなれば加法定理から全部導ける。とにかく根幹となる加法定理だけは確実に暗記しておこう。受験勉強はこうやって効率よくやることが大事だ。」

東大教授  「では、加法定理を証明せよ。」

東大受験生 「ぎゃああああああああああああああああああ」

 
東大受験生であれば、仮に意識していなかったとしても受験勉強する過程で大抵の公式の証明方法が自然と身に付いているはずである。しかし、加法定理の証明は恐ろしい盲点である。「公式は証明してから使うべき」という東大からのメッセージなのだろうか。あるいは、教科書の内容すら身に付いていない内に難しい問題集を解いている受験生に対する警告なのだろうか。第1問から意表をつかれて血の気が引いた受験生も多かったと予想する。案の定、出来は非常に悪かったらしい。

本来、数学において証明が重要であるのは言うまでもない。証明できない公式を使うということは、土台が不安定な橋を渡るような危険な行為である。一方で、受験は効率の良さが大事であり、いちいち厳密な証明を気にしていては受験勉強がはかどらないのも事実である。しかし、そのような単純な効率重視の受験数学が蔓延することに危機感を感じた東大が、「学問としての数学」の軽視に対して一石を投じようとしたのかもしれない。

解答は教科書や参考書に当然書いてあるし、検索するのもよい。「加法定理は図形的に回転を表す」と考えて余弦定理を使う証明が一般的だと思われる。