確率変数の和と積の期待値・分散

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確率変数$X,\ Y$がとりうるすべての値$x_i,\ y_j$に対して \\[.2zh]   $\bm{\textcolor{red}{P(X=x_i,\ Y=y_j)=P(X=x_i)\cdot P(Y=y_j)}}$が成り立つとき, \\[.2zh]   $\bm{\textcolor{blue}{XとYは互いに独立である}}(互いに影響しない)という.$ \\\\   $a,\ b$を定数とする. \\\\ [1]\ \ いつでも \bm{\textcolor{red}{E(X+Y)=E(X)+E(Y)}} \\[.8zh] [2]\ \ いつでも \bm{\textcolor{red}{E(aX+bY)=aE(X)+bE(Y)}} \\[.8zh] [3]\ \ \bm{\textcolor{cyan}{\underline{X,\ Yが独立}}}のとき \bm{\textcolor{red}{E(XY)=E(X)\cdot E(Y)}} \\[.8zh] [4]\ \ \bm{\textcolor{cyan}{\underline{X,\ Yが独立}}}のとき \bm{\textcolor{red}{V(X+Y)=V(X)+V(Y)}} \\[.8zh] [5]\ \ \bm{\textcolor{cyan}{\underline{X,\ Yが独立}}}のとき \bm{\textcolor{red}{V(aX+bY)=a^2V(X)+b^2V(Y)}}P(A\cap B)=P(A)\cdot P(B)}が成り立つとき,\,\bm{事象A,\,Bは独立である}という(数\text A確率「事象の独立」).$} \\[.2zh] よって,\ 「\,XとYが互いに独立である」とは,\ X,\ Yがとりうるすべての値x_i,\ y_j\,に対して,\ \\[.2zh] 事象X=x_i\,と事象Y=y_j\,が独立であることを意味する. \\[1zh] [3]\,~\,[5]\,は,\ 原則としてX,\ Yが互いに独立であることを示してからでなければ使ってはならない. \\[.2zh] ただし,\ \bm{確率変数X,\ Yを定める試行S,\ Tが独立ならば,\ 明らかにXとYは互いに独立}である. \\[.2zh] 試行の独立は常識で判断できるから,\ [3]\,~\,[5]が役立つのは主に2つの試行が独立の場合である. \\\\ 確率変数X,\ Yのとる値がそれぞれ3個,\ 2個の場合の証明を示す.\ \ n個でも同様である. \\[1zh] X=x_1,\ x_2,\ x_3\,をとる確率をそれぞれp_1,\ p_2,\ p_3\,とする(\,p_1+p_2+p_3=1\,). \\[.2zh] Y=y_1,\ y_2\,をとる確率をそれぞれq_1,\ q_2\,とする(\,q_1+q_2=1\,). \\[.2zh] また,\ X=x_1\,かつY=y_1\,をとる確率をr_{11}\,のように表す. \\[.2zh] このとき,\ r_{11}+r_{12}=p_1,\ r_{11}+r_{21}+r_{31}=q_1\,などが成り立つ. \\[.2zh] まとめると右表のようになる(同時確率分布). \\[-5zh] 白玉2個,\ 赤玉1個が入った袋の中から同時に2個取り出して元に戻すことを2回 \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ 行い,\ 1回目と2回目に取り出す白玉の個数をそれぞれ$X,\ Y$とする. \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ $E(3X+2Y),\ E(XY),\ V(2X-Y)$を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw}(2)\ \ 1,\ 2の数字が書かれた玉がそれぞれ2個,\ 3個入った袋の中から元に戻さずに1個 \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ ずつ2回取り出すとき,\ 1回目と2回目に取り出す玉の数字をそれぞれ$X,\ Y$とす \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{(1)}\ \ る.\ \ $E(X+Y),\ E(XY),\ V(X+Y)$を求めよ. \\ \underline{XとYは互いに独立であるから}}$ \\[.5zh] \phantom{(1)}\ \ E(XY)=E(X)\cdot E(Y),\ V(aX+bY)=aV(X)+bV(Y)を使う際は,\ 必ず下線部を記述する. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 記述試験では,\ \bm{前提条件がある公式や定理を無断使用すると減点対象となる.} \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ \bm{復元抽出}であるから,\ 1回目と2回目の試行は明らかに独立である. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ V(2X-Y)=2^2\,V(X)-1^2\,V(Y)とする\bm{ミス}に注意! \\\\ (2)\ \ \bm{非復元抽出}なのでXとYが独立である保証はなく,\ 安易に公式を利用してはならない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ 結論から言えば独立ではないので,\ 独立を前提とする公式は利用できない. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ X+YとXYの確率分布を求め,\ 定義に基づいてE(XY),\ V(X+Y)を求めることになる. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ もしXとYが独立でないことを示したければ,\ \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ P(X=x_i,\ Y=y_j)\neqq P(X=x_i)\cdot P(Y=y_j)となる例を1つ挙げればよい. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ P(X=1,\ Y=1)\neqq P(X=1)\cdot P(Y=1)より,\ XとYは独立ではない. \\\\ \phantom{(1)}\ \ V(X+Y)も求める場合,\ 結局はX+Yの確率分布を求めることになる. \\[.2zh] \phantom{(1)}\ \ よって,\ 独立でなくとも使えるE(X+Y)=E(X)+E(Y)を無理に使う必要はない. \\[1zh] \phantom{(1)}\ \ 一定の検算効果を持つので,\ 試しに使ってみると以下となる. \
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