確率変数の変換と標準化

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当ページの内容は、先に以下の数Ⅰ:データの分析の記事を読んでおくと理解しやすいです。

確率変数Xと定数$a,\ b$に対して,\ 確率変数$Y$を$Y=aX+b$とする.  期待値  E(Y)=E(aX+b)=aE(X)+b$  分散  V(Y)=V(aX+b)=a^2\,V(X)$ 標準偏差 σ(Y)=σ(aX+b)= a\,σ(X)$ 数 I:データの分析で学習した変数変換と同様である. 証明できるようにした上で,\ 公式として暗記しておくべきである. E(Y)=Σ{k=1}{n}y_kp_k=Σ{k=1}{n}(ax_k+b)p_k=aΣ{k=1}{n}x_kp_k+bΣ{k=1}{n}p_k=aE(X)+b Yの平均からの偏差\ \ y_k-E(Y)=(ax_k+b)-\{aE(X)+b\}=a\{x_k-E(X)\} }\ \ V(Y)=Σ{k=1}{n}\{y_k-E(Y)\}^2p_k=a^2Σ{k=1}{n}\{x_k-E(X)\}^2p_k=a^2\,V(X) σ(Y)=√{V(Y)}=√{a^2\,V(X)}= a√{V(X)}= a\,σ(X) 確率変数Xの期待値が600,\ 分散が2500である.\ \ $Y=aX+b\ (a>0)$で定まる \ \ 確率変数$Y$の期待値が80,\ 標準偏差が10であるとき,\ 定数$a,\ b$の値を求めよ. (2)\ \ 1回100円のゲーム代を払ってサイコロを1個振り,\ 出た目がXならば$mX+n$円 \ \ を受け取る.\ ただし,\ $m,\ n$は自然数である.\ \ 1回のゲームでの儲けを$Y$円とし, \ \ $E(Y)=0$のとき,\ $V(Y)$の最小値とそのときの$m,\ n$の値を求めよ. (3)\ \ 確率変数Xについて,\ 期待値$E(X)=m$,\ 標準偏差$σ(X)=σ$とする. \ \ 確率変数$Z=X-m}{σ}$について,\ $E(Z)=0,\ σ(Z)=1$となることを示せ. \\ E(Y),\ V(Y)は直接的に求めると大変なので,\ E(Y)=aE(X)+b,\ V(Y)=a^2\,V(X)を利用. 未知数2つに対して式はE(Y)=0の1つだが,\ 自然数という条件から(m,\ n)を特定できる. 数 A:整数で学習した不定方程式であり,\ 不等式を作成して範囲を絞り込む}とよいのであった. 係数の小さいnについて解くとより厳しく絞り込め,\ m=1,\ 2,\ ・・・,\ 28であるとわかる. V(Y)の最小はmの最小であり,\ m=1のときnは自然数にならないからm=2である. m,\ σ\,は定数なので,\ a=1}{σ},\ b=-m}{σ\,とみると,\ 単なる変換Z=aX+bにすぎない. 変換Z=X-m}{σ\,を確率変数Xの標準化}といい,\ 当分野最重要事項であることが後にわかる.