計算順序} 累乗・かっこ内} → 乗法・除法} → 加法・減法 かけ算とわり算を先に計算する.12(-3)=-4\ は間違わないだろう. しかし,\ -4-2(-5)\ の部分の計算には注意が必要である. 2の前のマイナスを含めてかけ算するかどうかという2通りの見方があるからである. 累乗の計算が最優先である. ではないので注意. 中かっこ{ }の中の小かっこ( )の中と累乗の計算が最優先である. その後中かっこ内のかけ算とわり算を計算する. {分配法則による計算の工夫 分配法則を用いると,\ 例えば\ 2(1+3)=21+23\ が成立する. 1+3=4個を2倍すると {●●●●}{●●●●} 1個を2倍したものと3個を2倍したものの合計は {●●}{●●●●●●} とが等しいと意味づけすることもできるが,\ あまり意味を考えてもしょうがない. そういうものだと思ってさっさとこの計算規則に慣れてしまおう. 分配法則の使用上の注意点をいくつか確認する. 2(1+3)において必ずしも を書く必要はない.つまり,\ 2(1+3)\ と書いても同じである. 乗法は{交換法則}が成立するから,\ (1+3)2\ と書いても同じである. {分配法則の逆}も重要である. つまり,\ {21+23\ を逆に\ 2(1+3)\ の形に変形できなければならない.} {同じ部分を前に出して残りの部分をかっこでまとめる}わけである. 12+32=(1+3)2\ と書かれていても同じである. 普通かっこがついた式を計算するとき,\ かっこの中から先に計算する. しかし,\ {分配法則でかっこをはずして計算するほうが楽な場合がある.} 本問もそのような1問である. {かっこ内の分数の分母2と3はいずれも6の約数である.} よって,\ かっこをはずすとうまく約分できて整数になり,\ 計算が楽になるわけである. 比較するため,\ 分配法則を使わずに計算する別解も示した. 分数の分母3と4はいずれも12の約数であるからかっこをはずすと楽に計算できる. 同じ部分\ 16\ があるから,\ {分配法則を逆に用いてかっこでまとめる}. すると,\ 一度のかけ算で答えを求められる. 最も,\ 本問程度ならば普通に計算しても大して計算量は変わらない. とは異なり,\ {分配法則の逆}を使うかどうかで計算量が大きく変わる. 一般には,\ {乗法・除法よりも加法・減法のほうが計算が楽}である. {分配法則の逆は,\ 乗法の回数を減らす重要な変形なのである.}