$a>b$を満たす2つの整数$a$と$b$をそれぞれ3で割ったときの余りが等しいとき, $a-b$が3で割り切れることを示せ. 文字式の利用 商と余り} $整数Aを整数Bで割ったときの商をQ,\ 余りをRとすると$} A=BQ+R $p,\ qを整数,\ 等しい余りをrとすると $p,\ qは整数なので,\ p-qも整数である.$ $よって,\ 3(p-q)は3の倍数}である.$ $したがって,\ {a-bは3で割り切れる. {条件『ある数で割ったときの余り』を数式でどのように表現するか}を知っているかが問われる. 例として,\ 「7を3で割ったときの商は2,\ 余りは1」を数式で表現することを考えよう. 73=21\ としたくなるかもしれない. しかし,\ は数学記号ではない.\ を用いずに表現する必要がある. ここで,\ 「7を3で割ったときの商は2,\ 余りは1」は次のように意味付けできる. 「7}個のリンゴを3}人に平等に分ける(割る)とき,\ 1人に2}個ずつ配分でき,\ 1}個余る」 図で表すと ○○|○○|○○ 余り○ このことは,\ 「3人に1人2個ずつ与えて1個余るならば全部で7個」と言い換えられる. それを数式で表現すると\ {7=32+1}\ となる. こうして,\ 「7を3で割ったときの商は2,\ 余りは1」を と+のみで表すことができる. 文字で表現すると,\ {『AをBで割ったときの商はQ,\ 余りはR』が『A=BQ+R』となる.} このとき,\ 余りRには範囲があることに注意しておく. 例えば,\ 3で割ったときの余りは必ず0か1か2である. 同様に,\ 4で割ったときの余りは必ず0か1か2か3である. つまり,\ {Bで割ったときの余りRは0 R B-1を満たす整数}である. なお,\ Q,\ Rは商(quotient}),\ 余り(remainder})の頭文字に由来する. 以上を踏まえて本問を解く.\ まず,\ 問題の条件を数式で表現するわけだが,\ 商がわからない. そこで,\ 自分で文字を設定して表現する.\ a>bより,\ aとbは別の整数である. 別の整数ならば3で割ったときの商が等しいとは限らないため,\ 別の文字を設定する必要がある. ここでは,\ qとアルファベット順でqに近いpを用いた(rは余りとして用いたいので避けた). {a-bが3で割り切れることは,\ a-bが3の倍数であることに等しい.} よって,\ 最終目標は{a-bが3(整数)の形で表せることを示す}ことである. 最初の設定さえうまくできれば,\ 後の処理は容易である. 特に,\ 次のような余りに関する条件でA=BQ+Rがよく利用される. 奇数(2で割ったときの余りが1) \ 2n+1\ (nは整数) 3で割ったときの余りが1となる数 3n+1\ (nは整数) 3で割ったときの余りが2となる数 3n+2\ (nは整数) 本問では3で割ったときの余りについて考えたが,\ 3以外の数で割った場合も同様である. つまり,\ {2数a,\ bをある数で割ったときの余りが等しいとき,\ a-bはその数の倍数である.}