3けたの整数について,\ 各位の数字の和が3の倍数ならば,\ その整数が3の倍数 となることを示せ. 3けたの整数について,\ 各位の数字の和が9の倍数ならば,\ その整数が9の倍数 となることを示せ. 4けたの整数について,\ 下2けたが4の倍数ならば,\ その整数が4の倍数となる ことを示せ. 文字式の利用 倍数条件 3けたの整数の百の位,\ 十の位,\ 一の位の数字をそれぞれ$a,\ b,\ c$とする. { }このとき,\ 3けたの整数は$100a+10b+c}$と表せる. { }また,\ 各位の数の和が3の倍数なので,\ $a+b+c=3n\ (nは整数)}$と表せる. { }$100a+10b+c}=99a+a}+9b+b}+c$ { }${100a+10b+c}=99a+9b+a+b+c}$ { }${100a+10b+c}=99a+9b+3n}$ { }${100a+10b+c}=3(33a+3b+n)}$ { }$a,\ b,\ n$は整数なので,\ $33a+3b+n$は整数である. { }よって,\ $3(33a+3b+n)は3の倍数}$である. { }したがって,\ ${各位の数字の和が3の倍数である整数は,\ 3の倍数である.}$ $[l} まず,\ 3けたの整数が100a+10b+cと表せることを覚えておく必要がある. 数と同じように各位がa,\ b,\ cだからといってabcとしてしまうと,\ a b cを意味してしまう. ここで,\ 例えば472は,\ 100を4個,\ 10を7個,\ 1を2個足し合わせたものと考えられる. つまり,\ 472=100 4+107+12\ と表せる. 同様にして,\ 3けたの整数は\ 100 a+10 b+1 c=100a+10b+c\ と表せるわけである. 各位の数字の和が3の倍数という条件も数式で表せる.\ 「nは整数」と記述しておくことも忘れない. 最終目標は,\ {3けたの整数100a+10b+cが3(整数)の形で表せることを示す}ことである. 要するに3をくくり出せばよいわけである. しかし,\ 100や10は3の倍数ではないのでこのままでは3をくくり出すことはできない. {100a=99a+a,\ 10a=9a+a}として,\ {3でくくれる部分を無理矢理作り出す}. 残りのa+b+cは3nとできるので,\ これですべて3でくくることができる. 33a+3b+nが整数であることも忘れずに示す. 以上のような証明方法は一度は経験がないと難しいだろう. 本問では3けたの整数について示したが,\ 全く同様の発想で何けたの整数でも示せる. また,\ {本問の結果は記憶に値する.}\ 例えば,\ 次のような場合に役立つ. {819}{111}\ はこれ以上約分できるかどうか,\ できるとしたら何でできるかがすぐにはわからない. そこで,\ 819と111が3の倍数かどうかを調べてみる. 8+1+9=18\ (3の倍数),1+1+1=3\ (3の倍数)より,\ 819と111は3の倍数である. よって,\ 3で約分できるとわかる. {819}{111}={273}{37} 3けたの整数の百の位,\ 十の位,\ 一の位の数字をそれぞれ$a,\ b,\ c$とする. { }このとき,\ 3けたの整数は$100a+10b+c}$と表せる. { }また,\ 各位の数の和が9の倍数なので,\ $a+b+c=9n\ (nは整数)}$と表せる. { }$100a+10b+c}=99a+a}+9b+b}+c$ { }${100a+10b+c}=99a+9b+a+b+c}$ { }${100a+10b+c}=99a+9b+9n}$ { }${100a+10b+c}=9(11a+b+n)}$ { }$a,\ b,\ n$は整数なので,\ $11a+b+n$は整数である. { }よって,\ $9(11a+b+n)は9の倍数}$である. { }したがって,\ ${各位の数字の和が9の倍数である整数は,\ 9の倍数である.}$ \ 3の倍数の場合と全く同じである.\ {本問の結果も記憶に値する.} {756}{531}\ が3で約分できるかを確認するために各位の数字の和を求めよう. 7+5+6=18\ (9の倍数),\ 5+3+1=9\ (9の倍数)\ である. この時点で3の倍数というだけでなく,\ 9の倍数であることまでもが判明する. よって,\ 9で一気に約分できるとわかる. 4けたの整数の千の位,\ 百の位,\ 十の位,\ 一の位の数字をそれぞれ$a,\ b,\ c,\ d$とする. { }このとき,\ 4けたの整数は$1000a+100b+10c+d}$と表せる. { }また,\ 下2けたが4の倍数なので,\ $10c+d=4n\ (nは整数)}$と表せる. { }$a,\ b,\ n$は整数なので,\ $250a+25b+n$は整数である. { }よって,\ $4(250a+25b+n)は4の倍数}$である. { }したがって,\ ${下2けたが4の倍数である整数は,\ 4の倍数である.}$ $[l} 4けたの整数1000a+100b+10c+dのうち,\ 下2けたは10c+dである. これを4nと表すと,\ 4をくくり出すことができる. 本問では4けたの整数について示したが,\ 100,\ 1000,\ 10000,はすべて4で割り切れる. よって,\ 何けたの整数であっても同様に示すことができる. つまり,\ 何けたの整数であっても,\ {4の倍数かどうかは下2けたを見るだけで判断できる.} {本問の結果も記憶に値する.} 598275684}\ において,\ 下2けたの84は4の倍数であるから598275684は4の倍数である.