特殊解型の漸化式 an+1=pan+q (最重要)

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次の漸化式で定義される数列a_n}の一般項を求めよ.$ 前項で漸化式の基本型である等差・等比・階差型を学習した. 実は,\ 高校範囲で解ける漸化式は多くない. 解ける漸化式のほとんどは,\ 等差$$等比$$階差型に帰着させることができる. パターンごとに基本型に帰着させるための方法を覚えることが漸化式の主な学習である. さて,\ 応用的な漸化式パターンの中で最も重要かつ頻出なのが特殊解型である. 解法が2通り考えられるが,\ どちらも等比数列型に帰着させることに変わりはない. 性方程式 {α=pα+q$ を解き, ${特殊解\ α$ を求める. \ 次に,\元の式から元の式の${a_{n+1}とa_n}$に特殊解を代入した式を引く. 特性方程式は,\ 元の漸化式{a_{n+1}=pa_n+qにおいてa_{n+1}=a_n=α}\ としてできる方程式である. a_{n+1}=a_n=α\ として特殊解を求めるとよい理由は以下の通りである. 漸化式を解くには,\ 何とかして等比数列型a_{n+1}-α=p(a_n-α)に変形できればよい. 展開して逆からさかのぼることで,\ αがどのような値であるべきかを考えよう. 展開するとa_{n+1}=pa_n+α(1-p) これが元の式と一致するためには,\ α(1-p)=q\ でなければならない. つまり,\ α=pα+q\ でなければならず,\ これを満たすように\ α\ を定めればよいことになる. そして,\ α=pα+q\ は,\ 元の漸化式においてa_{n+1}=a_n=αとしたものといえる. なお,\ 答案にはαを求めたり引いたりする過程を書く必要はない. 慣れてくれば,\ いきなりa_{n+1}-α=p(a_n-α)を書いて時間短縮するのがよい. 漸化式全般において,\ {とりあえず階差をとってみる}という考え方は非常に重要である. 仮にの方法を知らなかったとしても,\ 階差をとると等比数列型に帰着する. ただし,\ 本問の場合はさらに階差数列型になってしまうので非常に面倒である. 特殊解型は超頻出であり,\ いちいちの方法で解いている暇はない. 必ずの方法を習得しておいてほしい. 実際には,\ 特殊解を求めて{a_{n+1}-α=p(a_n-α)}(暗記推奨)に入れた式をいきなり書けばよい. すると,\ {a_n+2}が等比数列}となるから,\ この等比数列の一般項を求めればよい. 初項a,\ 公比rの等比数列の一般項は\ ar^{n-1}\ である. a_n+2}を考えたが,\ どうしてもわかりにくければ一旦置換するとよい. \ $よって b_{n+1}=3b_n   ゆえに,\ b_nは公比3の等比数列である.$} ただし,\ これくらいは置換なしでできるようにしておかなければ,\ 後の学習が厳しくなる. 階差をとると,\ {a_{n+1}-a_n}が等比数列}となる. この等比数列の一般項を求めると,\ {階差数列型\ a_{n+1}-a_n=f(n)\ に帰着}する. 階差数列がb_nである数列a_nの一般項は {n2\ のときa_n=a₁+n-1}b_k} n2\ として求めた式に試しに\ n=1\ を代入してみると,\ 問題の\ a₁=5\ と矛盾しない. よって,\ n=1\ のときもまとめて答えることができる. このように,\ 階差数列型が出てくると場合分けも必要になり,\ 一気に面倒になる. その面倒さをなくすためのなのである.