楕円に内接する長方形の面積の最大

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楕円\ {x²}{a²}+{y²}{b²}=1\ (0,\ b0)に内接する長方形の面積の最大値を求めよ.$   楕円に長方形が内接するとき,\ 各辺はx軸,\ y軸と平行をなす.   第1象限にある長方形の頂点の座標を$(p,\ q)\ (p0,\ q0)}$とする.   このとき,\ ${p²}{a²}+{q²}{b²}=1}\ $\ が成立する.   $ここで,\ {x²}{a²}0,\ {y²}{b²}0\ より,\ に\ (相加平均)(相乗平均)}\ を適用すると$ ${p²}{a²}+{q²}{b²}2p²}{a²}{q²}{b²} より 1}{2pq}{ab}    よって pq{ab}{2$}   $よって (長方形の面積)=4pq}\ 4{ab}{2=2ab$   $等号は\ {p²}{a²}={q²}{b²}\ かつのとき,\ つまり\ p={a}{2},q={b}{2\ のとき成立する.$ $ {最大値\ 2ab}$} 拡大・縮小変換(楕円と円の関係)については当カテゴリの別記事ですでに説明済みである. 楕円に内接する長方形の中で4辺が座標軸と平行でないものがあると仮定する. ここで,\ 楕円が円になるように拡大・縮小変換を行う. 拡大・縮小変換しても,\ 長方形の対辺が平行であることと対辺の長さが等しいことは変わらない.一方,\ 2直線が座標軸と平行でないとき,\ 2直線のなす角は拡大・縮小変換によって変化する. よって,\ 楕円に内接する長方形は,\ 円に内接する長方形ではない平行四辺形に変換される. これは,\ 円に内接する平行四辺形がすべて長方形である(∵対角の和が180°)ことに矛盾する. したがって,\ 楕円に内接する長方形の4辺は座標軸と平行である 頂点を文字でおいて面積を考える. このとき,\ 点(p,\ q)が楕円上にある条件が成立することを忘れない. すると,\ {条件のもとでpqの最大値を求める}ことに帰着する. つまり,\ 条件つき2変数関数の最大問題である. 一般に,\ 次の状況で{相加平均と相乗平均の関係A+B2{AB}\ (A0,\ B0)が有効}である. {「和が一定のもとで積の最大を求める(本問)」「積が一定のもとで和の最小を求める」} 本問では,\ A={p²}{a²},\ B={q²}{b²}\ として適用すると,\ pqの これで安心してはいけない.\ {等号成立条件を確認}する必要がある. 2ab\ は2ab以下を意味するだけで,\ 最大値が2abまでは意味しないからである. 等号が成立するようなp,\ q\ (p0,\ q0)\ が存在して初めて最大値が2abと断定できる. 相加平均と相乗平均の関係の等号成立条件は\ {A=B}\ である. と連立してp,\ qを求める.a,\ b,\ p,\ qはすべて正なので,\ {p²}{a²}={q²}{b²} pa= qb\ である. q= bap\ としてに代入すると {2p²}{a²}=1   よってp²={a²}{2}よりp={a}{2} 楕円の媒介変数表示を利用]   楕円に長方形が内接するとき,\ 各辺は$x$軸,\ $y$軸と平行をなす.   $第1象限にある長方形の頂点の座標は(acosθ,\ bsinθ)\ (0θ{π}{2})}とおける.$   $(長方形の面積)=2acosθ2bsinθ=2absin2θ}$   $02θπ\ より,\ sin2θ\ は\ 2θ={π}{2}\ のとき,\ つまりθ={π}{4}\ のとき最大値1}をとる.$ $ (acos{π}{4},\ bsin{π}{4})}=({a}{2},\ {b}{2})\ のとき {最大値\ 2ab}$} $[l} 楕円上の点に着目して議論する場合,\ 楕円の媒介変数表示も有効である. 楕円の式\ {x²}{a²}+{y²}{b²}=1\ と三角関数の相互関係\ cos²θ+sin²θ=1\ を見比べる. xa=cosθ,\ yb=sinθ\ より,\ {楕円の媒介変数表示\ (x,\ y)=(acosθ,\ bsinθ)}\ が導かれる. 媒介変数表示により,\ 面積が{θの1変数関数に帰着}する. 2倍角の公式\ sin2θ=2sinθcosθ\ を逆に用いることで変数θを1箇所に集められる. 後はsin2θの最大を考えればよい.