楕円と円の関係、楕円の面積、拡大・縮小変換の活用

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円x²+y²=a²をy軸方向に ba倍してできる曲線の方程式を$   円周上を動く点を$(s,\ t)$,\ これを$y軸方向に ba$倍した点を$(x,\ y)$とする. ある点が動くにつれてできる軌跡({連動点の軌跡})の問題である. 軌跡上の動点を(x,\ y),\ 途中の動点を(s,\ t)とおき,\ 条件をすべて立式した後s,\ tを消去する. 結局,\ {円を特定方向に拡大・縮小すると楕円になる}ことが示される.   円と楕円の関係は,\ ある種の問題で有効的に活用できる.   その1つが楕円の面積に関する問題である.   元々,\ 面積は微小な四角形の和として定義されている.   つまり,\ 円や楕円を含むあらゆる図形の面積の根幹は四角形の面積にある.   ここで,\ 1辺の長さが$a$(面積$a²$)の正方形を縦方向に$ ba$倍してみよう.   縦の辺の長さが$a ba=b$となるから,\ その長方形の面積は$ab$となる. [-2zh]   $a² ba=ab$より,\ ${四角形を縦方向に ba倍すると面積も ba倍になる$ことがわかる.   四角形の面積が元になっている円の面積においても同様の関係が成立する.   楕円の面積公式を答案で無断使用してよいかは微妙である.   ただし,円のb/a倍によって面積もb/a倍されることは無断使用できる. 拡大・縮小変換を正しく活用するため,面積以外の図形量の変化も確認しておこう. 以下,y軸方向に,b/aしたときに各図形量がどのように変化するかをまとめる. 面積・共有点の個数・線分の比など変換の前後で等倍されたり保存される図形量を求める際に拡大・縮小変換の活用が特に有効}}であるといえる. つまり,拡大・縮小変換では,\ 変換前の点と変換後の点が1対1で対応する.変換前の2点が変換後に1点に重なったりはしないので, 共有点の個数は変化しない. 線分の比が変化しないことを数式で確認する. 線分の長さや2直線のなす角が単純ではないことは右図の例からもわかる. 注1:線分がx軸と平行ならば変化なし,\ y軸と平行ならば倍,\ 斜めならば三平方の定理を考慮. 注2:2直線がそれぞれx軸,\ y軸と平行ならば,\ そのなす角(90°)は変化しない. 2つの楕円\ {x²}{3}+y²=1,x²+{y²}{3}=1\ の共通部分の面積を求めよ.$   2つの楕円の交点は\ $(x,\ y)=({3}{2},\ {3}{2}),\ ({3}{2},\ ±{3}{2})$   2つの楕円は原点中心であるから,\ それぞれ$x軸とy軸に関して対称}である.$   また,\ 2つの楕円同士は直線$y=x$に関して対称}である.   よって,\ 求める面積は下図の斜線部分の8倍である.  楕円$x²+{y²}{3}=1$を$y軸方向に{1}{3}$倍}すると,\ $円x²+y²=1}\ となる.$   また,\ 第1象限にある交点$   $変換後の扇形の面積は    $変換前の斜線部分の面積は 楕円が絡む面積は,\ {拡大・縮小によって円(扇形)の面積に帰着}する. また,\ {変換前の交点が変換後も交点である}という事実も重要である. 交点もy座標だけが{1}{3}倍される.\ また,\ 変換後の交点の座標から扇形の中心角が{π}{6}とわかる. 扇形の面積を求めた後に3倍すると元の楕円の面積が求まる. $点{A}(4,\ 0)から楕円\ {x²}{4}+y²=1\ 上の第1象限にある点{P}に接線を引くとする.$  $接点の座標を求めよ.$  $楕円と接線とx軸で囲まれた部分の面積を求めよ.$  楕円${x²}{4}+y²=1$を$y軸方向に2$倍}すると,\ $円x²+y²=4}\ となる.$ [-1.5zh]    ${OA}=4,\ {OP}’=2,\ ∠{OP}'{A}=90°\ より,\ ∠{AOP}’=60°}\ である.$    $よって,\ {P}’の座標は (2cos60°,\ 2sin60°)=(1,\ 3)}$ $ 点{P}の座標は {(1,\ {3}{2})}$}  $変換後の面積は 1224sin60°-122²{π}{3}=23-23π}$ $ 求める面積は (23-23π})12}={3-13π}$} $[l} {変換前の接点が変換後も接点である}という事実を利用する.   変換後は原点と接点を結ぶ線分と接線は直交する.   さらに,\ {OA:OP}’=2:1\ であることを考慮すると,\ ∠{AOP}’=60°\ とわかる.   これで{P}’の座標が求まるから,\ y座標を12倍して元に戻す. 直角三角形{AOP}’の面積から中心角60°の扇形の面積を引けばよい.\