楕円に内接する四角形の面積の最大値を求めよ.楕円に内接する三角形の面積の最大値を求めよ. (楕)円に内接する四角形と三角形の面積の最大円$x^2+y^2=1$を$x$軸方向に$a$倍,\ $y$軸方向に$b$倍した図形}である.} \\[.5zh]
\phantom{ (1)}\ \ よって,\ 求める値は,\ \textcolor{red}{単位円に内接する四角形の面積の最大値を$ab$倍したもの}である. \\\\
\phantom{ (1)}\ \ 単位円に内接する四角形ABCDの面積を$S$とする. \\[.2zh]
\phantom{ (1)}\ \ \textcolor{forestgreen}{対角線BDを固定}し, $S$が最大となるように頂点Aと頂点Cを動かす. \\[.2zh]
\phantom{ (1)}\ \ $\triangle$ABDの面積は,\ 頂点AからBDに下ろした垂線AHが中心を通るとき最大となる. \\[.2zh]
\phantom{ (1)}\ \ $\triangle$CBDの面積は,\ 頂点CからBDに下ろした垂線CIが中心を通るとき最大となる. \\
\phantom{ (1)}\ \ よって,\ BDが最大となるとき,\ つまり\textcolor{red}{$\mathRM{BD}=2$\ (直径)}のとき,\ \textcolor{red}{$S$は最大値2}をとる. \\\\
\centerline{$\therefore\ \ 楕円\,\bunsuu{x^2}{a^2}+\bunsuu{y^2}{b^2}=1に内接する四角形の面積の最大値は \bm{2ab
対称性の低い楕円のまま求めるのは困難である. \\[.2zh]
\bm{拡大・縮小変換を利用すると,\ 高い対称性をもつ円に内接する四角形の面積の最大に帰着する.} \\[.2zh]
拡大・縮小変換(円と楕円の関係)については,\ 当カテゴリの別記事ですでに説明済みである. \\[.2zh]
図形をx軸方向にa倍すると面積もa倍,\ y軸方向にb倍すると面積もb倍になるのであった. \\[1zh]
\bm{\mathRM{AC=BD,\ AC\perp BDで対角線が中心で交わる}}から,\ \bm{面積が最大になるのは正方形のとき}である. \\[1zh]
参考として,\ 四角形(円に内接していなくても可)の裏技面積公式S=\bunsuu12pq\sin\theta\ による視点を示す. \\[.2zh]
p,\ qは対角線の長さ,\ \theta\,は対角線のなす角である. \\[.2zh]
p,\ q,\ \sin\theta\,がそれぞれの最大値をとることが\dot{同}\dot{時}\dot{に}起こるならば,\ Sの最大はそのときで確定する. \\[.2zh]
単位円に内接する四角形ならば,\ それぞれの最大値はp=2,\ q=2,\ \sin\theta=1\ (\theta=90\Deg)\,である. \\[.2zh]
これは,\ 正方形となるとき同時に起こるから,\ このときSは最大値2をとる. \\[.2zh]
なお,\ この公式の証明は簡単なので(数\text I:三角比参照),\ 記述試験では証明してから利用するとよい.
\phantom{ (1)}\ \ よって,\ 求める値は,\ \textcolor{red}{単位円に内接する三角形の面積の最大値を$ab$倍したもの}である. \\\\
\phantom{ (1)}\ \ 単位円に内接する$\triangle$ABCの面積を$S$とする. \\[.2zh]
\phantom{ (1)}\ \ \textcolor{forestgreen}{辺BCを固定}し, $S$が最大となるように頂点Aを動かす. \\[.2zh]
\phantom{ (1)}\ \ $\triangle$ABCの面積は,\ 頂点AからBCに下ろした垂線AHが中心を通るとき最大となる. \\楕円\,\bunsuu{x^2}{a^2}+\bunsuu{y^2}{b^2}=1に内接する三角形の面積の最大値は \bm{\bunsuu{3\ruizyoukon3}{4}ab
四角形の場合と同様,\ \bm{拡大・縮小変換を利用すると円に内接する三角形の面積の最大に帰着する.} \\[.2zh]
しかし,\ その面積の最大を四角形の場合ほど単純に求めることはできない. \\[1zh]
自分で未知の図形量を文字でおいて面積を立式する. \\[.2zh]
底辺の長さを文字でおきたくなるかもしれないが,\ \bm{高さを文字でおく}と数\text{I\hspace{-.1em}I}の範囲で求められる. \\[.2zh]
また,\ 図形問題で文字をおいたとき,\ 必ずその文字がとりうる値の範囲を確認する. \\[.2zh]
直角三角形\mathRM{OHC}において \mathRM{CH^2}+(h-1)^2=1^2\ より \mathRM{CH^2}=1-(h-1)^2=2h-h^2 \\[.2zh]
S=h\ruizyoukon{2h-h^2}\,となるが,\ \bm{hを根号内に入れて変数を1ヶ所に集める}と,\ 4次関数の最大に帰着する. \\[1zh]
h=\bunsuu32\,のとき,\ \mathRM{BH=CH}=\bunsuu{\ruizyoukon3}{2}\,で,\ 三平方の定理より\mathRM{AB=AC=\ruizyoukon3}\,なので,\ \bm{正三角形}である.