逆像法を用いると「方程式が少なくとも1つの実数解をもつ条件」に帰着することが多いので、以下を先に確認しておいてほしい。

分母をはらって整理すると$x$の方程式\maru1が実数解をもつような$y$の値の集合}が求める値域である. 判別式を$D$とすると 分数関数は,\ グラフを元に値域を求めようとすると,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の知識が必要になる(順像法). \\[.2zh] また,\ 仮に数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の知識を持っていたとしても,\ 多くの場合かなり面倒である. \\[.2zh] しかし,\ 逆像法を用いると,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I}までの範囲の知識で分数関数の値域を求められる場合がある. \\[1zh] 逆像法の基本的な考え方は前項で示したとおりである. \\[.2zh] 求める値域は,\ \bm{すべての実数xの集合に対応するyの集合}である. \\[.2zh] xが存在して初めて,\ それに対応するyが存在する. \\[.2zh] 逆にいえば,\ \bm{値域に含まれるyには,\ 必ず対応する逆像xが存在しているはず}である. \\[.2zh] 結局,\ \bm{xの実数存在条件を考える}ことになる. \\[1zh] 分母をはらうと,\ 見かけ上はxの2次方程式となる. \\[.2zh] ここで,\ 一般に\ \bm{A=\bunsuu CB\ \Longleftrightarrow\ AB=C\ かつ\ B\neqq0}\ であることに注意してほしい. \\[.8zh] 本問の場合は(分母)\neqq0より,\ 単純に分母をはらってAB=Cとしても問題ない. \\[1zh] \maru1はx^2\,の係数yが0のとき2次方程式にならないから,\ 場合分けして考えなければならない. \\[.2zh] \bm{実際に\maru1にy=0を代入してxを求めてみると,\ 対応する実数x=2が存在する}ことがわかる. \\[.2zh] これは,\ \bm{y=0が値域に含まれる}ことを意味している. \\[1zh] y\neqq0のとき,\ xの2次方程式となるから,\ その\bm{実数存在条件は判別式でとらえられる.} \\[.2zh] [1]\,のy=0と\,[2]\,の-\bunsuu12\leqq y<0,\ 00かy<0かでグラフが上に凸か下に凸かが変わってしまう. \\[.2zh]
\bm{x^2\,の係数を正にしてから考える}ことで,\ 場合分けの必要がなくなる. \\[1zh]
条件「少なくとも1つの実数解」は,\ 「2個(重解含む)」と「1個」に分けて考えるのが基本であった. \\[.2zh]
左図になる条件は,\ D\geqq0,\ 軸\geqq2,\ f(2)\geqq0である. \\[.2zh]
右図になる条件は,\ f(2)\leqq0である. \\[.2zh]
ただし,\ 本問の場合は常にf(2)=1\geqq0である. \\[.2zh]
よって,\ 右図になる可能性はない. \\[-5zh]
\bunsuu{4y+1}{2y}\geqq2は,\ 両辺に2y^2\,を掛けて分母をはらう. \\[1zh]
(4y+1)y\geqq4y^2\,より y\geqq0 \\[.4zh]
これを安易に4y+1\geqq4yとしないよう注意する.\ 2y<0ならば不等号の向きが変わるからである. \\[.2zh] 2y^2\,(>0)を掛けて場合分けを避ける手法を習得してほしい. \\[1zh] ちなみに,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の知識を用いてグラフを図示すると以下となり,\ (1)と(2)が瞬時にわかる. \\[.5zh]