
実数$x,\ y$が$x^2-2xy+2y^2=1$を満たすとき,\ 次を求めよ. \\[1zh] \hspace{.5zw} (1)\ \ $x$のとりうる値の範囲 (2)\ \ $2x+y$の最大値と最小値 \\ 等式条件つき2変数関数の最大・最小yの方程式\maru1が実数解をもつようなxの値の範囲}を求めればよい.$ \\[1zh] 等式をxについての2次方程式x^2-2yx+2y^2-1=0とみなす. \\[.2zh] すると,\ 実数解xのとりうる値の範囲を求めることになり,\ 結局前項と同じ問題であるとわかる. \\[.2zh] \bm{実数解xのとりうる値の範囲は,\ もう一方の文字yの実数存在性を追求する}と求まるのであった. xの方程式\maru2が実数解をもつようなkの値の範囲}を求めればよい. わかりやすくするために,\ =kとおく. \\[.2zh] 2x+yの最大値・最小値を求めることは,\ kのとりうる値の範囲を求めることに等しい. \\[1zh] x^2-2xy+2y^2=1を満たす実数(x,\ y)に対応して2x+y=kの値が定まる. \\[.2zh] 逆にいえば,\ \bm{求める範囲内のkには,\ 対応する逆像(x,\ y)が存在しているはず}である. \\[.2zh] ここでの逆像(x,\ y)とは,\ x^2-2xy+2y^2=1を満たす実数(x,\ y)のことである. \\[.2zh] このような実数(x,\ y)が存在するか否かでkを分類していけば,\ 自ずとkの範囲が浮かび上がる. \\[1zh] 例えば,\ k=3はkのとりうる値の範囲に含まれるだろうか. \\[.2zh] k=3のとき,\ 2x+y=3,\ x^2-2xy+2y^2=1を連立すると(x,\ y)=(1,\ 1),\ \left(\bunsuu{17}{13},\ \bunsuu{5}{13}\right)となる. \\[.8zh] この(x,\ y)のときk=3となるのであるから,\ k=3はkのとりうる値の範囲に含まれる. \\\\ では,\ k=4をとりうるだろうか. \\[.2zh] k=4のとき,\ 2x+y=4,\ x^2-2xy+2y^2=1からyを消去すると13x^2-40x+31=0となる. \\[.2zh] D/4=20^2-13\cdot31=-\,3<0より,\ このxの2次方程式は実数解をもたない. \\[.2zh]
よって,\ x^2-2xy+2y^2=1を満たすどのような実数(x,\ y)に対しても,\ k=4となることはない. \\[1zh]
結局,\,\bm{\begin{cases}
x^2-2xy+2y^2=1 \\[.2zh]
2x+y=k
\end{cases}\hspace{-1.2zw}を満たす実数(x,\ y)が存在するようなkの値の範囲を求めればよい.} \\\\[-1zh]
実際には,\ 2式からyを消去した\maru2の実数解が存在するようなkの値の範囲を求めれば済む. \\[.2zh]
実数xさえ存在すれば,\ y=-\,2x+kより実数yの存在も保証されるからである. \\[1zh]
\bm{kの範囲が,\ 残りの文字(x,\ y)の実数存在性を追求して求まる}という構造が重要である. \\\\
図形的には,\ \bm{\begin{cases}
x^2-2xy+2y^2=1 \\[.2zh]
2x+y=k
\end{cases}\hspace{-1.2zw}が共有点をもつようなkの値の範囲を求める}ことを意味する. \\\\[-.8zh]
本問の場合は厳しいが,\ 容易に図示できる場合には図形的な考察も有効である. \\[1zh]
実は,\ 数\text{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}の知識があればx^2-2xy+2y^2=1を図示でき,\ 下図のような斜め楕円となる. \\[.2zh]
また,\ y=-\,2x+kは,\ 傾き-2\,(一定),\ y切片kの直線である. \\[.2zh]
\bm{y切片kが最大・最小となるのは,\ 斜め楕円と直線y=-\,2x+kが接するとき}である. \\[.2zh]
楕円と直線が接する条件なので,\ 結局は本解と同様に連立してD=0を計算することになる.