逆像法を用いると「方程式が少なくとも1つの実数解をもつ条件」に帰着することが多いので、以下を先に確認しておいてほしい。
a$を実数定数とする.
(1)\ \ $x^2-2ax+2a^2-4=0$の実数解$x$のとりうる値の範囲を求めよ.
(2)\ \ $0≦ a≦2\ のとき,\ x^2-2ax+2a^2-4=0$の実数解$x$のとりうる値の範囲を
{実数解のとりうる値の範囲 \\
(1)\ \ $a$で整理すると$a$の方程式①が実数解をもつような$x$の値の集合}を求めればよい. \の知識を用いてグラフを元に求めることもできる(順像法).
しかし,\ 相当に面倒である.\ 逆像法を用いると簡潔に済む.
実数aの値に対応してxの値が定まる.
逆にいえば,\ とりうる値の範囲内のxには,\ 必ず対応する逆像aが存在しているはず}である.
よって,\ 逆像aが存在するか否かでxを分類していけば,\ 自ずとxの範囲が浮かび上がる.
例えば,\ x^2-2ax+2a^2-4=0はx=2を解にもつだろうか.
x=2のとき2a^2-4a=0となり,\ 実数a=0,\ 2が存在する.
a=0,\ 2のとき,\ x^2-2ax+2a^2-4=0はx=2を解にもつとわかる.
では,\ x^2-2ax+2a^2-4=0はx=4を解にもつだろうか.
x=4のとき2a^2-8a+12=0となるが,\ このaの2次方程式は実数解をもたない.
つまり,\ どのような実数aに対しても,\ x^2-2ax+2a^2-4=0がx=4を解にもつことはない.
結局,\ 実数aが存在するようなxの値の範囲を求める}ことになる.
xの範囲が,\ もう一方の文字aの実数存在性を追求して求まる}という構造が重要である.
の範囲に実数解をもつようなxの値の集合}を求めればよい.$異なる2個の実数解(重解を含む)をもつ}とき$ \
範囲に制限がかかると解の存在範囲(配置)問題となり, 単純にD≧0では済まなくなる.
しかも,\ 「少なくとも1つの実数解をもつ」という最も厄介なタイプの解の存在範囲問題}となる.
条件「少なくとも1つの実数解」は,\ 「2個(重解含む)」と「1個」に分けて考えるのが基本であった.
[1]\ \ 2個(重解含む)となる条件は,\ D≧0,\ 0≦ 軸≦2,\ f(0)≧0,\ f(2)≧0}である(下左図).
[2]\ \ 00)で割ると (x-2)(x+2)≦0
\ \ x≠2より\ \ -2≦ x<2 ※\ (x-2)^2\,は正なので,\ 不等号の向きが変わらない. x=a±√{4-a^2}\,をax平面に図示すると以下の斜め楕円となる.
aに範囲がなければ-2√2≦ x≦2√2,\ \ 0≦ a≦2ならば-2≦ x≦2√2\ が一目でわかる.