飽和溶液と溶解平衡、固体の溶解度と溶解度曲線、再結晶

solid-solubility
飽和溶液溶媒に溶質が限界まで溶けた溶液. 溶解平衡 溶解の速さと析出の速さが等しくなり、見かけ上溶解や析出が停止した状態.     飽和溶液では溶解平衡が成立している. 固体の溶解度溶{媒}100gに溶けうる溶質の最大質量[g]. %\ 水和物の溶解度は無水物の値で表す.  溶解度曲線 温度による溶解度の変化を示した曲線. 塩化ナトリウムNaCl}硫酸銅}CuSO₄}硝酸カリウム\ {KNO₃冷却量}析出量} 再結晶  結晶を一旦溶解させた後,\ 再び析出させる操作.       温度による溶解度の違いを利用し,\ 固体物質を精製できる.  飽和溶液に関して成り立つ比例式(溶解度を$S$とする) dy}{ $溶質の質量[g}]}{溶液の質量[g}]}={S}{100+S}   {溶質の質量[g}]}{溶媒の質量[g}]}={S}{100}$} 食塩水を例に基本用語を確認. 「食塩(溶質)を水(溶媒)に溶かすと食塩水(溶液)となる」 %硝酸カリウムの溶解度(水100g}に溶ける最大質量[g}])は,\ 40℃で64,\ 60℃で109である. %よって,\ 60℃の飽和溶液を40℃に冷却すると,\ 溶解度の差109-64=45g}のKNO₃が析出する. 硝酸カリウムKNO₃中に不純物として少量の塩化ナトリウム{NaCl}が含まれている. これを60℃の水100g}に限界まで溶かして飽和溶液にした後,\ 40℃まで冷却する. 硝酸カリウムの溶解度は40℃で64,\ 60℃で109なので,\ 109-64=45g}のKNO₃が析出する. 塩化ナトリウムは40℃で38g}までは溶けるから析出しない. このようにして純粋なKNO₃の結晶に精製できるわけである. 溶解や析出に関する問題では飽和溶液に関して成り立つ比例式を必ず使用する. 分数の形で表すのが普通だが,\ わかりにくいという人は比で表してもよい. つまり,\ (溶液の質量):(溶液の質量)=S:(100+S)\ といった具合である. この式を単に丸暗記しても全く通用しないので,\ 以下の問題で使い方を確認して欲しい. KNO₃の溶解度は,\ 20℃で32g/100g水,\ 40℃で64g/100g水である. 以下の問いに有効数字2桁で答えよ.  40℃のKNO₃飽和水溶液200gを20℃に冷却したときに析出するKNO₃の { }質量は何gか. % 40℃のKNO₃飽和水溶液100gを60℃に加熱するとき,\ あと何gのKNO₃を溶かせるか. 27g  質量パーセント濃度10\%のKNO₃水溶液200gを20℃で飽和溶液にするため { }に必要なKNO₃は何gか.  40℃の{NaCl}飽和水溶液200gから水を20g蒸発させたときに析出する結晶 { }は何gか. 析出するKNO₃の質量を$x$[g]とする. {溶質と溶液の比}または{溶質と溶媒の比}を考える.\ どちらでも立式できるようにしておくべきである. まず,\ 40℃の飽和溶液(析出前)における溶質の質量と溶液の質量を求める.\ 溶液は当然200g}である. 40℃では溶媒(水)100g}に溶質(KNO₃)64g}が溶ける. よって,\ (溶質):(溶液)=(溶質):(溶媒+溶質)=64:(100+64)\ である. 溶液}200g}中の溶質}の質量y[g]}は,\ y:200=64:(100+64)\ より,\ y=200{64}{100+64}\ である. KNO₃がx[g]}析出すると,\ 最終的な溶液}の質量は200-x[g]}となる. また,\ 最終的な溶質}の質量は\ 200{64}{100+64}-x[g]}となる. さて,\ 結晶の析出後の20℃の溶液は飽和状態になっているはずである. よって,\ {最終的な溶質の質量と溶液の質量の比は,\ 20℃における飽和溶液の比に等しくなる.} ここで,\ 20℃では溶媒(水)100g}に溶質(KNO₃)が32g}溶ける. ゆえに,\ 20℃の飽和溶液では\ (溶質):(溶液)=32:(100+32)\ が成り立つ. 結局,\ {(溶質):(溶液)=200{64}{100+64}-x:200-x=32:100+32}\ となるわけである. このように,\ 未知の質量を文字でおいて比を立式するのが全ての溶解度の問題の基本である. とにかくこの考え方に慣れて欲しい.\ 立式さえできれば後は慎重に計算するだけである. 溶質と溶媒の比を考える別解も示す.\ 溶質については同じである. 溶液}200g}における溶媒}の質量z[g]}は,\ (溶媒):(溶液)=z:200=100:(100+64)\ で求められる. つまりz=200{100}{100+64}[g]}である.\ この溶媒の質量は析出後も変化しない. さらに,\ 20℃の飽和溶液では\ (溶質):(溶媒)=32:100であることに注意して比を立式すればよい. 実は,\ 万能ではないが本問では{(温度変化による析出量):(最初の溶液量)}\ を考えるのが楽である. 溶媒(水)が100g}あるとき,\ 40℃では64g},\ 20℃では32g}まで溶ける. このときの40℃における飽和溶液の質量は100+64=164g}である. また,\ 40℃から20℃に冷却すると64-32=32g}が析出する. よって,\ (温度変化による析出量):(最初の溶液量)=32:164\ となる. この比を基準にすると,\ 溶液200g}のときの析出量が容易に求められる.  必要なKNO₃の質量を$x$[g]とする. 200g}の10\%が溶質(KNO₃)である.\ つまり,\ 溶質は200{10}{100}g}\ である. これに溶質x[g]}を加えると飽和状態(最終状態)になる. また,\ 溶質をx[g]}追加すると溶液もx[g]}増えることに注意して立式すればよい. 溶媒(水)は200g}の90\%,\ つまり\ 200{90}{100}g}\ である.  析出するKNO₃の質量を$x$[g]とする. 40℃では溶媒(水)100g}に溶質(KNO₃)64g}が溶ける. 溶液200g}中の溶質}の質量y[g]}は,\ y:200=64:(100+64)\ より,\ y=200{64}{100+64}[g]}である. KNO₃がx[g]}析出すると,\ 最終的な溶質}の質量は\ 200{64}{100+64}-x[g]}となる. 最終的な溶液}の質量は,\ 溶媒20g}が蒸発して溶質x[g]}が析出するから\ 200-20-x[g]}である. 溶液200g}中の溶媒}の質量z[g]}は,\ z:200=100:(100+64)\ より,\ z=200{100}{100+64}[g]}である. 残った水溶液ではなく,\ {蒸発した水に着目}すると瞬殺できる. 飽和溶液から水を蒸発させると,\ {蒸発した分の水(溶媒)に溶けていた溶質が析出する}はずである. つまり,\ 蒸発した溶媒(水)20g}に溶質(KNO₃)が何g}溶けていたかさえ求めればよい.
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