蒸気圧曲線、混合気体の燃焼と水蒸気圧、水上置換法で捕集した気体の圧力

vapor-pressure
気液平衡 蒸発と凝縮の速度が等しくなり,\ 見かけ上気化も液化もしていない状態.  蒸気圧  気液平衡に達したときの気体の圧力.}\ 温度にのみ依存する.  沸騰液体の表面だけでなく内部からも蒸発が起こる現象.     蒸気圧と外圧が等しくなったときに起こる.\ このときの温度を沸点という. 蒸気圧曲線  蒸気圧と温度の関係を示したグラフ. 蒸気圧が大気圧(${1.010⁵}$Pa)と等しくなる温度が沸点となる.     ジエチルエーテル(34℃),エタノール(78℃),水(100℃) 蒸気圧は{飽和蒸気圧}ともいう. {気体の種類と温度のみに依存}し,\ 他の気体の存在や液体の量などには依存しない. 大気圧(1.010⁵Pa})の横線と蒸気圧曲線の交点における温度を読み取ることで沸点がわかる. ただし,\ 実際には大気圧は高度などによって変化するため,\ それに応じて沸点も変化する. 例えば,\ 大気圧が小さくなる富士山山頂(0.6310⁵Pa})では,\ 水は87℃で沸騰する. (0.63の横線と蒸気圧曲線の交点における温度を読み取ると87℃である) また,\ {蒸気圧が大きい(グラフが上にある)ほど同じ圧力下での沸点が低い(沸騰しやすい)}. 物質は,\ {蒸気圧曲線の下側の温度・圧力下では気体,\ 上側の温度・圧力下では液体}の状態をとる. {蒸気圧曲線上の温度・圧力下では気体と液体が共存}する. 物質が気体状態をとりやすい高温・低圧ほど気体領域が広がるため,\ 蒸気圧曲線は右上がりになる. 逆に言えば,\ {蒸気圧が大きいほど気体になりやすい}といえる. {蒸気圧が大きいほど液体が蒸発しようとする力が大きいと考えると最も感覚的にわかりやすい. すると,\ {分子間力が弱い物質ほど蒸発しやすく,\ 同じ温度下での蒸気圧が大きくなる}こともわかる. 結局,\ 次のような関係があることがわかる.\ 暗記ではなくイメージで理解しておくこと. {(蒸気圧が大きい)=(沸点が低い)=(沸騰しやすい)=(気体になりやすい)=(分子間力が弱い)} {(蒸気圧が小さい)=(沸点が高い)=(沸騰しにくい)=(気体になりにくい)=(分子間力が強い)} 液体の存在の判別 すべて気体と仮定したときの圧力の理論値を$P$},\ その温度で蒸気圧を$P₀$}とする. 容器内に液体は存在せず(すべて気体),\ 分圧{容器内に液体が存在し,\ 分圧は 蒸気圧が絡む問題では,\ まず容器内に液体が存在するか否かを判別する必要がある. {ボイル・シャルルの法則や状態方程式は気体に対してのみ成立する法則}である. 液体があるにもかかわらず単純にこれらの法則を適用して答えると間違えることになるからである. 判別するには一旦{すべて気体になっていると仮定}して計算(状態方程式など)で分圧を求める. 計算結果が{蒸気圧よりも小さければ,\ 仮定が正しかったと考えられ,\ これを気体の分圧}としてよい. 計算結果が{蒸気圧よりも大きければ,\ 仮定が誤りだったと考えられる.} 気体の圧力が蒸気圧を超えるはずはないからである. この場合,\ {蒸気圧を超えた分は凝縮して液体になるため,\ 蒸気圧の分の気体と気液平衡となる.} 結局,\ 気体の分圧は蒸気圧に等しくなる. 言い換えると,\ {液体がわずかでも存在していれば,\ 気体の圧力は必ず蒸気圧に等しい.} 10Lの容器に窒素0.40molと液体の水3.6gを入れて密閉し,\ 57℃まで温度を上げた. 容器内の圧力と液体の水の質量を求めよ.\ 液体の体積と液体に対する気体の溶解は無視 できるものとし,\ 気体定数を$R=8.310³$Pa・L/(mol・K),\ 57℃における飽和水蒸 気圧を$2.010⁴$Paとする. $H₂O=18$  容器内の窒素の分圧を$P_N₂$とすると,\ 状態方程式より  容器内の水が全て気体であると仮定したときの水の分圧を$P_{H₂O}$}とすると,\ 状態方程式より  この値は飽和水蒸気圧$2.010⁴$Paよりも大きい.  ゆえに,\ 容器内には液体の水が残っており,\ 水蒸気の分圧は蒸気圧$2.010⁴$Pa\ に等しい.} $ 容器内の圧力は   気体となっている水(水蒸気)の質量を$w$[g]}とすると,\ 状態方程式より  液体の水の質量は  混合気体における各気体の分圧は互いに影響されないので,\ 窒素と水を別々に考えればよい. 窒素の分圧は窒素だけで容器内を占めたときの圧力であり,\ 状態方程式によって容易に求まる. 一方,\ {水のように凝縮しやすい物質に対しては,\ 液体が存在するか否かを判別する}必要がある. すべて気体と仮定したときの分圧は,\ 窒素と同様に状態方程式で求めることができる. これを蒸気圧と比較することで液体の水の有無がわかり,\ 実際の水蒸気の分圧も決定される. 窒素の分圧と水蒸気の分圧の和が容器内の圧力(全圧)である. 液体の水の質量を直接求めることはできない. そこで,\ {気体の水の質量を状態方程式で求め,\ 水の全質量から引けば液体の水の質量が求まる.} メタンCH₄0.032g,\ 酸素0.16gの混合気体を容積1.0Lの密閉容器に入れて燃焼させ た後,\ 27℃に保った.\ このときの容器内の圧力は何Paか.\ 液体の体積と液体に対する 気体の溶解は無視できるものとし,\ 気体定数を$R=8.310³$Pa・L/(mol・K),\ 27℃ における水の蒸気圧を$3.510³$Paとする. $CH₄=16,\ O₂=32$ 混合気体の燃焼と水蒸気圧  メタンの物質量は   酸素の物質量は    燃焼後の水がすべて気体と仮定}したときの分圧を$p$とすると,\ 状態方程式より  この値は27℃における水の蒸気圧$3.510³$Paよりも高い.}  よって, 液体の水が存在しており,\ 燃焼後の水蒸気の分圧は$3.510³$Pa}である.  燃焼後のO₂の分圧とCO₂の分圧の和を$P$とすると,\ 状態方程式より 燃焼後の全圧は  混合気体の質量を物質量に変換し,\ 化学反応式の係数比をもとに燃焼後の各物質の物質量を求める. 過不足のある反応なので表を書いて考えるとよい. 燃焼後には酸素,\ 二酸化炭素,\ 水が合計7.010^{-3}mol}存在することになる. さて,\ 容器内の圧力を\ p1.0=7.010^{-3}8.310³300\ と求めてはいけない. 水がすべて気体であるとは限らないからである. よって,\ {水とそれ以外の気体を分けて考える}ことになる. 水の分圧は,\ 一旦すべて気体(水蒸気)であると仮定して圧力を求め,\ 蒸気圧と比較して決定する. 酸素と二酸化炭素の3.010^{-3}mol}分はまとめて考えればよい. 最後に足して燃焼後の容器内の圧力(全圧)が得られる. 27℃,\ 大気圧$1.010⁵$Paにおいて,\ 発生した酸素を水上置換法で捕集し,\ 水面を一致 させてから体積を測定したところ,\ 200mLであった.\ 得られた酸素の質量を求めよ. 酸素の水への溶解は無視できるものとし,\ 気体定数を$R=8.310³$Pa・L/(mol・K), 27℃における飽和水蒸気圧を$3.010³$Paとする. $O₂=32$ 水上置換法で捕集した気体の圧力)}=(大気圧)-(蒸気圧)  捕集した酸素の分圧は  酸素の質量を$w$[g]とすると,\ 状態方程式より \ {水上置換法によって得られる気体は水中を通ってくるから,\ 飽和水蒸気を含んでいる.} よって,\ 捕集気体が示す圧力は,\ {(酸素の分圧)+(飽和水蒸気圧)}\ となることに注意する. また,\ 本実験では,\ 図のように{内外の水面を一致させてから体積を測定している.} {水面を一致させることで捕集気体の圧力と大気圧が一致する.} 気体の圧力が水面を押し下げる力と大気が水面を押し下げる力が等しいといえるからである. 水面が一致しないまま測定すると水面差に相当する圧力を補正する必要が出てきて面倒である. 捕集気体の圧力は大気圧に等しく,\ それから飽和水蒸気圧を除いた圧力が酸素の分圧である. 後は状態方程式で質量を求めればよい.
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