
可逆反応}} \textbf{\textcolor{red}{正反応と逆反応のいずれの方向にも進む反応.
\textbf{\textcolor{blue}{不可逆反応}} \textbf{\textcolor{red}{一方向にしか進まない反応.}} \rei\ \ 燃焼反応や中和反応. 平衡}{へいこう}状態}} \textbf{\textcolor{red}{正反応と逆反応の反応速度が等しくなり,\ 反応が止まって見える状態.}} \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{平衡状態に至る過程
正反応の見かけの反応速度触媒
\maru1\ \ 反応物の濃度[\ce{H2}],\ [\mathRM{I}\ce{_2}]は減少し,\ 生成物の濃度[\ce{H}\mathRM I]は増加していく. \\[.4zh]
\ \ 最終的に平衡状態になり,\ 濃度変化はなくなる. \\[1zh]
\maru2\ \ 実験により,\ 反応速度式はv_1=k_1\,[\ce{H2}][\mathRM{I}\ce{_2}],\ v_2=k_2\,[\ce{H}\mathRM{I}]^2\,で表されるとわかる. \\[.4zh]
\ \ 反応物の濃度[\ce{H2}],\ [\mathRM{I}\ce{_2}]の減少に伴い,\ 正反応の速度v_1=k_1\,[\ce{H2}][\mathRM{I}\ce{_2}]も減少する. \\[.4zh]
\ \ 生成物の濃度[\ce{H}\mathRM I]の増加に伴い,\ 逆反応の速度v_2=k_2\,[\ce{H}\mathRM{I}]^2\,も増加する. \\[.4zh]
\ \ v_1>v_2\,のとき,\ 正反応の見かけの反応速度はv_1-v_2\,(>0)となり,\ 全体として正反応が進む. \\[.2zh]
\ \ 最終的に\bm{双方向の反応速度が等しく}なり,\ 平衡状態となる(v_1=v_2). \\[.2zh]
\ \ 平衡状態では反応が停止しているわけではなく,\ 全体として反応が停止しているように見える. \\[1zh]
\maru3\ \ 触媒を加えても平衡状態に達したときの濃度は触媒がないときと変わらない. \\[.2zh]
\ \ ただし,\ \bm{平衡状態に達するまでの時間が短くなる.}
化学平衡の法則}} \\[1zh]
可逆反応平衡状態}}にあるとする. \\[.2zh]
ただし,\ [□]は物質□の\textbf{\textcolor{cyan}{モル濃度}}を表す. \\[1zh]
濃度平衡定数は, \textbf{\textcolor{red}{温度が同じならば濃度によらず一定値}}をとる. \\[.2zh]
固体と気体の反応では,\ 濃度平衡定数は気体成分の濃度だけで表す. \\\\
気体}}の可逆反応平衡状態}}にあるとする. \\[.2zh]
ただし,\ $P_□$は気体□の\textbf{\textcolor{cyan}{分圧}}を表す. \\[1zh]
圧平衡定数は, \textbf{\textcolor{red}{温度が同じならば圧力によらず一定値}}をとる. \\[.2zh]
固体と気体の反応では,\ 圧平衡定数は気体成分の濃度だけで表す. \\\\[1zh]
\textbf{\textcolor{blue}{濃度平衡定数$\bm{K_{\text{\textbf{c}}}}$と圧平衡定数$\bm{K_{\text{\textbf{p}}}}$の関係}} \\[.5zh]
理想気体の状態方程式\ $P_{\text{A}}V=n_{\text{A}}RT より {{P_{\mathRM{A}}}^a{P_{\mathRM{B}}}^b}(RT)^{(a+b)-(y+z)}=\bm{\textcolor{red}{K_{\text{\textbf{p}}}(RT)^{(a+b)-(y+z)}}}$ \\[1zh]
特に $\bm{\textcolor{cyan}{a+b=y+z}}$\ のとき $\bm{\textcolor{red}{K_{\text{\textbf{c}}}=K_{\text{\textbf{p}}}}}$ \\\\\\
化学反応式 & 濃度平衡定数$K_{\text{c}}$ & \ 圧平衡定数$K_{\text{p}}$ & $K_{\text{c}}$と$K_{\text{p}}$の関係 \\\hline
濃度平衡定数K_{\text{c}}\,の\text{c}は濃度(\text{concentration}),\ 圧平衡定数K_{\text{p}}\,の\text{p}は圧力(\text{pressure})\,を表す. \\[.2zh]
単に平衡定数Kといわれた場合,\ 濃度平衡定数K_{\text c}\,のほうを指す. \\[.2zh]
平衡定数は,\ 化学反応式の左辺の物質を分母に,\ 右辺の物質を分子に書く決まりである. \\[.2zh]
固体と気体の反応では,\ 構成粒子が密に詰まった状態の固体の濃度や圧力は一定とみなせる. \\[.2zh]
よって,\ 固体成分の濃度や圧力は,\ 平衡定数の式に含めなくてよい. \\[.4zh]
は定数であるから,\ これを改めてK_{\text c}\,とおくと K_{\text c}=\bunsuu{[\ce{CO}]^2}{[\ce{CO2}]} \\[.8zh]
\ \ 同様に,\ 圧平衡定数は K_{\text{p}}=\bunsuu{{P_{\ce{CO}}}^2}{P_{\ce{CO2}}} \\\\
平衡定数は,\ \bm{化学反応式の係数によって単位が変化する}ことに注意する. \\[.2zh]
濃度平衡定数の単位は, のように両辺の分子数が等しいときは単位がない[\,(指数)=2-(1+1)=0\,]. \\[.4
圧平衡定数の単位はPa})^{(y+z)-(a+b)}\ となる.
の正反応の反応速度$v_1$\,は[\ce{H2}]と[I\ce{_2}]に比例し,\ 逆反応の反応速度$v_2$\,は[\ce{H}I]の2乗に \\[.2zh]
\hspace{.5zw}比例する.\ 正反応の反応速度定数を$k_1$,\ 逆反応の反応速度定数を$k_2$とする. \\[1zh]
\hspace{.5zw} (1)\ \ \maru1が平衡状態に達するまでの[\ce{H2}]の減少速度と[\ce{H}I]の増加速度を表せ. \\[1zh]
\hspace{.5zw} (2)\ \ \maru1の平衡定数$K$を$k_1,\ k_2$を用いて表せ. \\[1zh]
\hspace{.5zw} (3)\ \ 密閉容器に2.5\,molの\ce{H2}\,と2.5\,molのI$\ce{_2}$\,を入れたところ,\ \maru1が平衡状態に \\[.2zh]
\hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ に達して\ce{H2}\,は0.50\,molになった.\ この温度における平衡定数$K$を求めよ. \\[1zh]
%\hspace{.5zw} (2)\ \ 最初に4.5\,molの\ce{H2}\,と6.0\,molのI$_{\ce{2}}$\,を入れて,\ 同じ温度で平衡に達したときに生成する\ce{H}Iの物質量を有効数字2桁で答えよ. \\[1zh]
\hspace{.5zw} (4)\ \ 密閉容器に\,2.0\,molの\ce{H2}\,と\,2.0\,molのI$\ce{_2}$\,を入れて(3)と同じ温度で平衡に達し \\[.2zh]
\hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ たときに生成する\ce{H}Iの物質量を求めよ. \\[1zh]
\hspace{.5zw} (5)\ \ 密閉容器に\,1.5\,molの\ce{H2}\,と\,0.25\,molのI$\ce{_2}$\,と7.0\,molの\ce{H}Iを入れて(3)と同じ \\[.2zh]
\hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ 温度に保つと反応はどちら向きに進むか. また,\ 平衡に達したときに容器内に \\[.2zh]
\hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ 存在する\ce{H}Iの物質量を求めよ.
つまり,\ [\ce{H2}]の減少速度とは,\ \bm{正反応の見かけの反応速度v_1-v_2}\,のことである. \\[.4zh]
1\,\text{mol}の\ce{H2}\,が反応して2\,\text{mol}の\ce{H}\mathRM{I}が生成するから,\ \bm{[\ce{H}\mathRM{I}]の増加速度は[\ce{H2}]の減少速度の2倍}.
平衡状態では正反応と逆反応の反応速度が等しくなることから平衡定数Kがk_1\,とk_2\,で簡潔に表されるので,\ 試験で頻出する. \\[.4zh]
しかし,\ これは極めて稀な例であり,\ 常に同じように表されるとは思わないでほしい. \\[.2zh]
普通,\ 反応速度式のモル濃度の反応次数は,\ 化学反応式の係数とは一致しない. \\[.2zh]
これは,\ ほとんどの反応が実際には多段階反応だからであった(素反応ならば一致する). \\[.2zh]
一方で,\ 平衡定数のモル濃度の次数は化学反応式の係数で決まる. \\[.2zh]
よって,\ 反応速度の反応次数と平衡定数の次数は,\ 普通は一致しない. \\[.2zh]
\maru1ではたまたま両者の次数が一致するので,\ Kをk_1\,とk_2\,のみで簡潔に表せる.
平衡定数を求めるには,\ まず平衡状態におけるモル濃度を求める必要がある. \\[.2zh]
反応物が完全になくなるわけではないので,\ \bm{反応前・変化量・平衡時の表}を作成して考える. \\[.2zh]
反応前の各物質の物質量は,\ 当然2.5\,\text{mol},\ 2.5\,\text{mol},\ 0\,\text{mol}である. \\[.2zh]
次に,\ 与えられている平衡時の\ce{H2}\,の0.50\,\text{mol}を書く.\ ここから,\ \ce{H2}\,の変化量-\,2.0\,\text{mol}がわかる. \\[.2zh]
化学反応式より,
よって,\ \bm{\ce{H2}\,が2.0\,\text{\textbf{mol}}\,消費}されるときがあるとわかる. \\[1zh]
平衡定数の式はモル濃度の式なので,\ \bm{容積を文字で設定し,\ モル濃度にしてから代入}する. \\[.2zh]
最終的にVは分母・分子で約分されて消え,\ 平衡定数が求まる. \\[.2zh]
最終的に消えるからといって,\ 最初からVを無視して計算するのはやめた方がよい. \\[.2zh]
Vが結果的に平衡定数に影響しないのは,\ たまたま\maru1の両辺の分子数が等しかったからである. \\[.2zh]
逆に言えば,\ 化学反応式の両辺の分子数が等しくない場合には,\ Vが平衡定数に影響してくる. \\[.2zh]
また,\ たまたま\maru1の両辺の分子数が等しいため,\ 平衡定数に単位はつかない.
平衡に達するまでに反応した\ce{H2}\,の物質量を$x$\,\text{mol}とする. \\[1zh]
温度が同じであるから,\ 平衡定数は(2)と同じ64である. \\[.2zh]
(3)と同様に表を作成して各物質の物質量およびモル濃度を求め,\ 平衡定数の公式に代入する. \\[.4zh]
平衡定数の式がたまたま2乗の形になるので,\ X^2=64と同様に両辺の平方根をとると簡潔に済む. \\[.2zh]
平衡時の各物質の物質量は正であるから,\ X=\pm\,8とする必要はない. \\[1zh]
2乗の形にならない場合は普通に2次方程式を解くことになる.\ 試しに本問もその方法で解いてみる. \\反応は逆反応の向きに進む.} \\[1zh]
\phantom{ (1)}\ \ 平衡に達するまでに生成した\ce{H2}\,の物質量を$x$\,\text{mol}とする. \\[1zh]
\bm{反応がどちら向きに進むかが不明な場合,\ 一旦問題で与えられた値を平衡定数の式に代入してみる.} \\[.2zh]
その値をK’とすると,\ K’と本来の平衡定数の値Kとの大小関係から反応が進む向きを判断できる. \\[.2zh]
もしK’=Kならば,\ すでに平衡状態であり,\ 反応はどちら向きにも進まない. \\[.2zh]
反応はK’\,がKに近づく向きに進む.\ \bm{K’>Kならば分子[\ce{H}\mathRM{I}]^2\,が小さくなる逆反応の向きに進む.} \\[.2zh]
\bm{K’}\,\ce{2CO}\,(気)$\ に達した.\ このとき,\ 混合 \\[.2zh]
\hspace{.5zw}気体の二酸化炭素と一酸化炭素の体積比は$6:4$であった.\ 平衡定数$K$を求めよ. \\
\\[-.8zh]
\hline
\end{tabular} \\\\[1zh]
平衡に達するまでに反応した$\ce{CO2}$の物質量を$x$\,molとする.
\bm{固体と気体の反応であるから,\ \ce{C}\,(固)は平衡定数の式に含めなくてよい}(事実上無視できる). \\[.2zh]
理想気体では,\ 気体1\,\text{mol}の体積は種類によらず一定である(物質量比と体積比は等しい). \\[.2zh]
両辺の気体の分子数が異なるため,\ Vは消去されず,\ また,\ 平衡定数に単位がつく.
ピストン付き容器に$n$\,[mol]の\ce{N2O4}\,を入れて全圧を$P$\,[Pa]に保ったところ,\ \\[.2zh]
\hspace{.5zw}平衡状態\ $\ce{N2O4}\,\ce{<=>}\,\ce{2NO2}$\ に達した. \\[1zh]
\hspace{.5zw}(1)\ \ 解離度を$a\ (0