
エネルギー}} 他の物体を動かしたり変形させたりするなどの仕事をする能力.\ 単位はジュール}}}. \\[.2zh]
形態が変換されても総量は変化しない(\textbf{エネルギー保存の法則}). \\[1zh]
熱エネルギー}} 熱という形態で物質に出入りするエネルギー.\ その量を熱量}}という. \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{系}} \textbf{化学反応に関わる物質の集まり} \\[.5zh]
\textbf{\textcolor{blue}{外界}} \textbf{系以外の部分} \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{化学エネルギー}} \textbf{\textcolor{red}{化学結合や状態に由来する物質固有のエネルギー.}} 反応熱$\bm{Q_{\textbf{out}}}$}} \,\textbf{\textcolor{red}{化学反応や状態変化に伴い,\ \.{系}\.{か}\.{ら}\.{外}\.{界}\.{に}\.{放}\.{出}される熱量.反応熱$\bm{Q_{\textbf{out}}}$}}} \,\,外界に放出されるとき$Q_{\text{out}}>0$,\ 外界から吸収されるとき$Q_{\text{out}}<0$. \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{エンタルピー$\bm{H}$}} \textbf{\textcolor{red}{一定の圧力下で各物質がもつ化学エネルギーの量.}} \\[1zh]
\textbf{\textcolor{blue}{エンタルピー変化$\bm{\Delta H}$}} \Delta$}{デルタ}は変化量を表す記号)} \\[.5zh]
\textbf{\textcolor{red}{定圧反応における生成物{\small (反応後の物質)}と反応物{\small (反応前の物質)}のエンタルピーの差.}} \\[.2zh]
$\Delta H$は系内の熱の増減,\ $Q_{\text{out}}$は系を外界からみたときの熱の出入りなので$\pm$が逆になる. \\\\
化学反応に伴う熱の出入りは,\ \textbf{\textcolor{blue}{化学反応式にエンタルピー変化$\bm{\Delta H}$を付した式}}で示される. \\[.2zh]
{\small この式のことを熱化学方程式や熱化学反応式ということがある.}
・\ 他の物質の係数を分数にしてでも\textbf{\textcolor{red}{着目物質の係数を1}}にする({\small 実際には1は書かない}). \\[.2zh]
・\ 着目物質1\,molあたりを示すので$\Delta H$の正確な単位は\,kJ/mol\,だが,\ /mol\,はつけない. \\[.2zh]
・\ 各物質の$\bm{25\hspace{-.03zw}℃,\ 1.013\times10^5\,}\textbf{Pa}$\textbf{での状態}
・\ 同素体が存在する物質は\textbf{\textcolor{forestgreen}{同素体の種類を示す}}. エネルギー図(エンタルピー図)}} \\[1zh]
物質がもつエンタルピーの大小関係を相対的に示した図. \\[.2zh]
一般に,\ \textbf{\textcolor{forestgreen}{エンタルピーが高いほど反応性が大きい不安定な状態}}である. \\\\
\textbf{\textcolor{red}{発熱反応($\bm{\Delta H<0}$)}} \textbf{\textcolor{magenta}{系の熱($\bm{H}$の減少分)を外界に反応熱(正)として放出する反応}}
\textbf{\textcolor{blue}{吸熱反応($\bm{\Delta H>0}$)}} \textbf{\textcolor{cyan}{系の熱($\bm{H}$の増加分)を外界から反応熱(負)として吸収する反応}}
\bm{反応熱は着目物質1\,\text{\textbf{mol}}\,あたりの25\hspace{-.02zw}℃,\,1.013\times10^5\,\text{\textbf{Pa}}\,(常温・常圧)での熱量(\text{\textbf{kJ/mol}})}である. \\[1zh]
\bm{物質はその状態でエンタルピーが異なるため,\ 25\hspace{-.02zw}℃,\ 1.013\times10^5\,\textbf{Pa}\,のものを付記}する. \\[.2zh]
(気)は\text{gas}の(\text g),\ (液)は\text{liquid}の(\,\text l\,),\ (固)は\text{solid}の(\text s)と表してもよい. \\[.4zh]
\ce{H2}\,(気)や\ce{O2}\,(気)のように25\hspace{-.02zw}℃,\ 1.013\times10^5\,\text{Pa}での状態が明らかな場合は省略してもよい. \\[.2zh]
ただし,\ \bm{\ce{H2O}は常に付記}する. \\[1zh]
2021年以前の高校化学では,\ 化学反応に伴う熱の出入りを等号で結んだ式で表していた. \\[.2zh]
しかし,\ これは時代に大きく遅れた表現で,\ 2022年から世界標準や大学化学に準拠した表現となった. \\[.4zh]
2022年以降 \ce{C}\,(黒鉛)\ +\ \ce{O2}\,(気)\ \ce{->}\ \ce{CO2}\,(気) \Delta H=-\,394\,\text{kJ} (系の物質の視点での表現) \\[.4zh]
2021年以前 \ce{C}\,(黒鉛)\ +\ \ce{O2}\,(気)\ =\ \ce{CO2}\,(気)\ +\ 394\,\text{kJ} (外界の観察者の視点での表現) \\[.4zh]
視点の違いにより熱量の\pm が逆になるので,\ 過去の文献を使用する際には注意を要する. \\[1zh]
エンタルピー(\text{enthalpy})\,(\rubytiny{熱}{ねつ}\rubytiny{含}{がん}\rubytiny{量}{りょう}ともよばれる)は,\ ギリシャ語の温まる(\text{enthalpein})に由来する. \\[.2zh]
高校物理の熱力学の知識を用いて,\ エンタルピーの正体を簡単に説明しておく. \\[1zh]
物質が吸収した熱量をQ_{\text{in}},\ 内部エネルギーの変化量を\,\Delta U,\ 外部への仕事をW_{\text{out}}\,とする. \\[.2zh]
熱力学第一法則(熱力学におけるエネルギー保存則)は Q_{\text{in}}=\Delta U+W_{\text{out}} \\[.2zh]
この関係をお金にたとえると (収入)=(貯金)+(支出) \\[.2zh]
化学反応は,\ 圧力一定の条件下で考えることが多い. \\[.2zh]
定圧変化では\ W_{\text{out}}=P\Delta V\,(=圧力\times 体積変化)が成り立つから Q_{\text{in}}=\Delta U+P\Delta V \\[.2zh]
H=U+PVと定義すると,\ 定圧変化では\ Q_{\text{in}}=\Delta H,\ つまり\ Q_{\text{out}}=-\,\Delta H\ と簡潔になる.
反応エンタルピー}} \textbf{\textcolor{magenta}{\underline{着目物質1\,molあたり}のエンタルピーの変化量(単位:kJ/mol)}} \\\\[1zh]
\textbf{\textcolor{blue}{様々な反応エンタルピー}} \\\\
\textbf{\textcolor{blue}{燃焼エンタルピー}} \textbf{\textcolor{red}{1molの物質が\.{完}\.{全}燃焼}}するときの反応エンタルピー. \必ず発熱反応($\bm{\Delta H<0}$)}}である. \\[1zh]
\rei\ \ エタン\ce{C2H6}\,(気)の燃焼エンタルピー
十分な\ce{O2}\,の供給の元で\ce{C},\ \ce{H},\ \ce{O}からなる物質が\bm{\ce{CO2}\,と\ce{H2O}にまで変化}するのが\dot{完}\dot{全}燃焼である. \\[.4zh]
例えば,\ \ce{C}\,(黒鉛)\ +\ \bunsuu{\ce{1}}{\ce{2}}\ce{O2}\,(気)\ \ce{->}\ \ce{CO}\,(気) \Delta H=-\,111\,\text{kJ}\ \ は不完全燃焼である. \\[.8zh]
よって,\ このときの\,\Delta H=-\,111\,\text{kJ/mol}\,は\ce{C}\,(黒鉛)の燃焼エンタルピーではない. \\[1.5zh]
そもそも,\ \bm{燃焼とは熱の放出を伴う激しい酸化還元反応}のことなので,\ 必ず発熱反応である.
生成エンタルピー}} \textbf{\textcolor{cyan}{\underline{単体}}\,から\textcolor{red}{1molの化合物が生成}}するときの反応エンタルピー. \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{cyan}{左辺は必ず\underline{単体}}}\,で, \textbf{\textcolor{magenta}{単体の生成エンタルピーは0}}\,とする. \\[.2zh]
\textbf{発熱反応の場合も吸熱反応の場合もある.}二酸化炭素\ce{CO2}\,(気)の生成エンタルピー アセチレン\ce{C2H2}\,(気)の生成エンタルピー
\ce{CO}\,(気)\ +\ \bunsuu{\ce{1}}{\ce{2}}\ce{O2}\,(気)\ \ce{->}\ \ce{CO2}\,(気) \Delta H=-\,283\,\text{kJ}\ \ の左辺は単体ではない. \\[.8zh]
よって,\ このときの\ \Delta H=-\,283\,\text{kJ}\,は\ce{CO2}\,の生成エンタルピーではない. \\[1zh]
\maru1は\ce{C}\,(黒鉛)の完全燃焼なので,\ \Delta H=-\,394\,\text{kJ}\ は\ce{C}\,(黒鉛)の燃焼エンタルピーでもある. \\[.2zh]
どちらともみなせることを利用すると,\ ある種の問題が楽に解けるようになる. \\[1zh]
\bm{同素体がある場合,\ 25\hspace{-.02zw}℃,\ 1.013\times10^5\,\textbf{Pa}\,で最も安定な状態の生成エンタルピーを0}とする. \\[.2zh]
例えば,\ \bm{炭素の場合は同素体の中で黒鉛が最も安定}である. \\[1zh]
一般に,\,生成エンタルピーが小さい(負の値で絶対値が大きい)ほどエネルギー的に安定な物質である. \\[.2zh]
逆に,\,生成エンタルピーが大きい(正の値で絶対値が大きい)ほどエネルギー的に不安定な物質である. \\[.2zh]
生成エンタルピーが226.7\,\text{kJ/mol}\,のアセチレン\ce{C2H2}\,は,\ 圧縮すると爆発する性質をもつ.
溶解エンタルピー}} \textbf{\textcolor{red}{1molの物質が多量の溶媒に溶解}}するときの反応エンタルピー. \\[.2zh]
\textbf{発熱反応の場合も吸熱反応の場合もある.} \\[1zh]
\rei\ \ 水酸化ナトリウム\ce{NaOH}\,(固)の水への溶解エンタルピー
\rei\ \ 硝酸カリウム\ce{KNO3}\,(固)の水への溶解エンタルピー
溶解はただ混じり合うだけの物理現象であり,\ 化学反応ではない. \\[.2zh]
ただし,\ 溶解の際にも熱が出入りするため,\ 溶解エンタルピーも反応エンタルピーに含める. \\[.2zh]
水\ce{H2O}と化学反応するわけではないので,\ \ce{NaOH + H2O}\ などと書いてはいけない. \\[.4zh]
あくまでも\ce{NaOH}が多量の溶媒の水と混じりあうにすぎず,\ 物質自体(化学式)は変化しない. \\[.2zh]
\text{aq}は多量の溶媒の水を意味する\text{aqua}\,(アクア)の略で,\ 化学式に\text{aq}をつけると水溶液を意味する.中和エンタルピー}} \\[1zh]
\textbf{\textcolor{cyan}{酸と塩基の中和反応}}により, \textbf{\textcolor{red}{1molの水\ce{H2O}が生成}}するときの反応エンタルピー. \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{magenta}{強酸と強塩基}}の希薄溶液の中和熱は, \textbf{\textcolor{magenta}{酸と塩基の種類によらず約56.5\,kJ}}\ {\small (25\hspace{-.05zw}℃)}である. \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{forestgreen}{必ず発熱反応($\bm{\Delta H<0}$)}}である. \\[1zh]
\rei\ \ 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和エンタルピー
\bm{希薄溶液中では,\ 強酸と強塩基は完全に電離している.} \\[.2zh]
よって,\ その種類によらず次の反応のエンタルピー変化が中和エンタルピーとなる.
弱酸や弱塩基は電離しにくいため,\ 中和の前に電離させるためのエネルギーが必要になる(吸熱). \\[.2zh]
その分,\ 強酸と強塩基の場合よりも中和エンタルピーがやや大きくなる(絶対値が小さくなる).
水和エンタルピー}} \\[1zh]
\textbf{\textcolor{red}{\.{気}\.{体}\.{状}のイオン1\,molが多量の水中で水和イオンになる}}ときの反応エンタルピー. 必ず発熱反応($\bm{\Delta H<0}$)}}である. \\[1zh]
\rei\ \ ナトリウムイオン\ce{Na+}\,(気)の水和エンタルピー状態変化によるエンタルピー変化}} \\[1zh]
\textbf{\textcolor{blue}{凝縮エンタルピー}} \textbf{\textcolor{orange}{1\,mol\,の物質(気体)}}が\textbf{\textcolor{red}{凝縮}}して\textbf{\textcolor{cyan}{液体}}になるときの$\Delta H$ \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{blue}{蒸発エンタルピー}} \textbf{\textcolor{cyan}{1\,mol\,の物質(液体)}}が\textbf{\textcolor{red}{蒸発}}して\textbf{\textcolor{orange}{気体}}になるときの$\Delta H$ \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{blue}{凝固エンタルピー}} \textbf{\textcolor{cyan}{1\,mol\,の物質(液体)}}が\textbf{\textcolor{red}{凝固}}して\textbf{\textcolor{forestgreen}{固体}}になるときの$\Delta H$ \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{blue}{融解エンタルピー}} \textbf{\textcolor{forestgreen}{1\,mol\,の物質(固体)}}が\textbf{\textcolor{red}{融解}}して\textbf{\textcolor{cyan}{液体}}になるときの$\Delta H$ \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{blue}{凝華エンタルピー}} \textbf{\textcolor{orange}{1\,mol\,の物質(気体)}}が\textbf{\textcolor{red}{凝華}}して\textbf{\textcolor{forestgreen}{固体}}になるときの$\Delta H$ \\[.2zh]
\textbf{\textcolor{blue}{昇華エンタルピー}} \textbf{\textcolor{forestgreen}{1\,mol\,の物質(固体)}}が\textbf{\textcolor{red}{昇華}}して\textbf{\textcolor{orange}{気体}}になるときの$\Delta H$ \\\\
状態変化も化学反応ではなく物理現象であり,\ 物質自体は変化しない. \\[.2zh]
ただし,\ 熱が出入りするため,\ エンタルピー変化を付して示すことができる. \\[.2zh]
結合が一部残る固体\,→\,液体に対し,\ 完全に結合を切る液体\,→\,気体はより大きなエネルギーを要する. \\[.2zh]
よって,\ 液体\,→\,気体\ は\ 固体\,→\,液体\ よりもエンタルピー変化がかなり大きくなる. \\[1zh]
\bm{凝縮熱・蒸発熱・凝固熱・融解熱・凝華熱・昇華熱は絶対値で表す}ことに注意する. \\[.2zh]
つまり,\ 凝縮熱と蒸発熱はどちらも44\,\text{kJ/mol}\,である. \\[.2zh]
\pm\,をつけずとも,\ 発熱か吸熱かがHの大きさ「\,\bm{気体>液体>固体}\,」から明らかだからである. \\[.2zh]
また,\ \bm{(融解熱)+(蒸発熱)=(昇華熱)}\ が成り立つ.
発熱反応や吸熱反応を利用した身の回りの製品}} \\[1zh]
\textbf{\textcolor{blue}{化学カイロ(携帯カイロ)}
\textbf{\textcolor{blue}{発熱パック}
\textbf{\textcolor{blue}{冷却パック}
化学カイロは,\ 鉄\ce{Fe}が酸化するときの発熱を利用した製品である. \\[.2zh]
この反応は速度が遅く継続的に進行するため,\ 携帯カイロとして利用できる. \\[1zh]
弁当付属の発熱パックは,\ 反応速度が速い酸化カルシウム\ce{CaO}と水の反応の発熱を利用している. \\[1zh]
冷却パックは,\ 硝酸アンモニウム\ce{NH4NO3}\,や尿素\ce{CO(NH2)2}\,の水への溶解(吸熱)を利用している.
化学反応式にエンタルピー変化を付した式を示せ. \\[1zh]
\hspace{.5zw}(1)\ \ エタノール\ce{C2H5OH}\,の生成エンタルピーは$-\,277$\,kJ/mol\,である. \\[.8zh]
0\hspace{-.01zw}℃,\ $1.013\times10^5$\,Paで5.6\,L\,のプロパン\ce{C3H8}\,が完全燃焼すると555\,kJ\,の熱が生じる.} \\[.8zh]
\hspace{.5zw}(3)\ \ 0.10\,mol/L\,の希硫酸500\,mL\,が多量の水に溶解すると4.8\,kJの熱が生じる. \\
(1)\ \ 生成エンタルピーであるから,\ \bm{左辺は単体(\ce{C},\ \ce{H2},\ \ce{O2})}でなければならない. \\[.4zh]
\phantom{(1)}\ \ また,\ 着目物質であるエタノール\ce{C2H5OH}の係数を1にする. \\[1zh]
(2)\ \ \bm{発熱反応}であるから,\ エンタルピー変化は\ \Delta H=-\,555\,\text{kJ}\,である. \\[.2zh]
\phantom{(1)}\ \ これを\textbf{着目物質のプロパン\ce{C3H8}\ 1\,molあたりのエンタルピー変化}に換算する.
水素\ce{H2},\ メタン\ce{CH4},\ プロパン\ce{C3H8}\,の各気体を完全燃焼させた.\ \\[.2zh]
\hspace{.5zw}燃焼エンタルピーは,\ それぞれ$-\,286$\,kJ/mol,\ $-\,891$\,kJ/mol,\ $-\,2219$\,kJ/mol\,である. \\[.2zh]
\hspace{.5zw}3つの気体を以下の順に並べよ. $\ce{C}=12,\ \ce{H}=1.0$ \\[1zh]
\hspace{.5zw} (1)\ \ 同温・同圧において同じ体積が完全燃焼したとき,\ 多くの熱量を出す気体順. \\[.8zh]
\hspace{.5zw} (2)\ \ 同じ質量が完全燃焼したとき,\ 多くの熱量を出す気体順. \\[.8zh]
\hspace{.5zw} (3)\ \ 同じ熱量を得たとき,\ 二酸化炭素の発生量が少ない順. \\
同温・同圧において同体積の気体の物質量は等しい.} プロパン\ce{C3H8}>メタン\ce{CH4}>水素\ce{H2}}$} \\\\[.5zh]
(2)\ \ 水素\ce{H2},\ メタン\ce{CH4},\ プロパン\ce{C3H8}\,の気体1\,gが完全燃焼したときに生じる熱量は \\水素\ce{H2}>メタン\ce{CH4}>プロパン\ce{C3H8}}$} \\\\[.5zh]
(3)\ \ 1\,\text{mol}の\ce{H2},\ \ce{CH4},\ \ce{C3H8}\,の燃焼で1\,kJの発熱が生じた際に生成する\ce{CO2}\,の物質量は (1)\ \ \bm{アボガドロの法則:同温・同圧において,\ 同体積の気体は気体の種類によらず同数の分子を含む.} \\[.2zh]
\phantom{(1)}\ \ 1\,\text{mol}とは6.02\times10^{23}\,個のことであるから,\ 個数が同じならは物質量も同じである. \\[.2zh]
\phantom{(1)}\ \ 結局,\ \bm{1\,\textbf{mol}あたりの発熱量Q_{\textbf{out}}=-\,\Delta H\,が多い順}となる. \\[1zh]
(2)\ \ \bm{分子量で割り,\ 1\,\textbf{g}あたりの発熱量を求めて比較}すればよい. \\[1zh]
(3)\ \ \ce{C3H8}\,分子は3個の\ce{C}をもつから,\ \ce{C3H8}\,1\,\text{mol}の完全燃焼で\ce{CO2}\,3\,\text{mol}と2219\,\text{kJ}の熱が生じる. \\[.4zh]
\phantom{(1)}\ \ \bm{\ce{CO2}\,の物質量を発熱量で割ると,\ 発熱1\,\textbf{kJ}あたりの\ce{CO2}\,の物質量が求まる.}
水素,\ 二酸化炭素,\ エタン\ce{C2H6}\,からなる混合気体を0\hspace{-.01zw}℃,\ $1.013\times10^5$\,Paで44.8\,Lとっ \\[.2zh]
\hspace{.5zw}て完全燃焼させたところ,\ 1051\,kJの発熱があり,\ 39.6\,gの水が生じた.\ 各気体の物質量 \\[.2zh]
\hspace{.5zw}を求めよ. 水素とエタンの燃焼エンタルピーはそれぞれ$-\,286$\,kJ/mol,\ $-\,1561$\,kJ/mol \\[.2zh]
\hspace{.5zw}である. $\ce{H}=1.0,\ \ce{O}=16$ \\
水素の完全燃焼
エタンの完全燃焼
\ce{H2},\ \ce{CO2},\ \ce{C2H6}\,の物質量をそれぞれ$x\,\text{mol},\ y\,\text{mol},\ z\,\text{mol}$とする.
\ 混合気体の物質量について
\ エンタルピー変化について
\ 生じた水の物質量について
まず,\ 二酸化炭素\ce{CO2}\,は燃焼しないので,\ 実質的には水素とエタンの混合気体の燃焼である. \\[.2zh]
混合気体の燃焼では,\ 正確な比がわかるように\bm{気体ごとに化学反応式を作成する}のであった. \\[.2zh]
後は,\ 各気体の物質量を文字で設定し,\ 3つの条件を立式して連立すればよい.