高校理論化学(物質の反応):熱化学・反応速度・化学平衡・酸と塩基

スポンサーリンク

2025/10/27 2025年入試および難関大学対応完了。

「物質の状態」では、同じ物質が状態によってどのように変化するかを学んだ。一方、「物質の反応」では、異なる物質同士がどのように反応し合って新しい物質を生成するかを学習する。

2022年から始まった新課程では、この分野に大きな改訂が加えられた。特に熱化学分野では、従来の「発熱・吸熱反応を熱化学方程式で表す」方法から、エンタルピー変化(ΔH)を明示して表現する形式へと変更された。これは大学化学や国際標準に準拠したものであり、エネルギーの出入りをより正確に理解する力が求められるようになった。さらに、反応の自発性を議論するために、エントロピー(S)ギブズエネルギー(G)といった概念も導入されている。

熱化学分野は、定義と用語の整理を正確に行えば比較的理解しやすい分野である。しかし、化学平衡や酸と塩基の分野は、理論化学の中でも最も難易度が高い。ここでは、化学平衡の扱いに加えて、近似の考え方を理解することが不可欠になる。たとえば、弱酸の電離度が小さいときに「1−α≒1」と近似する計算や、共通イオン効果による平衡のずれを概算で把握する考え方など、抽象的な理論を数値に結びつける思考力が問われる。

これらの近似計算は単なるテクニックではなく、化学反応の本質を理解するための鍵である。また、ルシャトリエの原理はこの分野にとどまらず、化学全体に通じる普遍的な原理である。外部条件の変化に対して平衡がどのように移動するかを論理的に考える力は、化学のすべての現象を理解する基盤となる。

反応の背後にある原理や法則の理解が難しく、さらにそれを実際の問題に応用する論理的思考力が求められるので、意欲的な学習が要求される。理論の理解・基本事項の暗記・問題演習をバランス良く行うことが、確実な得点力の向上につながる。

本カテゴリは、難関大学レベルまでの典型的な出題パターンを網羅する。基礎から応用まで体系的に学ぶことで、大学入試での高得点につながる実戦力を養うことができる。

 

スポンサーリンク

当カテゴリ内記事一覧

スポンサーリンク