2つの関数$y=f(x),\ z=g(y)$があり,\ ${f(x)}$の値域が${g(y)}$の定義域に含まれているとする.} このとき,\ ${z=g(f(x))$を${f(x)}$と${g(y)}$の合成関数といい,\ ${(g◦ f)(x)$と表す. 合成関数の性質 一般には,\ 交換法則は成り立たない.\ つまり,\ ${(g◦ f)(x) (f◦ g)(x)$\ である. 結合法則は成り立つ.\ つまり,\ ${(h◦(g◦ f))(x)=((h◦ g)◦ f)(x)$\ である. [3]$f$が逆関数$f^{-1}$をもつとき ${(f^{-1} ◦ f)(x)=(f◦ f^{-1})(x)=x$ [4]$f,\ g$がそれぞれ逆関数$f^{-1},\ g^{-1}$をもつとき ${(g◦ f)^{-1}(x)=(f^{-1}◦ g^{-1})(x)$ fの後にgを作用させたものをg◦ fと表すので,\ 順序を間違わないように注意する. (h◦(g◦ f))(x)=h((g◦ f)(x))=h(g(f(x))) \ ((h◦ g)◦ f)(x)=(h◦ g)(f(x))=h(g(f(x))) わかりにくければ,\ 一旦g◦ f=kやh◦ g=kとおいて考えればよい. 順序が関係ないので,\ 括弧を省略して(h◦ g◦ f)(x)と表せる. [3]y=f(x)x=f^{-1}(y)より (f^{-1}◦ f)(x)=f^{-1}(f(x))=f^{-1}(y)=x 同様にして,\ (f◦ f^{-1})(y)=f(f^{-1}(y))=f(x)=y,\ つまり(f◦ f^{-1})(x)=xが成り立つ. このように,\ どのxに対してもx自身を対応させる関数を{恒等関数}という. 次の関数$f(x),\ g(x)$について,\ 合成関数$(g◦ f)(x),(f◦ g)(x)$を求めよ. また,\ その合成関数の定義域と値域を求めよ. $f(x)=3x-1,g(x)=x²+1$ & $f(x)=2^x,g(x)=log₄x$ $f(x)={1}{x-1},g(x)={x}{x+1}$ { }$定義域{すべての実数} 値域{(g◦ f)(x)1}$ { }${(f◦ g)(x)}=f(g(x)})=f(x²+1})=3(x²+1})-1={3x²+2}$ { }$定義域{すべての実数} 値域{(f◦ g)(x)2}$ ${(g◦ f)(x)}=g(f(x)})=g(2^x})=log₄2^x}={log₂2^x}{log₂4}={ x2}$ { }$定義域{すべての実数} 値域{すべての実数}$ { }$定義域{x>0} 値域{y>0}$ { }$定義域{x0,\ 1} 値域{(g◦ f)(x)0,\ 1}$ { }$定義域{x-1} 値域 (g◦ f)(x)の値域は,\ 常に(3x-1)²0より(3x-1)²+11であることからわかる. 底の変換公式\ log_ab={log_cb}{log_ca}\ を用いると簡潔になる. 対数が絡む場合,\ {(真数)>0}が定義域になることに注意する. g(x)=log₄xの定義域はx>0なので,\ g(f(x))が定義されるための条件はf(x)>0である. 常に2^x>0より,\ g(f(x))の定義域はすべての実数となる. (f◦ g)(x)では,\ まず2^{log₄x}を簡単にできるかが問われる. 対数の定義\ a^p=Mlog_aM\ より,\ 一般に{a^{log_aM}=M}\ が成り立つことを利用する. log₄x={log₂x}{log₂4}=12log₂x=log₂x^{1/2}=log₂ x 次のように,\ 2^{log₄x}を文字でおいて両辺の対数をとって求めることもできるのであった. A=2^{log₄x} log₂A=log₂2^{log₄x} log₂A=log₄xlog₂2 log₂A=log₂ x A= x f(g(x))が定義されるためには,\ そもそもg(x)が定義されなければならない. よって,\ 真数x>0である.\ ここで,\ 通常 xとだけあると,\ その定義域はx0である. ゆえに,\ 実際の定義域がx0であれば,\ 定義域を問われない限りあえて記述する必要はない. しかし,\ 本問の定義域はx>0なので,\ 定義域を問われなくても記述しておかなければならない. y= x\ において,\ x0のときy0だが,\ x>0ならばy>0である. f(x)の定義域はx1なので,\ g(f(x))もx1が前提となる.\ 定義域を問われた場合は,\ 1xより分母x0も加わる. 定義域を問われていない場合,\ x0は式からわかるので必要ない. いわゆる反比例のグラフなので,\ 値域はy0であり,\ さらにx1よりy1である. }関数$f(x)=2x-1,g(x)=x+1$について,\ 次の関数を求めよ. $(f◦ g)^{-1}(x)$ $(g◦ f)^{-1}(x)$ $(f^{-1}◦ g^{-1})(x)$ 逆関数は,\ x=の形に変形した後,\ xとyを入れ替えると求まるのであった. $f(x)=2^x$のとき $f^{-1}(x)=log₂x$ ${h(x)}=(g◦ f^{-1})(x)}=g(f^{-1}(x))=g(log₂x)={log₂x+1 合成関数から逆に元の関数を求めることを考える.