点光源による球影と円錐曲線

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座標空間に点{C}(1,\ 0,\ 1)を中心とする半径1の球がある.\ 点{A}(0,\ 0,\ a)\ (a1)を通り,\ 球と接する直線とxy平面の交点{P}の軌跡を求めよ.$   $球面の方程式は (x-1)²+y²+(z-1)²=1} $   ${P}の座標を(X,\ Y,\ 0),\ 直線{AP}上の点を{Q}とすると$   $整理すると   (X²+Y²+a²)t²-2{X+a(a-1)}t+(a-1)²=0}$   $判別式 {D}{4={X+a(a-1)}²-(X²+Y²+a²)(a-1)²=0}$   $整理すると   a(a-2)X²-2a(a-1)X+(a-1)²Y²=0} $   {a2}\ のとき {放物線y²=4x} {a2}\ のとき {楕円 {(x-{a-1}{a-2})²}{({a-1}{a-2})²}+{y²}a}{a-2=1} [-.5zh] {1a2}\ のとき {双曲線{(x+{a-1}{2-a})²}{({a-1}{2-a})²}-{y²}a}{2-a=1} 条件を整理すると次の2点である. {「点{P}がxy平面上にある」「中心(1,\ 0,\ 1),\ 半径1の球と直線{AP}が点{Q}で接する」} この条件をどのように数式で表現するかがポイントである. 複数の方法が考えられるが,\ 最も自然で標準的なものを示した. まず,\ {P}を(X,\ Y,\ 0)とおくことで点{P}がxy平面上にある条件を表現できる. 次に,\ 直線{AP}の方程式を作成する.\ 空間の直線はベクトルを用いて表現できる. 後は,\ {(直線と球が接する)(連立して重解)}より,\ D=0とすればよい. こうして導かれたX,\ Yの方程式が条件を満たす点(X,\ Y)の集合,\ すなわち点{P}の軌跡である. X,\ Yの2次方程式が表す曲線の形状はaの値によって変化するので場合を分ける. 前提として,\ a1より,\ Y²の係数について常に\ (a-1)²0\ である. a=2のときはX²の係数a(a-2)=0より,\ X²の項が消えて放物線になる. a2のとき,\ X²の係数a(a-2)0より,\ 楕円になる. Xについて平方完成した後,\ 右辺を1にして標準形にする. 1a2のとき,\ X²の係数a(a-2)0より,\ 双曲線になる. X²の係数が正になるようにあらかじめの両辺に-1を掛けてから標準形に変形するとよい. a(2-a)X²+2a(a-1)X-(a-1)²Y²=0 a(2-a)(X+{a-1}{2-a})²-(a-1)²Y²={a(a-1)²}{2-a} 本問の結果は,\ {点{A}に点光源をおいたときにできる球影の形状}を示唆している(下図). 球の上部に点光源があるとき,\ 球影は楕円になる. 接線がx軸と平行なる位置に点光源があるとき,\ 球影は放物線になる. 点光源の位置がさらに低くなると,\ 球影は双曲線の一方になる. 影にはならないが,\ 軌跡という意味では双曲線のもう一方も条件を満たす. ちなみに,\ 求まった楕円・放物線・双曲線の焦点の座標を計算すると,\ いずれも一方が(1,\ 0)になる. これは,\ {球影の楕円・放物線・双曲線の焦点となるのは球との接点である}ことを意味している. 円錐の頂点に点光源があり,\ その直下に円錐に内接する球がある. 先の問題では点光源の位置を変化させたが,\ 代わりに球影を考える平面の角度を変化させる. すると,\ 楕円・放物線・双曲線のいずれかになるわけである. {円錐の母線と平行な平面で切断したときの球影が放物線}である.