積分漸化式∫sinnxdxの応用① ウォリス積分

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(1)の表で「t:-π/2→0」となっていますが、「t:π/2→0」の誤りですm(_ _)m
(6)の答えではlimが抜けておりますm(_ _)m

式\ sin({π}{2}-θ)=cosθ\ を考慮し,\ x={π}{2}-t\ と置換する. 定積分は変数によらないから,\ ∫0}{π/2cos^ntdt=∫0}{π/2cos^nxdx=J_n\ である. {部分積分}によって積分漸化式が導ける.\ sin xを1個分離して微分形とみなせばよい. cos²xをsinに変換した後,\ I_nで表して整理する. I_n={n-1}{n}I_{n-2}\ は,\ {階比数列型の漸化式}である. よって,\ 繰り返し適用していくことでI_nが求められる. ただし,\ 1個飛ばしの漸化式であるため,\ {nが偶数か奇数かで場合分け}が必要である. わかりにくい場合は具体的な数値で考えるとよい.\ 例として,\ n=6,\ n=7の場合を考える. n2\ であるから,\ 分母や分子が0になるところまでは繰り下げない. 最終的にI₀,\ I₁に帰着するため,\ あらかじめ求めておいたわけである. 大学では二重階乗を導入する.\ 例えば,\ 6!!=642,7!!=7531\ である. 本問の結果は暗記しておくと検算に役立つ.\ 例えば,\ ∫0}{π/2cos^6xdx={5!!}{6!!}{π}{2}\ である. nを自然数とし,\ 偶数を2n(=2,\ 4,\ ),\ 奇数を2n+1(=3,\ 5,\ )で表現することもできる. 二重階乗 でI_nを求めたが,\ 1つおきの漸化式なので,\ nが偶数か奇数かで場合分けする必要があった. 積I_nI_{n-1}\ ならば,\ nの偶奇によらず,\ 式が一致する. まず,\ 漸化式を変形する.\ I_{n-2}を分母にもっていくことになるため,\ 0にならないことを確認する. I₀,\ I₁が正であることと漸化式の形から,\ すべてのnについてI_n>0\ であることがわかる. これらの式の{両辺をすべて掛け合わせて約分する}と,\ nI_nI_{n-1}\ が求まる. 使用した漸化式はn2で成り立つものであるから,\ n=1のときを別個に確認しておいた. 本問の処理は,\ 階差数列型漸化式\ a_{n+1}-a_n=f(n)\ から一般項a_nを導く場合と同様の発想である. この漸化式からa_nを導くには,\ 両辺のn-1}\ をとり,\ n-1}(a_{k+1}-a_k)=n-1}f(k) とすればよい. 左辺を書き出すと中央が消えて両端が残る.\ なお,\ わかりやすいようにk=n-1から書き出した. よって,\ a_n-a₁=n-1}f(k),\ すなわち\ a_n=a₁+n-1}f(k)\ が導かれる. 同様の処理を階比数列型漸化式\ a_{n+1}=f(n)a_n\ で行うとする.\ まず,\ {a_{n+1{a_n}=f(n)\ である. ここで,\ 両辺の\ \displaystyle\prod_{k=1}^{n-1}\ (数列の和n-1}に対し,\ 数列の積を表す記号)をとると 本問の場合,\ 1つおきの漸化式であるから,\ a_na_{n-1}\ が求まることになる. 最後に,\ 例としてn=5の場合を示す.  nI_nI_{n-1}=5 I₅ I₄ 積分の不等式なので,\ {積分区間0 x{π}{2}\ から順番に作成}していく. まずsin xの範囲にし,\ 各辺にsin^nxを掛けてから\ ∫0}{π/2\ をつける.\ ∫0}{π/2\ をつけた時に等号をはずす. 等号が成立するのは,\ 区間内のすべてのxにおいて関数が一致する場合のみだからである. {不等式の証明の後に極限がくれば,\ はさみうちの原理}である. つまり,\ n{I_n}²\ をはさむことを考える.\ そのために,\ 示した不等式を利用して,\ まずI_nをはさむ. I_{n+1}0)を両辺に掛ける.\ 右辺は{π}{2}であるから,\ 後は左辺の極限を求めればよい. これを利用できる形を無理矢理作り出し,\ 極限をとる. lim[n→∞]{n}{n+1}=lim[n→∞]{1}{1+1n}=1\ である.    はさみうちの原理より 本問の積は,\ I_nを用いて表現できる. {π}{2}{I_{2n+1{I_{2n\ と表せるから,\ {不等式を作成してはさみうちの原理を適用}する.