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\tan x}$の逆関数$\bm{\dint{0}{x}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt}$の性質}}}} \\\\\\
$y=\tan x\left(-\bunsuu{\pi}{2}<x<\bunsuu{\pi}{2}\right)$の逆関数は,\ $x=\tan y\ (-\,\infty<x<\infty)$である. \\[.2zh]  大学では,\ $\bm{\textcolor{blue}{y=\tan^{-1}x}}$または$\bm{\textcolor{blue}{y=\arctan x}}$と表す.\ $\tan^{-1}x=\bunsuu{1}{\tan x}$\textbf{ではない!} \\[.2zh]  例えば,\ $\tan\textcolor{cyan}{0}=\textcolor{magenta}{0}$より$\tan^{-1}\textcolor{magenta}{0}=\textcolor{cyan}{0}$,\ \ $\tan\textcolor{cyan}{\bunsuu{\pi}{4}}=\textcolor{magenta}{1}$より$\tan^{-1}\textcolor{magenta}{1}=\textcolor{cyan}{\bunsuu{\pi}{4}}$である. \\\\  さて,\ $x=\tan y$の両辺を$y$で微分すると $\bunsuu{dx}{dy}=\bunsuu{1}{\cos^2y}=\tan^2y+1=x^2+1$ \\[.5zh]  よって $\bunsuu{dy}{dx}=\bunsuu{1}{x^2+1}$   つまり $\textcolor{red}{(\tan^{-1}x)’=\bunsuu{1}{x^2+1}}$ \\[.5zh]  ゆえに,\ \textbf{\textcolor{blue}{$\bm{\tan x}$の逆関数の定積分表示 $\bm{\tan^{-1}x=\dint{0}{x}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt}$}}が得られる. \\[.5zh]  実際,\ $\dint{0}{x}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt=\teisekibun{\tan^{-1}t}{0}{x}=\tan^{-1}x-\tan^{-1}0=\tan^{-1}x$である. \\[.5zh]  定積分表示であれば,\ \textcolor{red}{$\tan x$の逆関数を高校範囲で表現できる}わけである. \\\\  大学入試では,\ $f(x)$を$\dint{0}{x}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt$と定義し,\ その性質について問う問題が散見される. \\[.2zh]  この式を見たとき,\ $\tan x$の逆関数であることに気付かなければならない. \\[.2zh]  特に,\ 以下の性質が関連問題において核心的な役割を果たす. \\[1zh]  $f(x)=\tan^{-1}x=\dint{0}{x}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt$とする. \\[.5zh]  さらに$x=\tan\theta$とすると $\bm{\textcolor{red}{f(\tan\theta)}}=\tan^{-1}(\tan\theta)=\bm{\textcolor{red}{\theta}}$ \\[.5zh]  一般に,\ $y=f(x)\ \Longleftrightarrow\ x=f^{-1}(y)$より,\ $x=f^{-1}(f(x))$が成り立つからである. \\\\\\\\ \hspace{.5zw}\begin{tabular}{|p{13.1cm}|} \hline \\[-.8zh] \hspace{.5zw}$関数\ f(x)=\dint{0}{x}\bunsuu{dt}{t^2+1}\ (x>0)について,\ 次の問いに答えよ.$ \\\\
\hspace{.5zw} (1)\ \ $f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{1}{\ruizyoukon3}\right)を求めよ.$ \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (2)\ \ $\dint{0}{\frac{1}{\sqrt3}}xf(x)\,dxを求めよ.$ \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (3)\ \ $f(x)+f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu1x\right)が定数であることを示し,\ その値を求めよ.$ \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (4)\ \ $\dlim{x\to\infty}f(x)$を求めよ. \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (5)\ \ 実数$x,\ y$が$0<x<1,\ 0<y<1$を満たすとする. \\[.2zh] \hspace{.5zw}\phantom{ (1)}\ \ このとき,\ $f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{x+y}{1-xy}\right)=f(x)+f(y)$が成り立つことを示せ. \\[1.5zh] \hspace{.5zw} (6)\ \ $f(2-\ruizyoukon3\,)$の値を求めよ. \\
\bunsuu{1}{x^2+1}\,を含む定積分では,\ x=\tan\theta\ と置換して積分するのが基本であった. \\[.8zh] 公式\ 1+\tan^2\theta=\bunsuu{1}{\cos^2\theta}\ を適用すると,\ 結局1の積分に帰着するという頻出問題である. \\[1zh] 今見直すと,\ \dint{0}{\frac{1}{\sqrt3}}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt=f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{1}{\ruizyoukon3}\right)=f\hspace{-.2zw}\left(\tan\bunsuu{\pi}{6}\right)=\bunsuu{\pi}{6}\ というカラクリであったことがわかる.
\bm{部分積分}すると,\ x^2f'(x)の積分に帰着する. \\[.2zh] 一般に,\ \bunsuu{d}{dx}\dint{a}{x}f(t)\,dt=\bunsuu{d}{dx}\teisekibun{F(t)}{a}{x}=\bunsuu{d}{dx}\{F(x)-F(a)\}=F'(x)-0=f(x)が成り立つ. \\[1zh] よって,\し,\ 分子の次数を分母よりも小さくする. \であることを利用できる.
\bm{導関数が0であることを示せば,\ 常に一定値をとることが示されたことになる.} \\[.2zh] \left\{f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu1x\right)\right\}’は,\ 合成関数の微分法の扱いになる. \\[.6zh] 定数であることが確定済みなので,\ 後は適当なxのときの値を求めればよい. \\[.2zh] x=\bunsuu1x\,となることを考慮し,\ x=1のときの値を求めた.\ 定積分の途中過程は省略してよいだろう. \\[.6zh] (1)でf\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{1}{\ruizyoukon3}\right)が既知なので,\ f(\ruizyoukon3\,)=\bunsuu{\pi}{3}\,を求めて\ \bunsuu{\pi}{3}+\bunsuu{\pi}{6}=\bunsuu{\pi}{2}\ としてもよい. \\\\
本問を逆に考えてみよう.\ 足して\,\bunsuu{\pi}{2}\,になる2つの角度\,\alpha,\ \bunsuu{\pi}{2}-\alpha\ があるとする. \\[.8zh] f(x)=\alpha\ とするとx=\tan\alpha,\ \ f\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu1x\right)=\bunsuu{\pi}{2}-\alpha\ とすると\,\bunsuu1x=\tan\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{\pi}{2}-\alpha\right)である. \\[1zh] つまり,\ 本問は三角関数の公式\ \tan\hspace{-.2zw}\left(\bunsuu{\pi}{2}-\alpha\right)=\bunsuu{1}{\tan\alpha}\ を意味している.
(3)の結果を利用する.\ f(0)=\dint{0}{0}\bunsuu{1}{t^2+1}\,dt=0である.\ 本問の意味合いは後で示す.
f(x)が\,\tan x\,の逆関数であることを認識していなければ厳しい. \\[.2zh] \bm{\bunsuu{x+y}{1-xy}\ という式をみて\,\tan\,の加法定理を連想}できれば,\ このような解答が可能になる. \\[.8zh] 言い換えると,\ 本問は\,\tan\,の加法定理の別表現である.
まず,\ \bm{\tan15\Deg=2-\ruizyoukon3,\ \ \tan75\Deg=2+\ruizyoukon3}\ であることくらいは覚えておきたい. \\[.2zh] 実際,\,\tan15\Deg=\tan(45-30)\Deg=\bunsuu{\tan45\Deg-\tan30\Deg}{1+\tan45\Deg\tan30\Deg}=\bunsuu{1-\bunsuu{1}{\ruizyoukon3}}{1+1\cdot\bunsuu{1}{\ruizyoukon3}}=\bunsuu{\ruizyoukon3-1}{\ruizyoukon3+1}=2-\ruizyoukon3\,である. \\[1zh] \tan15\Deg=2-\ruizyoukon3\ を知らない場合,\ (5)の利用方法もなかなか思いつかないだろう. \\[.2zh] 要するに,\ 30\Deg=15\Deg+15\Deg\ と考えればよいわけである. \\[.2zh] (5)の関係には適用条件があるから,\ それを確認した上で適用すること. \\[.2zh] なお,\ \tan\bunsuu{\pi}{12}=2-\ruizyoukon3\ を覚えているならば,\ 別解のように解く方が速い.
\end{array}}\right]$}} \\\\\\\\
最後に,\ \textbf{\textcolor{blue}{図形的意味}}も確認しておこう. \
左図から,\ $x=1=\tan\bunsuu{\pi}{4}$のとき,\ 面積が$\bunsuu{\pi}{4}$になることがわかる. \\[.2zh] $f(\tan\theta)=\theta$は,\ \textbf{\textcolor{forestgreen}{$\bm{x=\tan\theta}$のとき,\ 面積が$\bm{\theta}$になる}}という図形的意味をもつわけである. \\[1zh] 右図は,\ (4)の図形的な意味合いである. \\[.2zh] 大学では積分区間の一方または両方が$\infty$の定積分も登場し,\ これを\textbf{\textcolor{blue}{広義積分}}という. \\[.2zh] $\dint{0}{\infty}f(x)\,dx=\dlim{a\to\infty}\dint{0}{a}f(x)\,dx$であり,\ 大学入試でも右辺の形で時々広義積分が登場する. \\[1zh] $x=\tan\theta\to\infty$のとき$\theta\to\bunsuu{\pi}{2}-0$より,\ 右図の場合も$f(\tan\theta)=\theta$をみたしている. \\[.2zh] 以上から,\ \textbf{\textcolor{red}{面積を起点として$\bm{\tan\theta}$を定義しても通常の定義と矛盾しない}}ことがわかる. \\[.2zh] つまり,\ \textbf{\textcolor{red}{面積が$\bm{\theta}$のときの$\bm{x}$座標を$\bm{\tan\theta}$}}と定義できる. \\[.2zh] 例えば,\ 面積$\bunsuu{\pi}{4}$のとき$\tan\theta=x=1$,\ \ 面積$\bunsuu{\pi}{2}$のとき$\tan\theta=x=\infty$である.