平均値の定理の極限への応用(解けない漸化式xn+1=f(xn)で定められた数列xnの極限)

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ハイレベルなので上級者用です。

解けない漸化式\ x_{n+1}=f(x_n)\ で定められた数列x_nの極限lim[n→∞]x_nの求め方$   ${x=f(x)\ の解を求める(求めることができない場合は\ {α\ とおく).$   ${平均値の定理を用いて\ {x_{n+1}-α} rx_n-α}(00\ より,\ g(x)は単調に増加}する.$ g(x)=0はただ1つの解をもつ.$ $ {x=f(x)はただ1つの解をもつ.}$} x=f(x)が解をもつx-f(x)=0が解をもつg(x)=x-f(x)がx軸と交点をもつ 単調増加であることと極限から,\ x軸とただ1つの交点をもつことがわかる.     $平均値の定理より,\ {f(x)-f(y)}{x-y}=f'(c)\ を満たすcがxとyの間に存在する}.$ 平均値の定理を利用するときは{場合分け}を要する. 平均値の定理は\ f(x)-f(y)=f'(c)(x-y)\ に変形できるから,\ これの絶対値をとる. さらに,\ {f'(c)}の最大値を求める}と不等式が作成できる. a₀=aになるまで{不等式をn回繰り返して適用}した後,\ はさみうちの原理を適用する. 漸化式を用いると,\ a₀=a,\ a₁=f(a₀),\ a₂=f(a₁),のように順に値が定まっていく. これを図形的に見たのが上図である.\ まず,\ x軸上に任意の点(a,\ 0)をとる. a₁=f(a₀)=cos a₀=cos a\ より,\ x=aにおけるy座標がa₁である. 点(a,\ a₁)からx軸の正方向に移動していったとき,\ y=xとの交点が(a₁,\ a₁)となる. このようにして,\ y座標a₁をx座標a₁に移し変えることができる. a₂=f(a₁)=cos a₁より,\ x=a₁におけるy座標がa₂である. 点(a₁,\ a₂)からx軸の負方向に移動していったとき,\ y=xとの交点が(a₂,\ a₂)となる. 以上を繰り返していくと,\ 渦を巻くように点(α,\ α)に収束していくことがわかる. 最初の点(a,\ 0)をx軸上のどこにとっても点(α,\ α)に収束することを確認してほしい. {収束条件はr=f'(x)}<1},\ つまり\ 傾き}<1\ である.  本問を逆にとらえると,\ {近似値を求めるアルゴリズム(逐次代入法)}を示している. つまり,\ x=12cos x\ の解の近似値を求めたい場合,\ 漸化式\ a_{n+1}=12cos a_n\ を作成する. そして,\ a₀(任意の値)から順に代入していけば,\ α\ にどんどん近づいていくというわけである. $関数f(x)を\ f(x)=12x{1+e^{-2(x-1)\ とする.$  $x>12\ ならば\ 0 f'(x)<12\ であることを示せ.$  $x₀を正の数とするとき,\ 数列x_n}\ (n=0,\ 1,\ )\ をx_{n+1}=f(x_n)によって$    $定める.\ x₀>12\ であれば,\ lim[n→∞]x_n=1\ であることを示せ.    [東京大]$ f'(x)のグラフの最小が0以上,\ 最大が12未満であることを示せばよい. 後で\ f'(c)}<12\ として用いるための誘導である. }]$  $f'(x)0\ より,\ f(x)はx>12\ で単調に増加}する.$    $\ また,\ f(12)={1+e}{4}>12}\ より,\ x>12のとき\ f(x)>12}\ である.$    $x_n>12}\ であることを数学的帰納法を用いて示す.$     $,\ より,\ 0以上のすべての整数nについて\ x_n>12}\ が成立する.$     $平均値の定理より {f(x_n)-f}{x_n-1}=f'(c)\ を満たすcがx_nと1の間に存在する.}$     $ここで lim[n→∞](12)^nx₀-1}=0$     $はさみうちの原理より lim[n→∞]x_n-1}=0$ lim[n→∞]x_n-1}=0\ を目指せばよいとわかる. 基本的な流れは前問と同様だが,\ {定義域\ x>12が存在する}点が異なる. この場合,\ {x_n>12を示してはじめて,\ を利用して\ f'(c)}<12\ とすることができる}. このことを数学的帰納法を用いて記述すればよい. 後は場合分けをして考える.\ x_n1のときは前問と同様である. x_n=1のときは,\ f=1より,\ x₁=f(x₀)=f=1,\ x₂=f(x₁)=f=1,である.