格子エネルギーとボルン・ハーバーサイクル

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Naの昇華熱が92だったり93だったりしてますが気にしないでくださいm(_ _)m

lattice-energy
NaCl}(固)の生成熱を411kJ/mol,\ {Na}(固)の昇華熱を92kJ/mol,\ {Na}(気)のイオン化 エネルギーを496kJ/mol,\ {Cl₂}(気)の解離エネルギーを244kJ/mol,\ {Cl}(気)の電子親 和力を349kJ/molとするとき,\ {NaCl}(固)の格子エネルギーを求めよ. 格子エネルギーとボルン・ハーバーサイクル格子エネルギー  イオン結晶1molを気体状態のイオンにするのに必要なエネルギー.           常に吸熱であるから,\ 符号を付けずに表す.} {NaCl}(固)の生成熱 Na}(固)+12{Cl₂}(気)={NaCl}(固)+411$kJ {Na}(固)の昇華熱 Na}(固)={Na}(気)-92$kJ {Na}(気)のイオン化エネルギーNa}(気)={Na+}(気)+{e-}-496$ {Cl₂}(気)の解離エネルギーCl₂}(気)={2Cl}(気)-244$kJ {Cl}(気)の電子親和力Cl}(気)+{e-}={Cl-}(気)+349$kJ {(7.8,2.5)}[w]{生成熱(411kJ)} {(12.2,15)}[e]{電子親和力(349kJ)} {(7.8,10)}[w]{解離エネルギー(122kJ)} {(7.8,7)}[w]{昇華熱(93kJ)} {(7.8,13.5)}[w]{イオン化エネルギー(496kJ)} {(12.2,6.5)}[e]{格子エネルギー($Q$kJ)} イオン結晶を気体状態のイオンにして直接格子エネルギーを測定することは困難である. そこで,\ 関連する他の反応熱を測定してヘスの法則を利用して格子エネルギーを求ることになる. このときの循環過程を{ボルン・ハーバーサイクル}という. 過程は複雑だが,\ 全ての反応熱を熱化学方程式で表してしまえば他の問題と同様の計算になる. {固(エネルギー低)→気(高)の昇華は吸熱反応}なので,\ 昇華熱の熱化学方程式の符号は-である. イオン化エネルギー:{原子から電子1個を取り去り1価の陽イオンにするのに必}要}なエネルギー}. 電子親和力:{原子が電子1個を受け取って1価の陰イオンになるときに放}出}されるエネルギー}. よって,\ {陽イオン化は吸熱反応}で符号は-,\ {陰イオン化は発熱反応}で符号は+である. 格子エネルギーも結合エネルギーと同様に符号を付けずに表されているが{吸熱反応}である. よって,\ 格子エネルギーをQとすると,\ 符号は-になる. ~を組み合わせて⑥を作成する.\ ここでは一旦反応熱を除いて考える. ところが,\ ,\ には{Na}(固),\ {Cl₂}(気),\ {Na}(気),\ {Cl}(気)も1つしかなく,\ うまく消去されない. そこで,\ ,\ を利用して消去することになる.\ とりあえず一旦\ +-\ を実行する. {Na}(気)+{Cl}(気)-{Na}(固)-12{Cl₂}(気)={Na+}(気)+{Cl-}(気)-{NaCl}(固) -の項を移項すると {NaCl}(固)+{Na}(気)+{Cl}(気)={Na+}(気)+{Cl-}(気)+{Na}(固)+12{Cl₂}(気) 余計な項を消去する. +により   {NaCl}(固)+{Cl}(気)={Na+}(気)+{Cl-}(気)+12{Cl₂}(気) +12により {NaCl}(固)={Na+}(気)+{Cl-}(気) \ 式だけで考えると上のようになるが,\ エネルギー図も理解しておきたい. 一番下の{NaCl}(固)から時計回りに1周するとする. {Na}(固)と{Cl₂}(気)への過程は生成熱の逆である(+411kJ}). 次に{Na}(固)が昇華して{Na}(気)に(+93kJ}),\ さらに{Cl₂}が解離して{Cl}になる(+24412kJ}). そして{Na}(気)が{e-}を放出して{Na+}(気)になると最も高いエネルギー状態になる(+496kJ}). {Na}から放出された{e-}を{Cl}(気)が受け取って{Cl-}(気)になったときが目的の状態である(-349kJ}). エネルギー図より,\ {411+93+122+496=Q+349}\ で格子エネルギーが求まることがわかる.