1文字固定法(予選決勝法)

大まかには,\ 以下の2段階を踏む解法である. \\[.2zh]  難易度が高くなりがちだが,\ 適用範囲は極めて広い. \\[.2zh]  よって,\ \textbf{\textcolor{magenta}{多変数関数の最大・最小問題の最終手段的な位置づけ}}となる. \\  $[1]$\ \ \textbf{\textcolor{red}{一旦他の文字を固定し,\ 1変数関数として最大・最小を考える}(\textcolor{blue}{予選}).} \\   \ \ これで,\ \textbf{\textcolor[named]{ForestGreen}{実質的に文字が1つ消去される.}} \\[.5zh]  $[2]$\ \ さらに,\ \textbf{\textcolor{red}{残った文字を変化させて,\ その最大・最小を考える}(\textcolor{blue}{決勝}).} \\\\  \textbf{どの文字を固定してどの文字を変化させるかで,\ その後の難易度が変化する.} \\[.2zh]  \textbf{\textcolor{red}{「高次の文字」や「登場回数が多い文字」を固定}}すると後が楽になりやすい. \\\\\\  (1)\ \ $\textcolor{red}{xを定数として考える}と xy+x-2y+1=\textcolor{red}{(x-2)y+x+1}$ \\[.2zh] なので,\ \textcolor{red}{傾きが正の直線}である.$ \textcolor[named]{ForestGreen}{y=0} & のとき \ 最大値\ \textcolor{red}{x+1} \\[.2zh] \textcolor[named]{ForestGreen}{y=-\,2} & のとき \ 最小値\ \textcolor{red}{-x+5} \end{cases}$  {\small $[\textcolor{brown}{\,x固定でyを変化させる予選\,}]$} \\\\[.5zh] \phantom{ (1)}\ $[1]\ \ \textcolor[named]{ForestGreen}{y=0}\ のとき \textcolor{red}{x+1}\ について$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ $\phantom{[1]}\ \  3\leqq x\leqq4\ より \textcolor{cyan}{x=4}\ のとき 最大値\ \textcolor{red}{5}$ {\small $[\textcolor{brown}{\,xを変化させる決勝\,}]$} \\[1zh] \phantom{ (1)}\ $[2]\ \ \textcolor[named]{ForestGreen}{y=-\,2}\ のとき \textcolor{red}{-\,x+5}\ について$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ $\phantom{[1]}\ \  3\leqq x\leqq4\ より \textcolor{cyan}{x=4}\ のとき 最小値\ \textcolor{red}{1}$ \,{\small $[\textcolor{brown}{\,xを変化させる決勝\,}]$} \\\\ yを固定する方針でいこうとすると,\ 変数xの式とみなすことになるので,\ (y+1)x-2y+1\ となる. \\[.2zh] ここで,\ -2\leqq y\leqq0\ より,\ 傾きy+1は,\ -\,1\leqq y+1\leqq1\ である. \\[.2zh] この場合,\ 傾きが正か0か負かで,\ (y+1)x-2y+1が最大・最小をとるときが変わってしまう. \\[.2zh] さらなる場合分けが必要になり面倒なので,\ \bm{常に傾きが正となるxを固定した}わけである. \\[.2zh] すると,\ 単なる1次関数(直線)の最大・最小問題になる. \\[1zh] xのままだとわかり辛いという人は,\ x=k\ (定数)のように一旦置換するとよい. \\[.2zh] (k+1)x-2k+1の最大・最小を求めることになる. \\[1zh] \bm{yを変化させたときの最大・最小がそれぞれxの式として求まるので,\ 次にxを変化させる.} \\[.2zh] すると,\ \bm{xy+x-2y+1\,の最大・最小が求まる.} \\[.2zh] 全体として「最大の最大」と「最小の最小」を求めたことになる.  \betu\ \ $xの関数とみると,\ 直線なので,\ x=3,\ 4\ の一方で最大・最小をとる.$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $yの関数とみると,\ 直線なので,\ y=-\,2,\ 0\ の一方で最大・最小をとる.$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $以上から,\ 最大・最小をとりうるのは,\ 次の4つの場合に限られる.$ \ 本問は,\ \bm{2変数x,\ yが互いに独立}であることを利用した別解も作成できる. \\[.2zh] x,\ yは,\ それぞれ自由に\ 3\leqq x\leqq4,\ -\,2\leqq y\leqq0\ を動く. \\[.2zh] \bm{領域を図示したときに長方形になる}と考えてもよい. \\[.2zh] この場合,\ \bm{xとyに関する最大・最小をそれぞれ別々に考える}ことができる. \\[.2zh] そして,\ xy+x-2y+1は,\ \bm{xについてもyについても1次関数(直線)}である. \\[.2zh] よって,\ 最大・最小になりうるのはそれぞれの区間の端に限られる. \\[.2zh] つまり,\ xの関数とみると,\ 区間の端x=3,\ 4のいずれかで最大・最小をとる. \\[.2zh] 同様に,\ yの関数とみると,\ 区間の端y=-\,2,\ 0のいずれかで最大・最小をとる. \\[.2zh] 結局,\ それらの\bm{4通りの組合せを全て調べる}ことで全体の最大・最小がわかる. yを定数とみなしてxを変化させると,\ xが最大のときx^2-y^2\ が最大となる.}$\ {\small $[\textcolor{brown}{\,予選\,}]$} \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \ \textcolor{cyan}{x=-\bunsuu13y+4}\ のとき$ {\small $\left[\textcolor{brown}{\,最大は常に-\bunsuu13y+4なので場合分けの必要なし\,}\right]$} \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  最大値\ x^2-y^2=\left(\textcolor{cyan}{-\bunsuu13y+4}\right)^2-y^2=-\bunsuu89y^2-\bunsuu83y+16$ \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \     \ \phantom{x^2-y^2}=\textcolor{red}{-\bunsuu89\left(y+\bunsuu32\right)^2+18}$ \\\\ \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \ さらに,\ yを変化させてこれの最大を考える.$ {\small $[\textcolor{brown}{\,yを変化させる決勝\,}]$} \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  軸y=-\bunsuu32,\ \textcolor{red}{0\leqq y\leqq3}\ より y=0\ のとき 最大値\ \textcolor{red}{16}$ {\small $[\textcolor{brown}{\,優勝\,}]$} \\\\[1zh] yを定数とみなすと,\ xが最小のときx^2-y^2\ が最小となる.}$  {\small $[\textcolor{brown}{\,予選\,}]$} \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \ \maru1\ \ \textcolor{red}{0\leqq y\leqq2}\ のとき,\ \textcolor[named]{ForestGreen}{x=-\,2y+4}\ で最小となる.$ \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ \ 最小値\ x^2-y^2=(\textcolor[named]{ForestGreen}{-\,2y+4})^2-y^2=3y^2-16y+16=\textcolor{red}{3\left(y-\bunsuu83\right)^2-\bunsuu{16}{3}}$ \\[1zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ yを変化させてこれの最小を考える.$  {\small $[\,\textcolor{brown}{yを変化させる準決勝}\,]$} \\[.2zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ 軸y=\bunsuu83,\ \textcolor{red}{0\leqq y\leqq2}\ より y=2\ のとき 最小値\ \textcolor{red}{-\,4}$  {\small $[\textcolor{brown}{\,準優勝\,}]$} \\\\[1zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \ \maru2\ \ \textcolor{red}{2\leqq y\leqq3}\ のとき,\ \textcolor{magenta}{x=3y-6}\ で最小となる.$ \\[.5zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ \ 最小値\ x^2-y^2=(\textcolor{magenta}{3y-6})^2-y^2=8y^2-36y+36=\textcolor{red}{8\left(y-\bunsuu94\right)^2-\bunsuu{9}{2}}$ \\[1zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ \ yを変化させてこれの最小を考える.$  {\small $[\,\textcolor{brown}{yを変化させる準決勝}\,]$} \\[.2zh] \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ \ 軸y=\bunsuu94,\ \textcolor{red}{2\leqq y\leqq3}\ より y=\bunsuu94\ のとき 最小値\ \textcolor{red}{-\bunsuu92}$  {\small $[\textcolor{brown}{\,準優勝\,}]$} \\\\ \phantom{ }\ \ $\phantom{[1]}\ \  \ \therefore \maru1,\ \maru2\ より y=\bunsuu94\ のとき \ 最小値\ \textcolor{red}{-\bunsuu92}$ {\normalsize $\left[\textcolor{brown}{\,優勝\,}\right]$} \\\\\\ まず,\ 先にどちらの文字を固定して考えるかの選択が必要になる. \\[.2zh] x^2-y^2\ の大小は,\ 係数が負のyを固定した方が考えやすい. \\[.2zh] xを固定すると,\ yが最大のときx^2-y^2\,が最小になるのでややこしい. \\[1zh] さて,\ yを固定してxのとりうる値の範囲を考える. \\[.2zh] \bm{連立不等式の条件は領域を図示して考える}のが基本である. \\[.2zh] yを固定するということは,\ 図ではx軸に平行な直線を考えることである. \\[.2zh] 図より,\ \bm{0\leqq y\leqq3の範囲でのxの最大は常に\ x=-\bunsuu13y+4}\ なので場合分けは必要ない(予選). \\[.6zh] 後はyを変化させる決勝戦を行うと,\ x^2-y^2\,の最大値が16であることがわかる. \\[1zh] 一方,\ \bm{yを固定したときのxの最小はy=2を境に変わるので場合分けが必要}である. \\[.2zh] 0\leqq y\leqq2\ と\ 2\leqq y\leqq3\ のときでそれぞれ最小値を求めることになる. \\[.2zh] 最大の場合と同様にその後yを変化させるが,\ \bm{場合分けしたのであくまで準決勝}である. \\[.2zh] \bm{準決勝の結果をさらに比較(決勝)して,\ 最終的な答えとする.  (3)\ $x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $ =x^2-(y+z)x+y^2-yz+z^2$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $ =\textcolor{red}{\left(x-\bunsuu{y+z}{2}\right)^2+\bunsuu34y^2-3yz+\bunsuu34z^2}$  {\small $[\textcolor{brown}{\,xで整理して平方完成\,}]$} \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $1\leqq y\leqq2,\ 2\leqq z\leqq3\ より 軸について \bunsuu32\leqq\bunsuu{y+z}{2}\leqq\bunsuu52$ \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ $よって,\ \textcolor{red}{0\leqq x\leqq1}\ における最大値と最小値は$  {\small $[\textcolor{brown}{\,xを変化させる予選\,}]$} \\[.5zh] \centerline{$\begin{cases} \textcolor{red}{x=0}\ で 最大値\ \textcolor{cyan}{y^2-yz+z^2} \\[.2zh] \textcolor{red}{x=1}\ で 最小値\ \textcolor{cyan}{y^2-yz+z^2-y-z+1} \end{cases}$} \\\\\\[.5zh] \phantom{ }\ \ $[1]\ \ \textcolor{red}{x=0}\ のとき 最大値\ y^2-yz+z^2\ について$ \\[.2zh] \centerline{$y^2-yz+z^2=z^2-yz+y^2=\textcolor{cyan}{\left(z-\bunsuu y2\right)^2+\bunsuu34y^2} \cdots\cdots\,\maru1$} \\[1zh] \phantom{ (1)}\ \ $ここで 1\leqq y\leqq2\ より 軸について \bunsuu12\leqq \bunsuu y2\leqq1$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $よって,\ \textcolor{red}{2\leqq z\leqq3}\ における\maru1の最大値は \textcolor{red}{z=3}\ のとき$  {\small $[\textcolor{brown}{\,zを変化させる準決勝\,}]$} \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \ $最大値\ y^2-3y+9=\textcolor[named]{ForestGreen}{\left(y-\bunsuu32\right)^2+\bunsuu{27}{4}} \cdots\cdots\,\maru2$ \\[1.5zh] \phantom{ (1)}\ \ $さらに,\ \textcolor{red}{1\leqq y\leqq2}\ における\maru2の最大値は$  {\small $[\textcolor{brown}{\,yを変化させる決勝\,}]$} \\[.5zh] \centerline{$\textcolor{red}{y=1,\ 2}\ のとき \ 最大値\ \textcolor{magenta}{7}$} \\\\\\ \phantom{ }\ \ [2]\ \ $\textcolor{red}{x=1}\ のとき 最小値\ y^2-yz+z^2-y-z+1\ について$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ \   $y^2-yz+z^2-y-z+1=y^2-(z+1)y+z^2-z+1$ \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ \   $\phantom{y^2-yz+z^2-y-z+1}=\textcolor{cyan}{\left(y-\bunsuu{z+1}{2}\right)^2+\bunsuu34z^2-\bunsuu32z+\bunsuu34} \cdots\cdots\,\maru3$ \\[1zh] \phantom{ (1)}\ $ここで 2\leqq z\leqq3\ より 軸について \bunsuu32\leqq\bunsuu{z+1}{2}\leqq2$ \\[.5zh] \phantom{ (1)}\ $よって,\ \textcolor{red}{1\leqq y\leqq2}\ における\maru3の最小値は \textcolor{red}{y=\bunsuu{z+1}{2}}\ のとき$ {\small $[\textcolor{brown}{\,yを変化させる準決勝\,}]$} \\[.2zh] \phantom{ (1)}\ $最小値\ \bunsuu34z^2-\bunsuu32z+\bunsuu34=\textcolor[named]{ForestGreen}{\bunsuu34(z-1)^2} \cdots\cdots\,\maru4$ \\[1.5zh] \phantom{ (1)}\ $さらに,\ \textcolor{red}{2\leqq z\leqq3}\ における\maru4の最小値は$  {\small $[\textcolor{brown}{\,zを変化させる決勝\,}]$} \\[.5zh] \centerline{$\textcolor{red}{z=2}\ のとき 最小値\ \textcolor{magenta}{\bunsuu34}$} \\\\\\ 式の3文字は完全に対等だが,\ 各文字の範囲は同じではない. \\[.2zh] 範囲がどのように影響するかを考え,\ どの文字を固定すると楽になるかを見通すことは難しい. \\[.2zh] 素直に\bm{yとzを定数とみて,\ xの1変数関数とみなす}ことにする. \\[.2zh] xについては2次式であるから,\ \bm{平方完成して最大・最小を求める(予選).} \\[.2zh] このとき,\ \bm{軸\ \bunsuu{y+z}{2}\ のとりうる値の範囲を確認する}必要がある. \\[.6zh] \bunsuu32\leqq 軸\leqq\bunsuu52\,より,\ 軸はこの範囲内のどこかにある. \\[.8zh] 軸がこの範囲内のどこにあったとしても,\ x=0のとき最大,\ x=1のとき最小をとることがわかる. \\\\ 次に,\ 同様にして\bm{最大の最大を求める(準決勝).} \\[.2zh] yの関数とみると,\ y^2-yz+z^2=\left(y-\bunsuu z2\right)^2+\bunsuu34z^2\,の軸について\ 1\leqq \bunsuu z2\leqq\bunsuu32\ である. \\[.8zh] よって,\ yを\ 1\leqq y\leqq2\ で変化させたときの最大は このように,\ yの関数とみると軸\,\bunsuu z2\,がどこにあるかで微妙な場合分けが必要になる. \\[.8zh] これを見越し,\ 解答ではyを固定してzの関数とみる方針をとったわけである. \\[.2zh] \bm{最大の最大がyの関数として得られる}ことになる. \\[.2zh] 最後に,\ \bm{さらにyを変化させて最大の最大の最大を平方完成して求めればよい(決勝).} \\[1zh] 最小の最小の最小も同様の方法で求まる. \\[.2zh] この場合は,\ 普通にyの関数とみて準決勝を行い,\ 最後にzの関数とみて決勝を行えばよい.
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