(3)の最初の平方完成で3yzとなっていますが、3/2yzの誤りですm(_ _)m
大まかには,\ 以下の2段階を踏む解法である.
難易度が高くなりがちだが,\ 適用範囲は極めて広い.
よって,\ 多変数関数の最大・最小問題の最終手段的な位置づけとなる. \\
$[1]$\ \ 一旦他の文字を固定し,\ 1変数関数として最大・最小を考える}(予選}).} \\
\ \ これで,\ 実質的に文字が1つ消去される.
$[2]$\ \ さらに,\ 残った文字を変化させて,\ その最大・最小を考える}(決勝}).}
どの文字を固定してどの文字を変化させるかで,\ その後の難易度が変化する.}
「高次の文字」や「登場回数が多い文字」を固定すると後が楽になりやすい.
(1)\ \ $xを定数として考える}と xy+x-2y+1=(x-2)y+x+1}$
なので,\ 傾きが正の直線}である.$
y=0} & のとき \ 最大値\ x+1}
y=-\,2} & のとき \ 最小値\ -x+5}
$ $[\,x固定でyを変化させる予選\,}]$} \\
\ $[1]\ \ y=0}\ のとき x+1}\ について$
\ $\ \ 3≦ x≦4\ より x=4}\ のとき 最大値\ 5}$ $[\,xを変化させる決勝\,}]$}
\ $[2]\ \ y=-\,2}\ のとき -\,x+5}\ について$
\ $\ \ 3≦ x≦4\ より x=4}\ のとき 最小値\ 1}$ \,$[\,xを変化させる決勝\,}]$}
yを固定する方針でいこうとすると,\ 変数xの式とみなすことになるので,\ (y+1)x-2y+1\ となる.
ここで,\ -2≦ y≦0\ より,\ 傾きy+1は,\ -\,1≦ y+1≦1\ である.
この場合,\ 傾きが正か0か負かで,\ (y+1)x-2y+1が最大・最小をとるときが変わってしまう.
さらなる場合分けが必要になり面倒なので,\ 常に傾きが正となるxを固定した}わけである.
すると,\ 単なる1次関数(直線)の最大・最小問題になる.
xのままだとわかり辛いという人は,\ x=k\ (定数)のように一旦置換するとよい.
(k+1)x-2k+1の最大・最小を求めることになる.
yを変化させたときの最大・最小がそれぞれxの式として求まるので,\ 次にxを変化させる.}
すると,\ xy+x-2y+1\,の最大・最小が求まる.}
全体として「最大の最大」と「最小の最小」を求めたことになる.
$xの関数とみると,\ 直線なので,\ x=3,\ 4\ の一方で最大・最小をとる.$
$yの関数とみると,\ 直線なので,\ y=-\,2,\ 0\ の一方で最大・最小をとる.$
$以上から,\ 最大・最小をとりうるのは,\ 次の4つの場合に限られる.$ \
本問は,\ 2変数x,\ yが互いに独立}であることを利用した別解も作成できる.
x,\ yは,\ それぞれ自由に\ 3≦ x≦4,\ -\,2≦ y≦0\ を動く.
領域を図示したときに長方形になる}と考えてもよい.
この場合,\ xとyに関する最大・最小をそれぞれ別々に考える}ことができる.
そして,\ xy+x-2y+1は,\ xについてもyについても1次関数(直線)}である.
よって,\ 最大・最小になりうるのはそれぞれの区間の端に限られる.
つまり,\ xの関数とみると,\ 区間の端x=3,\ 4のいずれかで最大・最小をとる.
同様に,\ yの関数とみると,\ 区間の端y=-\,2,\ 0のいずれかで最大・最小をとる.
結局,\ それらの4通りの組合せを全て調べる}ことで全体の最大・最小がわかる.
yを定数とみなしてxを変化させると,\ xが最大のときx^2-y^2\ が最大となる.}$\ $[\,予選\,}]$}
}\ \ $\ \ x=-13y+4}\ のとき$ $\left[\,最大は常に-13y+4なので場合分けの必要なし\,}\right]$}
}\ \ $\ \ 最大値\ x^2-y^2=-13y+4}^2-y^2=-89y^2-83y+16$
}\ \ $\ \ \ x^2-y^2}=-89y+32^2+18}$
}\ \ $\ \ さらに,\ yを変化させてこれの最大を考える.$ $[\,yを変化させる決勝\,}]$}
}\ \ $\ \ 軸y=-32,\ 0≦ y≦3}\ より y=0\ のとき 最大値\ 16}$ $[\,優勝\,}]$} \\
yを定数とみなすと,\ xが最小のときx^2-y^2\ が最小となる.}$ $[\,予選\,}]$}
}\ \ $\ \ ①\ \ 0≦ y≦2}\ のとき,\ x=-\,2y+4}\ で最小となる.$
}\ \ $\ \ \ \ 最小値\ x^2-y^2=(-\,2y+4})^2-y^2=3y^2-16y+16=3y-83^2-16}{3$
}\ \ $\ \ \ yを変化させてこれの最小を考える.$ $[\,yを変化させる準決勝}\,]$}
}\ \ $\ \ \ 軸y=83,\ 0≦ y≦2}\ より y=2\ のとき 最小値\ -\,4}$ $[\,準優勝\,}]$} \\
}\ \ $\ \ ②\ \ 2≦ y≦3}\ のとき,\ x=3y-6}\ で最小となる.$
}\ \ $\ \ \ \ 最小値\ x^2-y^2=(3y-6})^2-y^2=8y^2-36y+36=8y-94^2-9}{2$
}\ \ $\ \ \ \ yを変化させてこれの最小を考える.$ $[\,yを変化させる準決勝}\,]$}
}\ \ $\ \ \ \ 軸y=94,\ 2≦ y≦3}\ より y=94\ のとき 最小値\ -92}$ $[\,準優勝\,}]$}
}\ \ $\ \ \ ∴ ①,\ ②\ より y=94\ のとき \ 最小値\ -92}$ {\normalsize $\left[\,優勝\,}\right]$}
まず,\ 先にどちらの文字を固定して考えるかの選択が必要になる.
x^2-y^2\ の大小は,\ 係数が負のyを固定した方が考えやすい.
xを固定すると,\ yが最大のときx^2-y^2\,が最小になるのでややこしい.
さて,\ yを固定してxのとりうる値の範囲を考える.
連立不等式の条件は領域を図示して考える}のが基本である.
yを固定するということは,\ 図ではx軸に平行な直線を考えることである.
図より,\ 0≦ y≦3の範囲でのxの最大は常に\ x=-13y+4}\ なので場合分けは必要ない(予選).
後はyを変化させる決勝戦を行うと,\ x^2-y^2\,の最大値が16であることがわかる.
一方,\ yを固定したときのxの最小はy=2を境に変わるので場合分けが必要}である.
0≦ y≦2\ と\ 2≦ y≦3\ のときでそれぞれ最小値を求めることになる.
最大の場合と同様にその後yを変化させるが,\ 場合分けしたのであくまで準決勝}である.
準決勝の結果をさらに比較(決勝)して,\ 最終的な答えとする.
(3)\ $x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx$
$ =x^2-(y+z)x+y^2-yz+z^2$
$ =x-y+z}{2}^2+34y^2-3yz+34z^2}$ $[\,xで整理して平方完成\,}]$}
$1≦ y≦2,\ 2≦ z≦3\ より 軸について 32≦y+z}{2}≦52$
$よって,\ 0≦ x≦1}\ における最大値と最小値は$ $[\,xを変化させる予選\,}]$}
$
x=0}\ で 最大値\ y^2-yz+z^2}
x=1}\ で 最小値\ y^2-yz+z^2-y-z+1}
$}
}\ \ $[1]\ \ x=0}\ のとき 最大値\ y^2-yz+z^2\ について$
$y^2-yz+z^2=z^2-yz+y^2=z- y2^2+34y^2} ・・・・・・\,①$}
$ここで 1≦ y≦2\ より 軸について 12≦ y2≦1$
$よって,\ 2≦ z≦3}\ における①の最大値は z=3}\ のとき$ $[\,zを変化させる準決勝\,}]$}
$最大値\ y^2-3y+9=y-32^2+27}{4 ・・・・・・\,②$
$さらに,\ 1≦ y≦2}\ における②の最大値は$ $[\,yを変化させる決勝\,}]$}
$y=1,\ 2}\ のとき \ 最大値\ 7}$}
}\ \ [2]\ \ $x=1}\ のとき 最小値\ y^2-yz+z^2-y-z+1\ について$
$y^2-yz+z^2-y-z+1=y^2-(z+1)y+z^2-z+1$
$y^2-yz+z^2-y-z+1}=y-z+1}{2}^2+34z^2-32z+34} ・・・・・・\,③$
\ $ここで 2≦ z≦3\ より 軸について 32≦z+1}{2}≦2$
\ $よって,\ 1≦ y≦2}\ における③の最小値は y=z+1}{2\ のとき$ $[\,yを変化させる準決勝\,}]$}
\ $最小値\ 34z^2-32z+34=34(z-1)^2} ・・・・・・\,④$
\ $さらに,\ 2≦ z≦3}\ における④の最小値は$ $[\,zを変化させる決勝\,}]$}
$z=2}\ のとき 最小値\ 34}$}
式の3文字は完全に対等だが,\ 各文字の範囲は同じではない.
範囲がどのように影響するかを考え,\ どの文字を固定すると楽になるかを見通すことは難しい.
素直にyとzを定数とみて,\ xの1変数関数とみなす}ことにする.
xについては2次式であるから,\ 平方完成して最大・最小を求める(予選).}
このとき,\ 軸\ y+z}{2}\ のとりうる値の範囲を確認する}必要がある.
32≦ 軸≦52\,より,\ 軸はこの範囲内のどこかにある.
軸がこの範囲内のどこにあったとしても,\ x=0のとき最大,\ x=1のとき最小をとることがわかる.
次に,\ 同様にして最大の最大を求める(準決勝).}
yの関数とみると,\ y^2-yz+z^2=y- z2^2+34z^2\,の軸について\ 1≦ z2≦32\ である.
よって,\ yを\ 1≦ y≦2\ で変化させたときの最大は
このように,\ yの関数とみると軸\, z2\,がどこにあるかで微妙な場合分けが必要になる.
これを見越し,\ 解答ではyを固定してzの関数とみる方針をとったわけである.
最大の最大がyの関数として得られる}ことになる.
最後に,\ さらにyを変化させて最大の最大の最大を平方完成して求めればよい(決勝).}
最小の最小の最小も同様の方法で求まる.
この場合は,\ 普通にyの関数とみて準決勝を行い,\ 最後にzの関数とみて決勝を行えばよい.