関数方程式とは,\ 文字通り関数についての方程式(関係式)である. 次の型が頻出である.\ 結果を覚えておくと問題の見通しが良くなる. f(x+y)=f(x)+f(y)} & → f(x)=ax} f(x+y)=f(x)+f(y)+2xy} & → f(x)=x²+ax} f(xy)=f(x)+f(y)} & → f(x)=alog x} f(x+y)=f(x)f(y)} & → f(x)=e^{ax 関数方程式は,\ 連続や微分可能の条件を付加することで,\ 上のように一意に定まる. 基本解法はほぼ1パターンであり,\ 次の3段階を踏むのが普通である. ${変数に具体的な値を代入し,\ {特殊なxについての値を求める.$ ${導関数の定義を用いて{f'(x)を求める.$ [3]${f'(x)を積分して{f(x)を求める.$ $関数f(x)は,\ すべての実数x,\ yに対して\ f(x+y)=f(x)+f(y)\ を満たす.$ $f(0)を求めよ.$ $f(-x)=-f(x)\ であることを示せ.$ [.75zh] % $f(1x)={f}{x}\ (x0)\ であることを示せ. $f(x)がx=0で微分可能ならば,\ すべての実数xに対しても微分可能である$ $ことを示せ.$ [.75zh] $f(x)がx=0で微分可能でf'(0)=a\ (a:定数)であるとき,\ f(x)を求めよ.$ $f(x)がx=0で微分可能であるとき,\ lim[h→0]{f(0+h)-f(0)}{h}=f'(0)\ が存在する}.$ $ {f(x)はすべての実数xで微分可能である.}$} {x,\ yに何を代入するとf(0)が求まるか}を考える.\ 単純に両方を0とすればよい. {yに何を代入するかとの利用}がポイントである.\ f(-x)があるから,\ y=-x\ としてみる. なお,\ f(-x)=-f(x)\ は,\ {f(x)が奇関数}であることを意味している. {導関数f'(x)=lim[h→0]{f(x+h)-f(x)}{h}\ が存在する(収束する)}ことが微分可能の条件である. まず,\ 前提の「x=0で微分可能」は{f'(0)が存在する}ことを意味する. {微分係数の定義\ lim[h→0]{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(a)}\ により,\ 解答のように表現できる. 後は,\ f'(x)を計算する.\ このとき,\ {f(x+y)=f(x)+f(y)\ を利用する}. 本問では,\ {y=h}\ とみなして適用する.\ さらに,\ f(h)}{h}\ を微分係数の定義の形とみなす}. 慣れるまでは難しいが,\ ここをクリアできるかが関数方程式では重要である. f'(x)が求まれば,\ 後はそれを積分してf(x)を求めればよい.\ {初期条件f(0)の考慮}も要する. $関数f(x)は,\ すべての実数x,\ yに対してf(x+y)=f(x)+f(y)+2xy\ を満たす.$ $f'(0)=a\ (a:定数)であるとき,\ f(x)を求めよ.$ 誘導がなくてもx,\ yに具体的な値を代入して様子を探る. 問題によっては,\ x=0,\ y=1\ や\ x=-1,\ y=1\ を代入する必要があるかもしれない. さらに,\ 誘導がなくてもf'(x)を求めてf(x)を求める.\ すべて前問と同じ流れである. $関数f(x)は,\ すべての実数x,\ yに対してf(x+y)=f(x)f(y)\ を満たす.$ $f(x)>0\ であるとき,\ f(0)を求めよ.$ [.75zh] $f(-x)={1}{f(x)}\ が成り立つことを示せ.$ [.75zh] $f'(0)=a\ (a:定数)であるとき,\ f'(x)=af(x)\ が成り立つことを示せ.$ [.75zh] $g(x)=e^{-ax}f(x)\ とするとき,\ g'(x)を求めよ.$ [.75zh] $x=y=0}\ とすると f(0)=f(0)f(0)$ $g'(x)=0 より g(x)=k}\ (k:定数)$ f(x)>0ならばf(0)>0であるから,\ 両辺をf(0)で割ることができる. もしf(0)>0という条件がなければ,\ f(0){f(0)-1}=0\ より\ f(0)=0,\ 1\ となる. {f(0)=1\ を逆に利用}して,\ {f(h)-1}{h}={f(0+h)-f(0)}{h}\ とみなせるかがポイントである. で求まるf'(x)=af(x)のようにf'(x)を含む方程式を{微分方程式}という. 微分方程式の解法は高校では原則として学習しないので,\ のような誘導がつく. g'(x)=0より,\ g(x)が定数関数であることがわかる. g(x)=e^{-ax}f(x)=k\ より,\ f(x)=ke^{ax}\ と求まる. %f'(x)=af(x)は{変数分離型の微分方程式}であり,\ 高校生でも直接解ける. %発展事項として積分後に取り上げている問題集も多くある. %左辺に変数xを分離して両辺をxで積分する. ∫{f'(x)}{f(x)}dx=∫adx %ここで,\ logf(x)}=ax+C より f(x)=(e^{ax}+C) e^{x+y}=e^xe^y\ を考慮すると,\ 指数関数がf(x+y)=f(x)f(y)を満たすのは明らかだろう. $関数f(x)は,\ すべての正の実数x,\ yに対して\ f(xy)=f(x)+f(y)\ を満たす.$ $fを求めよ.$ $f(1x)=-f(x)\ であることを示せ.$ [.75zh] % $f(1x)={f}{x}\ (x0)\ であることを示せ. $f’=a\ (a:定数)であるとき,\ f(x)を求めよ.$ f(x+h)にf(xy)=f(x)+f(y)を適用するため,\ {無理矢理xを分離}する. x+h=x(1+ hx) 括弧内はいじれないので,\ {無理矢理分母を hx\ として調製する}ことで,\ 微分係数の定義式になる. log(xy)=log x+log y\ を考慮すると,\ 対数関数が\ f(xy)=f(x)+f(y)\ を満たすのは明らかだろう.