不等式の証明②:応用(両辺の対数をとる、代入して解を探す)

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f(x)=x^x-(x+1)^{x-1}\ とおくと微分できずに行き詰まる. {底にも指数にも変数を含む場合,\ 両辺の対数をとる.} 底a>1のとき,\ M Nlog_a Mlog_a N\ であることを利用するわけである. f”(x)を計算しやすくするため,\ f'(x)は次のように変形しておく. {x-1}{x+1}={(x+1)-2}{x+1}=1-{2}{x+1} {(分子の次数)(分母の次数)}\ である分数式において{分子の次数下げ}は基本である. また,\ f”(x)が計算しにくくなるので,\ log x-log(x+1)=log{x}{x+1}\ と変形してはならない. 常に{微分しやすい形に変形してから微分する}ことを心掛けよう. 常にf”(x)0\ とf’>0より,\ f'(x)が正の値から単調に減少することがわかる. しかし,\ {単調に減少するからといって安易にf'(x)が正から負に変化すると考えてはいけない.} 実際,\ x→∞\ の極限を調べると0であるから,\ {x軸に漸近していく}とわかる. つまり,\ 常にf'(x)>0がいえるのである. f”(x)まで計算すると正負が判断できる. f'(-2)<0も考慮すると,\ f'(x)が負の値から単調に増加するとわかる. さらに極限も考慮することで,\ f'(x)が負から正に変化することがわかる. {f'(x)が負から正に変化することは,\ そのxにおいてf(x)が極小となる}ことを意味する. 厄介なのは,\ f'(x)=0が解けないので極小をとるxがわからないことである. ここで,\ {試しにx=0を代入}してみるとf'(0)=0}であることがわかる. f'(x)は単調増加するから,\ {f'(x)=0を満たすxはただ1つであり,\ x=0以外に存在しない.} 以上からf(x)の増減表が作成できるわけである. このように,\ {適当に代入して=0となるxを探す問題が存在する}ことを知っておくべきである. その場合のxは0や1などわかりやすいものであったり,\ 式の形から明らかなものである. 例えば,\ 2^x-x²=0\ は対称性からx=2を解にもつことは明らかである.