
組合せレンズ(顕微鏡・凸レンズと凹レンズ)
焦点距離 f₁=2.0 cm の凸レンズL₁と、焦点距離 f₂=5.0 cm の凸レンズL₂を、鉛直な同一直線上に配置して顕微鏡を作る。
下側のL₁を対物レンズ、上側のL₂を接眼レンズとし、光は下方から上方へ進む。
物体ABを対物レンズL₁の下方2.5 cmの位置に置き、接眼レンズL₂の上方から観察する。
物体ABから出た光は、まず対物レンズL₁によって像A’B’を作り、その後、接眼レンズL₂を通る。
(1) 対物レンズL₁による像A’B’は、L₁の上方、下方のどちらの何cmの位置にできるか。
(2) 像A’B’は実像と虚像のどちらか。また、物体ABと比べて向きと大きさはどうなるか。
(3) 接眼レンズL₂を、像A’B’より4.0 cm上方に置く。
このとき、対物レンズL₁と接眼レンズL₂の間の距離を求めよ。また、像A’B’は接眼レンズL₂の焦点の内側と外側のどちらにあるか。
(4) 接眼レンズL₂によってできる最終的な像は、L₂の上方、下方のどちらの何cmの位置にできるか。また、その像は実像と虚像のどちらか。
(5) 対物レンズによる像の倍率をm₁、接眼レンズによる像の倍率をm₂とする。
物体ABに対する最終像の倍率mをm₁、m₂を用いて表せ。
(6) 顕微鏡で小さい物体を大きく観察できる仕組みを、「対物レンズ」「接眼レンズ」「実像」「虚像」の語を用いて簡潔に説明せよ。
【解答】
(1) レンズの式より
1/2.0 = 1/2.5 + 1/b₁
b₁=10 cmより、対物レンズの上方10 cm。
(2) 倍率は
m₁ = 10/2.5 = 4
よって、物体と逆向きの4倍に拡大された実像。
(3)
b₁+4.0 = 14 cm
また、4.0<5.0=f₂より、L₂の焦点の内側。
(4) レンズの式より
1/5.0 = 1/4.0 + 1/b₂
よって
b₂=-20 cm
したがって、接眼レンズの下方20 cmにできる虚像。
(5) 対物レンズによって物体がm₁倍の像になり、その像がさらに接眼レンズによってm₂倍の像となるから、物体ABに対する最終像の倍率は
m=m₁m₂
(6) 対物レンズによって物体の拡大された実像をつくり、その実像が接眼レンズの焦点の内側にくるように配置する。
その実像を接眼レンズによってさらに拡大された虚像として観察することで、小さい物体を大きく見ることができる。
組合せレンズでは、光は各レンズを通るたびに順次屈折する。
1枚目のレンズによってできた像を、2枚目のレンズに対する物体として扱い、光路を順に追うことで、最終像の位置や大きさを求めることができる。
焦点距離 f₁=4.0 cm の凸レンズL₁と、焦点距離 f₂=6.0 cm の凹レンズL₂を、同一の水平な光軸上に配置する。
L₁を左側、L₂を右側に置き、光は左から右へ進むものとする。
物体ABを凸レンズL₁の左方6.0 cm、凹レンズL₂をL₁の右方8.0 cmの位置に置く。
(1) L₁による像A'B'は、L₂の左方、右方のどちらの何cmの位置にあるか。
また、L₂に入射する光がA'B'から広がってくる場合を実物体、A'B'に向かって収束しながら進む場合を虚物体という。
このとき、A'B'はL₂にとって実物体と虚物体のどちらとして扱われるか。
(2) L₂によってできる最終像A''B''の位置を求めよ。
(3) 最終像A''B''は実像と虚像のどちらか。
また、一般に凹レンズは実物体に対して虚像をつくるにもかかわらず、この場合に実像をつくる理由を簡潔に説明せよ。
【解答】
(1) L₁についてレンズの式より
1/4.0 = 1/6.0 + 1/b₁
よって
b₁=12 cm
L₂はL₁の右方8.0 cmにあるから、像A'B'はL₂の右方4.0 cmにある。
L₂に入射する光はA'B'に向かって進んでいるので、A'B'はL₂にとって虚物体である。
(2) A'B'はL₂にとって虚物体であり、凹レンズなので
1/(-4.0) + 1/b₂ = 1/(-6.0)
b₂=12 cmより、最終像A''B''はL₂の右方12 cmの位置にできる。
(3) b₂>0であるから、最終像A”B”は実像である。
この場合、L₂にはA’B’に向かって収束しつつある光が入射する。
凹レンズで光の収束は弱められるが、通過後も収束して一点に集まるため、実像ができる。
【補足】
実物体ではa>0、虚物体ではa<0と考えると、レンズの式を機械的に用いることができる。
同様に、実像ではb>0、虚像ではb<0、凸レンズではf>0、凹レンズではf<0とする。
最終的に実像と虚像のどちらができるかは、L₂に入射する光の収束の程度と、凹レンズによる発散作用のどちらが大きいかで決まる。
