
1850年, フーコーは回転する鏡を用いて光速を測定し, フィゾーの方法より精度を上げた.
図のように, 光源 S から出た光を回転鏡 R で反射させ, 距離 L だけ離れた固定鏡 M
(球面鏡)で反射させて再び回転鏡 R に戻す.
回転鏡 R が静止しているとき, 反射光は再び S に戻るが, 回転鏡 R が回転していると,
光が往復する間に R が θ だけ回転するため, 反射光は S’ の方向へ進む.
回転鏡 R の回転数を毎秒 n 回転とする. θ は度数法で表された数値とする.
(1) 回転鏡 R が1回転するのに要する時間を n を用いて表せ.
また, R が θ だけ回転するのに要する時間を表せ.
(2) 回転鏡 R が θ だけ回転すると, 反射光の進行方向は 2θ だけ変化する.
この理由を, 鏡の法線に注目して説明せよ.
(3) 光が往復する時間と, 回転鏡 R が θ だけ回転する時間が等しいことを利用して,
光の速さ c を L, n, θ を用いて表せ.
(4) R と M の間の距離を L=20.0 m とし, 回転鏡 R の回転数が n=800 s⁻¹ のとき,
回転角は3.86×10⁻²° であった. この値から光の速さcを求めよ.
フーコーの光速測定
(1) 回転鏡 R が1回転するのに要する時間は 1/n [s]
よって, R が θ だけ回転するのに要する時間は 1/n×θ/360=θ/(360n) [s]
(2) 回転鏡が θ だけ回転すると, 鏡の法線も θ だけ回転する.
反射の法則より, 入射角と反射角は法線に対して等しい.
法線が θ 回転すると, 反射角も θ 変化するので, 反射光の進行方向全体では 2θ 変化する.
(3) 光が往復する距離は 2L であるから, 光が往復する時間は 2L/c [s]
光が往復する時間と, 回転鏡 R が θ 回転する時間は等しいから θ/(360n)=2L/c
よって c=720nL/θ
(4) L=20.0 m, n=800 s⁻¹, θ=3.86×10⁻² を代入して
c=(720×800 s⁻¹×20.0 m)/(3.86×10⁻²)=2.98×10⁸ m/s
地上で初めて光速を測定したフィゾーの実験は, 約8.6 km離れた地点との間で行われた.
フーコーの実験では, 約20 mという短い距離で, より高い精度で光速を測定することができた.
また, 光路中に水などの物質を置くことで, 物質中を進む光の速さを測定することも可能となった.
現在, 真空中の光速は c=2.99792458×10⁸≈3.00×10⁸ m/s(秒速30万km) と定められている.
長さの単位 1 m は, 真空中の光が1/299792458 s の間に進む距離として定義されている.
