プリズムによる光の分散とスペクトル・光の散乱・偏光

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太陽光(白色光)には, 波長の異なるさまざまな色の光が含まれている. 人の目で見える光を可視光といい, 波長はおよそ3.8×10⁻⁷~7.7×10⁻⁷ m(トリプルセブンとその約1/2)である. 可視光より波長が長い側を赤外線, 波長が短い側を紫外線という. 媒質の屈折率は, 光の波長によって異なる. よって, 太陽光をプリズムに通すと, 色ごとに異なる方向へ屈折して分かれる. このように, 光が波長によって分かれる現象を光の分散という. 可視光では, 波長が短い紫色光ほど屈折率が大きく, 波長が長い赤色光ほど屈折率が小さい. プリズムを通った光は, 赤から橙・黄・緑・青を経て紫まで, 連続的に分かれる. このように, 光を波長(または振動数)ごとに分けて並べたものをスペクトルという. 連続スペクトル さまざまな波長の光が連続的に分布しているスペクトルを連続スペクトルという. 太陽光や白熱電球の光などを分光すると, 赤から紫までの色が連続して現れる. 高温の固体や液体が放つ光は, 一般に連続スペクトルとなる. 線スペクトル ナトリウムランプや水銀灯のスペクトルは, 特定の波長の光だけが強く現れる. このような, 特定の波長の位置に明るい線が現れるスペクトルを線スペクトルという. 線スペクトルに現れる波長は元素ごとに異なるため, スペクトルから元素の種類がわかる. 吸収スペクトルとフラウンホーファー線 連続スペクトルをもつ光を低温・低密度の気体に通すと, 気体中の原子が 特定の波長の光を吸収するため, 連続スペクトル中のその波長の位置に暗い線が現れる. このようなスペクトルを吸収スペクトルという. 太陽光の連続スペクトルに見られる多数の吸収スペクトルをフラウンホーファー線という. 太陽光が太陽表面付近の低温の気体を通過するとき, 特定の波長の光が吸収されて生じる. フラウンホーファー線の波長を調べることで, 太陽大気に含まれる元素を知ることができる. 光の散乱 光が小さな粒子に当たり, さまざまな方向へ進行方向を変える現象を光の散乱という. 光の波長より十分小さい粒子による散乱では, 波長が短い光ほど強く散乱される. このため, 昼間の空では, 波長の短い青色の光が強く散乱され, 空全体が青く見える. 一方, 夕方には太陽光が大気中を長い距離進むため, 短波長の光が途中で散乱され, 比較的散乱されにくい赤色の光が目に届きやすくなり, 太陽や空が赤く見える. 空気分子のように, 光の波長より十分小さい粒子による散乱をレイリー散乱という. レイリー散乱の強さは, 光の波長 λ の4乗 λ⁴ に反比例する. したがって, 波長の短い青色光ほど強く散乱され, 波長の長い赤色光ほど散乱されにくい. 紫色光はより強く散乱されるが, 太陽光中の量と目の感度が低いため, 空は青く見える. 偏光 光は進行方向に垂直な方向に振動する横波であり, 自然光は進行方向に垂直なあらゆる方向に振動しており, この光を偏光板に通すと, 特定の方向に振動する成分だけが通過する. このように, 光の振動方向が特定の方向に偏った光を偏光という. 2枚の偏光板を重ねると, それぞれの光を通す方向が平行なときは光がよく通り, 互いに垂直なときはほとんど光が通らない. 頂角がAの二等辺三角形を断面にもつプリズムが空気中に置かれている. プリズムの屈折率をnとし, 空気の屈折率を1とする. 一方の面から入射した単色光がプリズム内で屈折した後, 他方の面から空気中へ出射する. 入射角をi₁, 出射時の屈折角をi₂, プリズム内で各面の法線となす角をr₁, r₂とする. また, 入射光の進行方向と出射光の進行方向のなす偏角をδとする. (1) 頂角Aをr₁, r₂を用いて表せ. (2) 偏角δをi₁, i₂, Aを用いて表せ. 以下, 各光についてA, i₁, i₂, r₁, r₂は十分に小さいものとし, 角度をラジアンで表す. (3) sin x≈x (|x|≪1)を用いて, i₁≈nr₁, i₂≈nr₂が成り立つことを示せ. さらに, 偏角δがδ≈(n-1)Aと表されることを示せ. (4) 次に, プリズムに細い白色光を入射させる. 赤色光と紫色光に対する屈折率をそれぞれn_R, n_Vとすると, n_V>n_Rである. 赤色光と紫色光の偏角をそれぞれδ_R, δ_Vとするとき, 両者の進行方向のなす角 ΔδをA, n_R, n_Vを用いて表せ. また, 赤色光と紫色光のうち, プリズムにより大きく曲げられるのはどちらか. (1) プリズムの頂点をT, 入射点をP, 出射点をQとする. △TPQに着目すると A=r₁+r₂  [ ∠TPQ=90°-r₁, ∠TQP=90°-r₂ ] (2) 第1面で光が曲がる角はi₁-r₁, 第2面で光が曲がる角はi₂-r₂である. よって δ=(i₁-r₁)+(i₂-r₂)=i₁+i₂-(r₁+r₂) (1)より δ=i₁+i₂-A (1), (2)ともに中学幾何レベルなので, 一見して身構える必要はない. 入射光と出射光の交点をXとすると ∠XPQ=i₁-r₁, ∠XQP=i₂-r₂ 後は, 「三角形の1つの外角は, それと隣り合わない2つの内角の和に等しい」を利用できる. (3) 第1面と第2面に屈折の法則を用いると 1·sin i₁=nsin r₁, 1·sin i₂=nsin r₂ i₁, r₁, i₂, r₂は十分に小さいから, sin x≈xを用いると i₁≈nr₁, i₂≈nr₂ (2)より δ=i₁+i₂-A≈nr₁+nr₂-A=n(r₁+r₂)-A (1)より δ≈n(r₁+r₂)-A=nA-A=(n-1)A (4) 赤色光と紫色光について, (3)より δ_R≈(n_R-1)A, δ_V≈(n_V-1)A よって Δδ=δ_V-δ_R≈(n_V-n_R)A n_V>n_Rよりδ_V>δ_Rであるから, 紫色光の方が大きく曲げられる.
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