成分元素の検出と元素分析、組成式の決定

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成分元素の検出 元素検出法 炭素\ {CCuO}(酸化剤)を加えて完全燃焼させると,\ CO₂}として発生する. 石灰水が白濁すると,\ {C}の存在が確定する. {水素\ {H CuO}(酸化剤)を加えて完全燃焼させると,\H₂O}として発生する. CuSO₄} (白色)}がCuSO₄.H₂O} (青色)に変化すると,\ {H}の存在が確定する. {窒素\ {N ソーダ石灰({CaO + NaOH})を加えて加熱すると,\ \NH₃}として発生する. 濃塩酸と反応して白煙が生じると,\ {N}の存在が確定する. 硫黄\ {S}Na}を加えて加熱すると,\ {Na2S}{S²-)}が生じる. 酢酸鉛水溶液を加えて黒色沈殿{PbS}を生成すると,\ {S}の存在が確定する. 塩素\ {Cl}{銅線につけて燃焼させるとCuCl₂}が生じる. 炎色反応で青緑色になると,\ {Cl}の存在が確定する. 炭素と水素の元素分析   酸化剤)} 塩化カルシウムでH₂Oを吸収させ,\ 次に\ソーダ石灰でCO₂を吸収する.  ソーダ石灰はCO₂もH₂Oも吸収するため, 順番を逆にすると区別できなくなる.  {酸化銅(II)の役割:不完全燃焼でできた{CO}をCO₂にする}(酸化剤).}組成式の決定 (${C}=12,\ {H}=1,\ {O}=16$)   {C},\ {H},\ {O}からなる化合物60[g]を完全燃焼させて,\ CO₂88[g]とH₂O36[g]を得た.     各元素の質量を求める.     C}の質量}=88 C{CO₂=88 {12}{44}=24}\ [g]} [1.3zh] {H}の質量}=36 {2{H{H₂O=36 {2}{18}=4}\ [g]} {O}の質量}=60-(24}+4})=32}\ [g]} 各元素の物質量(mol)比を求める.       ${C}\ [mol}]:{H}\ [mol}]:{O}\ [mol}]={24}\ [g]{12}\ [g/mol]:{4}\ [g]{1}\ [g/mol]:{32}\ [g]{16}\ [g/mol]$               1:2:1   {C},\ {H},\ {O}からなる化合物の元素の割合は,\ {C}が71.1\%,\ {H}が5.2\%(質量\%)であった.  組成式C8H7O₂ 組成式の決定は,\ 有機化学分野の最重要事項である. {「組成式の決定\ →\ 分子式の決定\ →\ 構造式の決定」}が有機化学の問題の基本的な流れである. 組成式の決定を間違えることは,\ 大問1つの全滅を意味するのである. 組成式は,\ {有機化合物を構成する原子の個数の最も簡単な比}である. 原子の個数の比は,\ {原子の物質量(mol)の比}と等しいから,\ これを求めればよい. 組成式を決定する問題は大きく2パターン存在し,\ 1例目のほうが面倒だが基本である. 有機化合物を完全燃焼させたときの反応式は {C_mH_nO_p + O₂ mCO₂+ n2H₂O 有機化合物中の{C}原子と{H}原子はそれぞれ,\ すべてCO₂とH₂Oになる. よって,\ {発生したCO₂とH₂Oの質量から元の有機化合物中の{C}と{H}の質量を逆算できる.} {C}の原子量:CO₂の分子量=12:44=x:88\ より,\ {C}の質量が24[g]}であったとわかる. {H}の質量も同様にして求められる. しかし,\ {O}の質量をCO₂とH₂Oから\ 88{32}{44}+36{16}{18}などとして求めることはできない. CO₂とH₂Oの{O}は,\ {試料以外に外部から加えたO₂や{CuO}に由来するものを含む}からである. 結局,\ {O}の質量は,\ 試料の質量から{C}と{H}の質量を引いて求めることになる. 各元素の質量が求まれば,\ 後は物質量(mol})比を求めるだけである. 2例目は,\ {質量パーセントで元素組成}が与えられるパターンであり,\ こちらのほうが楽である. 求めるのはあくまで比であるから,\ 統一さえされていれば基準は自由である. よって,\ {試料を100[g]と仮定}して考えればよい. すると,\ {質量パーセントの値がそのまま各元素の質量の値}となり,\ 後は1例目と同様である. さて,\ 実際に計算してみると,\ いつもきれいな整数比になるとは限らない. この場合,\ {小数第2位くらいまでを考え,\ 最も小さい値を一旦1にする}とよい. 2例目では,\ 全体を最小の1.48で割って1.48を1にした後,\ 3.5を整数にするために2倍した.