2次関数のグラフの対称移動の原理(x軸、y軸、原点)

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y=f(x)}$を${x軸,\ y軸,\ 原点に関して対称移動}した関数{y=g(x)}$を求めよう. グラフを含めた座標平面上の全ての図形は,\ 数学的には条件を満たす点の集合である. よって,\ グラフの移動の本質は点の移動である. そして,\ どのような条件を満たすべきかを求めれば,\ それが求める関数である. 式がわかっているのは$y=f(x)$だけなので,\ 平行移動の場合と同じく逆に考える. つまり,\ ${y=g(x)}$上の点を逆に対称移動した点が関数${y=f(x)}$上にある条件を立式する. 対称移動後の関数$y=g(x)$上の点$(x,\ y)$を$ 逆にx軸対称移動}すると(x,\ -y)} 逆にy軸対称移動}すると(-x,\ y)} 逆に原点対称移動}すると(-x,\ -y)} $-1zw}に移る. これらが$y=f(x)$上に存在するから,\ 代入して成り立たなければならない. つまり,\ $ {x軸対称 {-y=f(x) & ({y\ →\ {-y\ と置換) {y軸対称 {y=f(-x) & ({x\ →\ {-x\ と置換) {原点対称 {-y=f(-x) & ({x},\ y\ →\ {-x},\ -y\ と置換) $が成立する. 放物線\ y=3x²+5x-1\ をx軸,\ y軸,\ 原点のそれぞれに関して対称移動した$ $放物線の方程式を求めよ.$ $ある放物線をx軸方向に-2,\ y軸方向に3平行移動した後,\ 原点に関して対称$ $移動すると,\ 放物線\ y=-2x²+4x+1\ になった.\ 元の放物線の方程式を求めよ.$ x軸対称ならyを-yに,\ y軸対称ならxを-xに,\ 原点対称ならx,\ yを-x,\ -yに置換する. 2次関数なので頂点の移動で求めることもできるが,\ 面倒なだけでメリットはない. {x軸対称ならy座標,\ y軸対称ならx座標,\ 原点対称ならx座標とy座標の正負が逆になる.} 特に注意すべきは,\ {x軸対称移動と原点対称移動では2次の係数の正負も逆になる}ことである. 対称移動によって{上に凸と下に凸が入れ替わる}からである. {原点に関して対称移動}すると${x軸方向に2},\ y軸方向に-3}平行移動すると$ 原点に関して対称移動}すると,\ 頂点は$(-1,\ -3)$となる. { }さらに,\ $x軸方向に2},\ y軸方向に-3}平行移動すると$,\ 頂点はx軸方向に-2},\ y軸方向に3}平行移動すると$ 原点に関して対称移動}すると 係数比較すると (元の放物線)\ →\ (x軸方向に-2,\ y軸方向に3平行移動)\ →\ (原点対称)\ →\ y=-2x²+4x+1 与えられているのは移動後の式なので,\ 次のように逆の移動を考えるのが賢明である. y=-2x²+4x+1\ →\ (原点対称)\ →\ (x軸方向に2,\ y軸方向に-3平行移動)\ →\ (元の放物線) (x,\ y)=(-2,\ 3)平行移動の逆は,\ (x,\ y)=(2,\ -3)平行移動であることに注意する. x軸方向にp,\ y軸方向にq平行移動するときは,\ x→x-p,\ y→y-q\ 平行移動するのであった. 頂点の移動を考えたのが別解1である.\ 逆に考える点は同じである. 原点に関する対称移動を含むので,\ {2次の係数の正負が変わる}ことに注意する. 元の放物線を文字でおき,\ 順に移動させる別解2も一応示した. 放物線\ y=2x²-4x+3\ を直線x=-1,\ 点(3,\ -1)のそれぞれに関して対称移動した$ $放物線の方程式を求めよ. $y=2x²-4x+3=2(x-1)²+1\ の頂点は (1,\ 1)$ $点(1,\ 1)を直線x=-1に関して対称移動した点の座標を(a,\ 1)とすると$ $x座標について\ {a+1}{2}=-1}\ より a=-3$    ${y=2(x+3)²+1}$ $点(1,\ 1)を点(3,\ -1)$に関して対称移動した点の座標を$(a,\ b)$とすると $x座標について\ {a+1}{2}=3},y座標について\ {b+1}{2}=-1}$   [ $x座標とy座標別々に}$ ]} x軸,\ y軸以外の直線,\ 原点以外の点に関する対称移動を一般的に扱うのはやや難しい. 2次関数のみに通用する解法ならばほぼ数I}の範囲内で理解できるので,\ ここで取り上げた. {頂点の移動を考え,\ 点の対称移動に帰着させる}のである. このとき,\ {中点は足して2で割ると求まる}ことを利用する(詳細は数II}で学習). 前半は,移動前の点のx座標と移動後の点のx座標の中点が-1であることから移動後の点を求めた. 後半は,移動前の点と移動後の点の中点が(3,\ -1)であることから移動後の点を求めた. 点に関する対称移動では,\ {2次の係数の正負が変わる}ことに注意する.