油脂やグリセリンの構造式を書けるようにしておくこと。また、けん化価やヨウ素価は公式を覚えても応用が利かないので、自分で立式できるようにしておくこと。

oil-soap

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脂肪酸}\ (鎖状の1価のカルボン酸)}飽和脂肪酸}} 炭化水素基がすべて\textbf{\textcolor{cyan}{単結合}}である. \\ \textcolor{blue}{\textbf{不飽和脂肪酸}} 炭化水素基に\textbf{\textcolor{red}{二重結合を含む}}. 代表的な\textcolor{blue}{高級脂肪酸} {C=C} \\ \hline 飽和脂肪酸}}} {パルミチン酸\ \ \ce{C_{\textcolor{red}{15}}H_{31}COOH} 18 ステアリン酸\ \ \ce{C_{17}H_{35}COOH}0} \\ \hline {オレイン酸\ \ \ce{C_{17}H_{33}COOH} \textcolor{red}{不飽和脂肪酸}リノール酸\ \ \ce{C_{17}H_{31}COOH}  リノ\textcolor{magenta}{レン}酸\ \ \ce{C_{17}H_{29}COOH} 高級脂肪酸\ (炭素数が多い脂肪酸)\ のゴロ合わせ \textcolor{magenta}{パスオリレン}} \\\\\\ 油脂}  \textcolor{red}{高級脂肪酸のグリセリンエステル}}\ (トリグリセリド) \\ [-1zh] 高級脂肪酸} {グリセリン}エステル化}][\textcolor{blue}{加水分解}]}    \textbf{\textcolor{blue}{油脂} (3H2O}}} \\ [1.5zh] \textbf{\textcolor{magenta}{水} (\textcolor[named]{ForestGreen}{3mol})} \end{tabular}}$ \\\\\\  \textbf{油脂の分類} \\[.5zh] {脂肪}}} 常温で\bm{\textcolor{cyan}{固体}}.\ \bm{\textcolor{cyan}{ 飽和脂肪酸の油脂}}を多く含む.\ \bm{\textcolor{cyan}{動物性の油脂}}に多い. \\[0zh] バター,\ 豚脂(ラード),\ 牛脂(ヘッド). \\\hline \multirow{4}*{\textbf{\textcolor{blue}{脂肪油}}} 常温で\bm{\textcolor{red}{液体}}.\ \bm{\textcolor{magenta}{不飽和脂肪酸の油脂}}を多く含む.\ \bm{\textcolor{magenta}{植物性の油脂}}に多い. \\[0zh] あまに油,\ オリーブ油. \\ 脂肪油に水素を付加}}して\bm{\textcolor{red}{固化}}させたものを\textbf{\textcolor{blue}{硬化油}}という. \\ マーガリン  \textbf{油脂の空気乾燥}\ {\small (ヨウ素価の詳細は後述.\ ヨウ素価が大きいほど二重結合が多い.)} \\[.5zh] 乾性油}}} ヨウ素価130以上.\ 空気中で\bm{\textcolor{red}{完全に固化}}する.\ あまに油. \\\hline 半乾性油}}} ヨウ素価100~130.\ 多少の乾燥性がある. ごま油. \\\hline 不乾性油}}} ヨウ素価100以下.\ 乾燥性が弱く,\ 空気中で\bm{\textcolor{red}{固化しない}}. \ オリーブ油. \\\hline セッケン}  \textcolor{red}{高級脂肪酸のナトリウム塩}\ (\textcolor{blue}{\ce{R-COONa}})} \\\\   \textbf{製法} \textbf{\textcolor{magenta}{油脂}}に\textbf{\textcolor{magenta}{水酸化ナトリウム水溶液}}を加えて\textbf{\textcolor{orange}{加熱}}する(\textbf{\textcolor{blue}{けん化}}油脂} (NaOH水酸化ナトリウム}} \\ {セッケン}グリセリン     反応後の溶液は\コロイド溶液}}(セッケンは親水コロイド})になっている. \\[.2zh]     多量の\ce{NaCl}などの電解質を加えて\textbf{\textcolor{red}{塩析}}するとセッケンが得られる.セッケンの本体} 脂肪酸イオン}親水性親油性}}} {疎水性(親油性)の部分と親水性の部分を合わせもつ化合物}}を\textbf{\textcolor{blue}{界面活性剤}}という. \\[.2zh]   \textbf{\textcolor{cyan}{水の表面張力を低下}}させるため,\ よく泡立ち,\ 浸透しやすくなる. セッケンの洗浄作用}} \\   \maru1\ \ 表面:親水基を水中に向けて膜を形成する. \\    \ \ 水中:親水基を外に向けミセル}}(負に帯電)を形成する. \\[.4zh]   \maru2\ \ 疎水基が油汚れに吸着する.\ 親水基は水のほうを向く. \\[.4zh]   \maru3\ \ 油汚れを囲む微粒子となり分散する(\textbf{\textcolor{red}{乳化}}).\ 乳化してできた溶液を\textbf{\textcolor{red}{乳濁液}}という. \\\\\\  \textbf{\textcolor{blue}{セッケンの欠点}} 弱酸(脂肪酸)と強塩基(\ce{NaOH})からなる正塩}}であるから,\ \textbf{\textcolor{red}{水溶液は塩基性}}を示す. \\[.1zh]    \ \ よって,\ 塩基性に弱い絹・羊毛などの動物性繊維(タンパク質の繊維)には使えない. \\[.5zh]   \maru2\ \ \textbf{\textcolor{red}{硬水や海水中では\ \ce{Ca^2+}, \ce{Mg^2+}と沈殿を作る}}ため,\ \textbf{\textcolor{cyan}{洗浄能力を失う}}. \\[.1zh]    \ \  \ce{2RCOO- + Ca^2+ (RCOO)2Ca v}  (硬水:\ce{Ca^2+}, \ce{Mg^2+}を多く含む水) \\\\\\  \textcolor{blue}{\textbf{合成洗剤}}\ (セッケンの欠点を克服) \\[.5zh] セッケン}合成洗剤} \\ \hline 構造R-COONa} R-SO3Na} \\\hline 水溶液塩基性} 中性} \\ \hline 硬水沈殿する} 沈殿しない} \\ \hline 共通点 ともに\textcolor{red}{界面活性剤}} \\ \hline 合成洗剤\,\ce{R-SO3Na}\,は,\ \bm{強酸のスルホ基\ce{- SO3H}と強塩基\ce{NaOH}からなる正塩}である. \\[.2zh] それゆえ,\ 水溶液は中性を示し,\ 塩基性に弱い絹や羊毛でも使用できる. \\[.2zh] ただし,\ 合成洗剤はセッケンに比べて自然の力で分解されにくく環境に悪いという欠点がある. けん化価とヨウ素価}} \\[1zh]   けん化価}}  \textbf{\textcolor{red}{油脂1gをけん化するのに必要な\ce{KOH}の質量(\underline{mg}).}} \\[.2zh]      油脂の分子量を推定}}できるけん化価と反比例}). \\[1zh]   \textbf{\textcolor{blue}{ヨウ素価}}  \textbf{\textcolor{red}{油脂100gに付加するヨウ素I\ce{_2}\,の質量(\underline{g}).}} \\[.2zh]         \textbf{\textcolor{cyan}{油脂に含まれる\underline{炭素原子間}の二重結合の数を推定}}できる(\textcolor[named]{ForestGreen}{ヨウ素価と比例})1種類の直鎖脂肪酸からなる油脂があり,\ けん化価は190,\ ヨウ素価は86.2であった. \\[.2zh] \hspace{.5zw}この油脂の構造式を示せ.\ \ $\ce{KOH}=56,\ \mathRM{I}\ce{_2}=254,\ \ce{C}=12,\ \ce{H}=1,\ \ce{O}=16$\ とする. \\ 油脂の分子量M}は  M=\bunsuu{56\times3}{0.19}\kinzi\textcolor{cyan}{884}$ \\[.5zh]  油脂1分子中の炭素原子間の二重結合の数n}は  n=\bunsuu{86.2}{254}\times\bunsuu{884}{100}  $脂肪酸を\,\ce{R-COOH}\,とすると,\ \ce{R}を\ce{C_mH_{2m-1}} まず,\ \bm{けん化価から油脂の分子量}を求める. \\[.2zh] 題意より,\ 油脂1\,\text{[g]}のけん化に使われた\ce{KOH}は190\,[\text{mg}]=0.19\,[\text{g}]\ である.\ 単位に注意! \\[.2zh] けん化の化学反応式より,\ \bm{油脂1\,\text{\textbf{mol}}\,のけん化には\ce{KOH}\ 3\,\text{\textbf{mol}}\,が必要}である(\ce{NaOH}と同様). \\[.2zh] 後は,\ 油脂1\,\text{[g]}と\ce{KOH}\,0.19\,\text{[g]}\ を一旦\text{mol}に直して量的関係を考えればよい. \\[.2zh] 1\,[\text{mol}]:56\,[\text{g}]=x\,[\text{mol}]:0.19\,[\text{g}] より \ce{KOH}は\ x=\bunsuu{0.19}{56}\ [\text{mol}]\ である. \\[.5zh] また,\ 油脂の分子量をM\,\text{[g]}\,とすると\ \bunsuu{1}{M}\ \text{[mol]}\ であるから  次に,\ \bm{ヨウ素価から炭素原子間の二重結合の数}を求める. \\[.2zh] 油脂1分子に二重結合がn個あるとすると,\ ヨウ素がn個付加できる. \\[.2zh] 結局,\ \bm{油脂1\,[\text{\textbf{mol}}]\,にはヨウ素がn\,[\text{\textbf{mol}}]\,付加}できるから,\ \text{mol}比「油脂:ヨウ素=1:n」である. \\[.2zh] 題意より,\ 油脂100\,[\text{g}]にはヨウ素86.2\,[\text{g}]\,が付加する.\ 後は\,\text{mol}\,で量的関係を考えればよい. \\[.2zh] 油脂:ヨウ素=\bunsuu{100}{884}\,[\text{mol}]:\bunsuu{86.2}{254}\,[\text{mol}]=1:n \\[1.5zh] \bm{分子量と1分子中の二重結合の数から油脂の構造が特定できる.} 油脂の構造は決まっている(右図)から,\ \ce{R_1},\ \ce{R_2},\ \ce{R_3}\,の特定が目標になる. \\[.2zh] 分子量884から\ce{R}以外の部分の質量を除けば,\ \ce{R}の部分の質量がわかる. \\[.2zh] \ce{R}以外の部分は\ce{C}\,6個,\ \ce{H}\,5個,\ \ce{O}\,6個であるから 12\times6+1\times5+16\times6=173 \\[.2zh] 題意より\,\ce{R_1},\ \ce{R_2},\ \ce{R_3}\,は同じであるから1つの\ce{R}が\,(884-173)\div3=237\,であるとわかる. \\[.2zh] また,\ 油脂1分子中の炭素原子間の二重結合の数は3個より,\ \bm{\ce{R}\,1つにつき1個の二重結合}がある. \\[.2zh] よって,\ \ce{R}に含まれる\ce{C}の個数をm個とすると,\ \bm{\ce{R}を\ce{C_mH_{2m-1}}\ とおく}ことができる. \\[.2zh] \ce{- COO}との結合を考慮し,\ 二重結合を1個もつアルケンの一般式\,\ce{C_mH_{2m}}\,から\ce{H}を1個除いた. \\[.2zh] 後は,\ \ce{C_mH_{2m-1}}=12m+(2m-1)=237\ より,\ m=17\ と求まることになる. \\[.2zh] 以上をまとめると上のような解答になる. \\[.2zh] 結局,\ オレイン酸\ce{C_{17}H_{33}-COOH}\ で構成された油脂であることがわかる. %天然の不飽和脂肪酸は,\ 普通シス型で分子が折れ曲がっているため,\ 密な配列をとりにくく,\ 融点が低くなる.