円と楕円の媒介変数表示

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媒介変数表示が表す曲線を求めるには,\ 結論から言えば{ほ}ぼ}媒介変数を消去すればよい}だけである. しかし,\ 単に媒介変数を消去しただけの曲線は必要条件にすぎず,\ 本来は十分性の確認を要する. つまり,\ {求める曲線が媒介変数を消去して求めた曲線のすべてとは限らず,\ 一部のみの可能性がある.} 試験でどこまで記述すべきかは正直微妙だが,\ 大抵は最終的な答えが正しければ許される(と思う). ,\ cosθ=,\ sinθ=にできるならば,\ cos²θ+sin²θ=1\ を利用してθを消去できる. {,\ }θに範囲の制限があれば円や楕円の一部となるが,\ なければ円や楕円全体を表す. {,\ }円や楕円など,\ どのような図形かも含めて答えること. 両辺を2乗してからtを消去すればよい. xの関数y=f(x)ならxの範囲,\ yの関数x=f(y)ならyの範囲を確認するのであった. {円や楕円はxの関数でもyの関数でもないので,\ xとyの範囲を両方確認する}必要がある. 一般に{○}0であることを考慮すると,\ 本問の曲線が楕円の一部であるとわかる. ちなみに,\ 2t0かつ1-t0より,\ tの取りうる値の範囲は0 t1である.次の媒介変数表示が表す曲線を答えよ. 分数の形の媒介変数表示は,\ 媒介変数を消去するのにコツがいる. その中で本問は最も単純な型である.\ まずxとyの式をよく見比べると,\ y=txが成り立つとわかる. その後t=にしたいのだが,\ 当然x=0か否かが問題になる. x={1}{1+t²}より常にx0であるからt=に変形でき,\ x={1}{1+t²}に代入するとtを消去できる. 円上にx=0の点が1つある(原点)ので,\ それを除外して最終的な答えとする. 前問のように,\ xとyの範囲をきちんと確認しなくても大丈夫なのかと思ったかもしれない. 実は,\ 前問では便宜的にxとyの範囲を確認したのであり,\ 本質は別のところにある. そもそも,\ 媒介変数表示の曲線を求めることの本質は次である. を満たす実数tが存在するような点(x,\ y)の集合を求める} ₀ よって,\ 媒介変数tを消去するだけでなく,\ 実数tが存在するか否かの確認が重要になる. 前問の場合,\ 実数tが存在するための条件がx0,\ y0で,\ それは{○}0から導かれる. 本問の場合,\ t= yxより,\ x0ならば実数tが存在する. よりもtの消去が困難である.\ {tとt²の連立方程式とみて消去する.} まず,\ x={1-t²}{1+t²}をt²=の形にする.  (1+t²)x=1-t²(1+x)t²=1-x x=-1とすると0t²=2となり矛盾するから,\ x-1である. 他方の式のt²に代入した後さらにt=の式に変形し,\ 再びt²={1-x}{1+x}に代入してtを消去できる. (1+{1-x}{1+x})y=2t{2}{1+x}y=2tt={y}{1+x} 本問は円x²+y²=1の媒介変数表示の代表なので,\ 問題を見た時点で答えがわかるのが理想である. ちなみに,\ 式を導くだけなら次のようにすることも可能だが,\ 除外点の扱いが面倒になる. と同様だが,\ 媒介変数tにt-1という範囲があることを考慮する必要がある. つまり,\ {t-1を満たす実数tが存在していなければならない.} このときt={2y}{2+x}-1より,\ 2y-(2+x)とするのは誤りである(たまたま答えは合う). 2+xが負ならば,\ 両辺に2+xをかけて分母をはらうと不等号の向きが逆になるからである. 分数不等式の扱いはいくつかあるが,\ わかりやすいのは素直に場合分けする方法だろう. {両辺に分母の2乗(常に正)をかけて処理}してもよい.\ (分母)=2+x0を前提とする. 両辺に(2+x)²(>0)をかけると 2y(2+x)-(2+x)² 因数分解する方向で整理すると   どちらにせよ,\ {2y}{2+x}-1を満たすのは,\ 図のピンクの領域である. ただし,\ 直線x=-2上は含まないことに注意.