
1849年、フィゾーは高速回転する歯車を利用し、地上で初めて光の速さを直接測定した。
図のように、歯車のすき間を通過した光を距離 L だけ離れた鏡で反射させ、再び歯車の位置まで戻す。歯車には等間隔に N 個の歯があり、歯とすき間の幅は等しいものとする。
また、歯車は毎秒 f 回転している。ある回転速度では、出発時にすき間の中央を通った光が戻ってきたとき、隣の歯の中央に遮られて見えなくなった。
(1) 歯車が1回転するのに要する時間を f を用いて表せ。また、歯車が「1つのすき間の中央」から「隣の歯の中央」まで回転するのに要する時間を、N、f を用いて表せ。
(2) 光が往復する時間と歯車が半歯分(すき間の位置から隣の歯の位置まで)回転する時間が等しいことを利用して、光の速さ c を N、L、f を用いて表せ。
(3) ある実験で N = 720、L = 8.63×10^3 m の歯車と鏡を用いたところ、f = 12.6 Hz で戻ってきた光が最初に見えなくなった。この測定から得られる光の速さを求めよ。
(4) (3)の状態からさらに歯車の回転速度を上げていく。戻ってきた光が再び最も明るく見えるとき、光が往復する間に歯車は何回転するか。また、そのときの回転速度を求めよ。
フィゾーの光速測定
(1) 歯車が1回転する時間は 1/f。
歯車には N 個の歯と N 個のすき間が交互に並んでいるから、すき間の中央から隣の歯の中央までは 1/(2N) 回転する。
よって、すき間の中央から隣の歯の中央まで回転する時間は 1/(2Nf)。
[回転量が直感的にわかりにくいならば、4個など、少ない歯の数の歯車で具体的に考えてみるとよい。]
(2) 光が往復する距離は 2L であるから、光の往復時間は 2L/c である。
光が戻ってきたときにちょうど歯で遮られる条件は
2L/c = 1/(2Nf)
よって
c = 4NLf
(3) c = 4NLf に代入すると
c = 4×720×8.63×10^3×12.6
= 3.13×10^8 m/s
(4) 再び光が最も明るく見えるためには、戻ってきた光の位置に次のすき間が来ればよい。
よって、光が往復する間の回転量は 1/N 回転となる。
これは最初に光が消えたときの 1/(2N) 回転の2倍であるから、回転速度も2倍となる。
回転速度は
f = 2×12.6 = 25.2 Hz
