DO(溶存酸素)測定(ウィンクラー法)

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dissolved-oxygen
ある河川で採取した試料水中の溶存酸素(DO)を次の手順で測定する.  試料水100mLに硫酸マンガン水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を加えると { }水酸化マンガンの白色沈殿が生じた.     ${Mn²+}\ +\ {2OH-}\ {Mn(OH)₂ v} $  この沈殿は試料水中のすべての溶存酸素と反応して灰色沈殿に変化した.     ${2Mn(OH)₂}\ +\ O₂\ {2MnO(OH)₂ v} $  [3]ヨウ化カリウム水溶液と硫酸を加えると,\ 沈殿が溶解してヨウ素が遊離して { }溶液は黄褐色になった.     ${MnO(OH)₂}\ +\ {2}{I}^-\ +\ {4H+}{Mn²+}\ +\ {I}_2\ +\ {3H₂O} $  [4]デンプン水溶液を加えて青紫色になった遊離したI$_2$の滴定に0.025mol/Lの { }チオ硫酸ナトリウム標準溶液3.0mLを要した. この試料水のDO[mg/L]を求めよ. $O₂=32$ 水中に酸化されやすい汚染物質(有機物など)があると,\ 溶存酸素(Dissolved\ Oxygen})が消費される. よって,\ 水中に溶けている酸素(溶存酸素DO})[mg/L]}は水の汚染度の指標となる. COD}とは逆に,\ DO}[mg/L]}が小さいほど汚染度が高い.\ 2mg/L}以下は魚が住めないレベルである. 実験の流れを確認する.\ まず,\ 一旦水酸化マンガンの沈殿を生成する(). O₂の酸化力は弱いので,\ 強力な還元剤である{Mn(OH)₂}を生成して反応させるわけである(). で生成した{MnO(OH)₂}は塩基性下では安定だが,\ 酸性下でヨウ化カリウム{K}I}を酸化する(). さらにで生成したヨウ素I}_2を{Na2S2O3}で滴定する()ことで,\ 溶存酸素量を定量できる. 実験過程は複雑だが,\ 実際の計算では{O₂と{Na2S2O3}の物質量比を考慮}すればよいだけである. より,\ {1molのO₂から2molの{MnO(OH)₂が生じることがわかる({1:2}). より,\ {2molの{MnO(OH)₂}から2molの{I}_2}が生じることがわかる({1:1}). より,\ {2molの{I}_2の滴定には4molの{Na2S2O3}が必要}であるとわかる({1:2}). 結局,\ 物質量比は\ {O₂:{Na2S2O3}=1:4}\ であり,\ これを立式するとO₂の物質量が求まる. 後は質量[mg]}に換算し,\ さらに1L}あたりに換算すればよい(実験は100mL}の試料水).