どの陽イオンとどの陰イオンの組合せが沈殿するかは後に以下で学習する。
BaCl2}}と\textcolor{magenta}{\ce{H2SO4}}の反応を考えよう. \\[.2zh]
両者を混ぜると,\ 水溶液中には\ \textbf{\textcolor{Purple}{\ce{Ba^2+},\ \ce{Cl-},\ \ce{H+},\ \ce{SO4^2-}\ が混在}}することになる. \\[.2zh]
すると,\ 4種の化合物\ \textbf{\textcolor{Purple}{\ce{BaCl2},\ \ce{BaSO4},\ \ce{HCl},\ \ce{H2SO4}\ が生成される可能性}}が考えられる. \\[.2zh]
このうち,\ \textbf{\textcolor{red}{\ce{BaSO4}\,のみイオン結晶が沈殿する.}} \\[.2zh]
沈殿することで,\ BaSO4}\,が反応系から除外される}}ことになる. \\[.2zh]
すると,\ \textbf{\textcolor{red}{\ce{BaSO4}\,を増やそうとする方向に反応が進行する(ルシャトリエの原理).}} \\[.2zh]
よって,\ \textbf{\textcolor{red}{\ce{BaCl2 + H2SO4 -> 2HCl + BaSO4 v}}} のような反応が起こることになる. \\[.2zh]
この反応の根幹は\ \ce{Ba^2+ + SO4^2- -> BaSO4 v} である. \\\\[1zh]
陽イオン}+\textcolor{magenta}{陰イオン}\ \ce{->}\ \textcolor{red}{沈殿 \ce{v}}}$\ }}} \\\\[1zh]
\rei\ \ $\ce{CuSO4 + 2NaOH -> Na2SO4} + \textcolor{red}{\ce{Cu(OH)2 v}}$ ($\textcolor{cyan}{\ce{Cu^2+}} + \ce{2}\textcolor{magenta}{\ce{OH^-}} \ce{->} \textcolor{red}{\ce{Cu(OH)2 v}}$) \\[.8zh]
\rei\ \ $\ce{Pb(NO3)2 + H2S -> 2HNO3} + \textcolor{red}{\ce{PbS v}}$ \ \ \,($\textcolor{cyan}{\ce{Pb^2+}} + \textcolor{magenta}{\ce{S^2-}} \ce{->} \textcolor{red}{\ce{PbS v}}$) \\[.8zh]
\rei\ \ $\ce{2AgNO3 + 2NaOH -> 2NaNO3} + \textcolor{red}{\ce{Ag2O v + H2O}}$ \\[.2zh]
\ \,\,($\ce{2}\textcolor{cyan}{\ce{Ag^+}} + \ce{2}\textcolor{magenta}{\ce{OH^-}} \ce{->} \textcolor{red}{\ce{Ag2O v + H2O
沈殿生成反応は,\ 原理自体は非常にわかりやすい. \\[.2zh]
しかし,\ \bm{どの陽イオンとどの陰イオンの組合せが沈殿するかは暗記を要する.} \\[.2zh]
これは,\ 「無機化学:金属元素(金属イオンの沈殿)」で学習するので,\ ここでは詳細を扱わない. \\[1zh]
3例目は,\ 単純に考えると\ \ce{AgOH}\ が生成するはずである. \\[.2zh]
しかし,\ \bm{イオン化傾向の小さい\ce{Ag}\,や\ce{Hg}\,の水酸化物は不安定で,\ 酸化物と水に分解される}(暗記). \\[.2zh]
\ce{2AgOH -> Ag2O + H2O}, \ce{Hg(OH)2 -> HgO + H2O} [\,(酸化物+水\ce{->}水酸化物)の逆反応\,]