遷移金属元素(周期表3~11族)の一般的性質

transition-element
3族~11族{周期表で隣り合う元素と性質が似ている(すべて金属元素). 単体は融点が高く, 硬くて, 密度が大きい}.}\ タングステン({W})が融点最大(3410℃). 複数の酸化数を示す元素が多い(高い酸化数の原子を持つ物質は酸化剤になる). イオンや化合物が有色であるものが多い(水溶液中の典型元素のイオンは全て無色).  単体や化合物には,{触媒として働くものが多い({Pt},\ {V2O5},\ {MnO₂}など).  \maru6単体や化合物には,\ {強磁性をもつものがある({Fe},\ {Co},\ {Ni}など).  \maru7様々な配位子と安定した{錯イオンを作りやすい. 普通に化学の学習を進める高校生の多くは,\ 次の2点に疑問を感じることになる. 「18個の電子が入るM}殻が満たされていないのに,\ なぜ第4周期の{K}からはN}殻に配置される?」 「遷移元素の性質が典型元素の性質と異なるのはなぜ?」 これらの理由は高校範囲をわずかに超えるため,\ 学校ではごまかされる. 全く知らないのも気持ち悪いので,\ ここで一定の理由付けをしておくことにする. 電子殻はエネルギー準位が低い順にK,\ L,\ M,\ N},\ 殻(主量子数n=1,\ 2,\ 3,\ 4,\ )と呼ばれる. それぞれの電子殻には,\ 最大で2n²個の電子が収容できる. つまり,\ K殻には2個,\ L殻には8個,\ M殻には18個,\ N殻には32個}の電子が収容できる. 周期表第3周期の{Ar}までは,\ エネルギー準位の低い内側のK}殻から順に満たされていく(納得). しかし,\ 次の{K}の電子配置は,\ K,\ L,\ M}\ ではなく,\ K,\ L,\ M,\ N}\ となる(疑問). 実は,\ {各電子殻はさらに細かくエネルギー準位の異なる軌道に分かれている}(括弧内は最大電子数). K殻(主量子数1):1s   L殻(主量子数2):2s,\ 2p} M殻(主量子数3):3s,\ 3p,\ 3d  N殻(主量子数4):4s,\ 4p,\ 4d,\ 4f(14)} 着目すべきは,\ エネルギー準位が\ 1s2s}2p}3s}f{3p{4s3d4p\ となることである. つまり,\ 4s}軌道(外側)は,\ 3d}軌道(内側)よりもエネルギー準位が低いのである. よって,\ 次のように先に4s}軌道(N}殻)が満たされ,\ その後で3d}軌道(M}殻)に電子配置されていく. 結局,\ {最外殻ではない内側の電子殻が満たされていく3~11族が遷移元素}である. 実際はここまで単純ではなく,\ {最外殻の電子数は1~2個}となる(第4周期では_{24}{Cr}と_{29}{Cu}が1個). 遷移元素の性質は,\ {電子の空きがある内殻(安定できていない)も反応に関与する}ことに起因する. 内殻電子も自由電子となりうるため,\ 典型金属元素よりも金属結合が強くなる. その他,\ 内殻電子の影響により,\ 複数の酸化数を示したり,\ 色づいたり,\ 錯イオンを形成したりする.
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